新型SV-7Sは「SV650」の伝統を受け継ぐロードスポーツモデル

初代SV650は、645ccの90度V型2気筒エンジンを搭載するミドルクラスのロードスポーツモデルとして発売された。
V型2気筒エンジンならではの鼓動感や扱いやすい出力特性に加え、街乗りからワインディングまで幅広く対応できる走行性能が特徴で、モデルチェンジを重ねながら2025年まで販売された。
今回発表された新型SV-7Sの車体には、従来から採用されてきたスチール製トレリスフレームを引き続き採用。スリムな車体構成と重量バランスを重視し、さまざまなライダーが扱いやすい設計としている。
外観はSVシリーズの伝統的なスタイリングを踏襲しつつ、フロントまわりを刷新。新しい丸型LEDヘッドライトやLEDウインカーを採用し、現代的なデザインに仕上げられている。
645ccのV型2気筒エンジンを搭載! 最高出力は73PS


新型SV-7Sには、645ccの水冷4ストローク90度V型2気筒DOHCエンジンを搭載する。1999年の登場以来、同系統のエンジンは50万台以上のモーターサイクルに採用されてきた実績を持つ。
最高出力は73PS/8,500rpm、最大トルクは64N・m/6,800rpmを発生。V型2気筒エンジンならではの走行特性を継承しつつ、欧州の排出ガス規制「ユーロ5+」にも適合している。
今回のエンジンには、新しいトランスミッションギアやマグネトーを採用。また、吸気系やスロットルボディにも改良が加えられ、新たに搭載された電子制御システムとの連携を図っている。
エンジン内部には、放熱性に優れるスズキ独自のシリンダー表面処理技術「SCEM」を採用。オイルジェットによるピストン冷却機構も備え、エンジンの熱管理や耐久性に配慮している。
さらに、吸気系にはダウンドラフト式のレイアウトを採用し、エアボックスを燃料タンクの下に配置。車体中央部をスリムにまとめることで、足つき性にも配慮した設計となっている。
3種類のライディングモードを採用! 双方向クイックシフターも標準装備

新型SV-7Sでは、スズキの電子制御システム「S.I.R.S.(スズキ・インテリジェント・ライド・システム)」を採用し、ライダーを支援する装備を充実させた。
電子制御スロットルの採用により、エンジンの出力特性を切り替えられる「スズキドライブモードセレクター(SDMS)」にも対応している。
SDMSにはA・B・Cの3種類のモードを設定。モードAはアクセル操作に対する応答性を重視した特性とし、モードBではより穏やかな出力特性を持たせている。
両モードの最高出力は73PSで共通するが、モードCでは出力特性をさらに穏やかにするとともに、最高出力を61PSに制限する。
これにより、走行環境やライダーの好みに合わせてエンジン特性を変更できる。また、トラクションコントロールには3段階の設定を用意し、必要に応じてオフにすることも可能だ。
さらに、クラッチレバーを操作せずにシフトアップとシフトダウンができる双方向クイックシフターを標準装備。変速操作の負担を軽減するとともに、スポーティな走行時にもスムーズなギアチェンジを支援する。
このほか、発進時などにエンジン回転数の低下を抑える「ローRPMアシスト」や、スタータースイッチをワンプッシュすることでエンジンを始動できる「スズキイージースタートシステム」も採用した。
4.2インチTFTメーターを採用! ハンドルやサスペンションも見直し
装備面では、4.2インチのフルカラーTFTディスプレイを採用した。メーターには速度やエンジン回転数といった基本情報に加え、ライディングモードやトラクションコントロールの設定状態などを表示できる。
また、スマートフォンとの接続にも対応。対応アプリを利用することで、進行方向を案内するターンバイターン方式のナビゲーション表示や、天気予報、着信通知などを確認できる。
車体では、従来のSV650よりも幅を広げたテーパー形状のアルミ製ハンドルバーを採用。ステアリング操作時の扱いやすさを高めるとともに、自然で快適なライディングポジションを追求している。
シート高は785mmに設定し、足つき性にも配慮した。
燃料タンクは容量14Lを維持しながら形状を見直し、軽量化を実施。新たな電子制御システムに必要な部品を配置するスペースも確保している。
また、サスペンションの設定も変更され、日常走行での快適性とスポーティな走行に必要なコントロール性の両立を図った。
足まわりには、フロントにインナーチューブ径41mmの正立フォーク、リアにプリロード調整機構を備えたモノショックを採用。タイヤにはダンロップ製「ROADSMART III」を装着する。
車体色には、パールスズキディープブルー、マットソードシルバーとグラススパークルブラックの組み合わせ、グラススパークルブラックを基調とする3種類を用意する。
EICMA2026で新型SV-7Sが登場! 広がるSVシリーズのラインアップ

スズキは2025年のEICMAで、645ccのV型2気筒エンジンを搭載するクロスオーバーモデル「SV-7GX」を発表した。
そして翌2026年のEICMAでは、新たにネイキッドスポーツの「SV-7S」を披露。同じV型2気筒エンジンを採用しながら、それぞれ異なる走行スタイルに対応するモデルを展開している。
SV-7GXがスポーツ性とツーリング時の快適性を組み合わせたモデルであるのに対し、SV-7SはSV650から受け継がれる軽快な走行特性や、日常での扱いやすさを重視したモデルだ。
EICMA2026でのSV-7S発表によって、スズキのV型2気筒モデルは新たな展開を見せた。長年培ってきたエンジン技術を生かしながら、異なる用途に対応するモデルを展開するSVシリーズの今後にも注目したい。


