お値段396万円のバイクって!|MVアグスタ・ブルターレ1000RRは208馬力の最強スポーツネイキッド 

開発ベースはF4シリーズの最高峰となるRCで、最高出力はスポーツネイキッド史上ナンバー1の208ps。もっとも新世代のブルターレ1000RRは、圧倒的な速さとイタリア車の色気が存分に味わえるモデルでありながら、一昔前のイタリア車では考えられない、フレンドリーさを備えているのだ。

REPORT●中村友彦(NAKAMURA Tomohiko)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
問い合わせ先●MVアグスタジャパン(https://www.mv-agusta.jp/)

※2020年6月4日に掲載した記事を再編集したものです。
価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

MV SGUSTA BRUTALE 1000RR ディテール解説

MVアグスタ・ブルターレ1000RR
LEDヘッドライトはブルターレシリーズならではの楕円形を維持しているものの、内部構造を刷新。Xデザインの左右には、走行条件に応じて光軸を変更するコーナリングライトを装備。外周部はポジションランプとして機能。
MVアグスタ・ブルターレ1000RR
セパハンはトップブリッジと一体のデザイン。スタイルは非常にカッコいいものの、ハンドル交換は大変そうだ。バックミラーはバーエンドタイプ。TFT液晶パネルのマウントステーは、なんとガソリンタンクに固定されている。
MVアグスタ・ブルターレ1000RR
MVアグスタ・ブルターレ1000RR
メーターは現代のリッタースーパースポーツで定番になりつつあるTFT液晶。4種のライディングモードの切り替えや、トラコン/フロントリフトコントロール/ABSなどの調整もこのモニター内で行う。スマホとの接続も可能。
MVアグスタ・ブルターレMVアグスタ・ブルターレ1000RR1000RR
メーターは現代のリッタースーパースポーツで定番になりつつあるTFT液晶。4種のライディングモードの切り替えや、トラコン/フロントリフトコントロール/ABSなどの調整もこのモニター内で行う。スマホとの接続も可能。
MVアグスタ・ブルターレ1000RR
右側スイッチボックスには、クルーズコントロールとローンチコントロール用ボタン、セル/キル/マップ切り替えスイッチが備わる。スロットルはもちろん電子制御式

MVアグスタ・ブルターレ1000RR
MVアグスタ・ブルターレ1000RR
シートのメイン座面は自転車を思わせる構成で、スポーツライディング時のフィット感は抜群。テール周辺にはカーボン素材を多用。MVにそんなことを期待する人はいないと思うけれど、シート下の収納スペースはほぼ皆無。
MVアグスタ・ブルターレ1000RR
位置調整機能を備えるステップは、アフターマーケットパーツを思わせる高品質なアルミ削り出し。ストリートを前提とした量産車なので、バーは可倒式を採用している。クイックシフターはアップとダウンの両方に対応。
MVアグスタ・ブルターレ1000RR
エンジンはF4RCから継承。他メーカー製並列4気筒との相違点は、サイドではなくセンターのカムチェーン、放射状に配置された吸排気バルブ、セミドライサンプの潤滑方式など。レーシングキット装着時は212psを発揮する。
MVアグスタ・ブルターレ1000RR
既存のブルターレシリーズが右側2本出しを定番としていたのに対して、1000RRの排気系は左右2本ずつの4本出し。シートカウルは走行風の通過を考慮した構成で、テールランプとリアウインカーは一体構造。
MVアグスタ・ブルターレ1000RR
ブレーキはブレンボで統一。フロントはφ320mmディスク+ラジアルマウント式4ピストンキャリパーで、リアはφ220mmディスク+対向式2ピストンキャリパー。レースモードを備えるABSはボッシュの9Plus。
MVアグスタ・ブルターレ1000RR
3.50×17/6.00×17のホイールは、限定車のセリエオロではカーボンだったが、1000RRはアルミ鍛造。タイヤはピレリ・ディアブロスーパーコルサSPを選択する。後輪の前には、排気系の一部となる巨大なチャンバーを設置。
MVアグスタ・ブルターレ1000RR
オーリンズの前後サスは電子制御式。アウターチューブにMVアグスタ独自の切削加工が行われたフロントフォークはNix、リアショックはTTX。いずれのダンパーも走行中に自動補正を行うが、プリロードの調整は手動。

主要諸元

エンジン形式:4ストローク DOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:998cc
圧縮比:13.4:1
ボア×ストローク:79.0mm×50.9mm
最高出力:208hp/13000rpm
最大トルク:11.9kgm/11000rpm
エンジンマネージメント:MVICSイグニッションシステム
ミッション:6速
クラッチ:湿式多板スリッパークラッチ

全長×全幅:2080mm×805mm
ホイールベース:1415mm
シート高:845mm
始動方式:セル
タンク容量 16L
車両重量:186kg(乾燥)

フレーム:スチールパイプ・トレリスフレーム
スイングアーム:アルミニウム・シングルサイド
フロントサスペンション:オーリンズNix EC φ43mm倒立式
リヤサスペンション:オーリンズTTX
フロントブレーキ:φ320mmディスク+ラジアルマウント式4ピストンキャリパー
リアブレーキ:φ220mmディスク+対向式2ピストンキャリパー
前後ホイール:3.50×17 6.00×17
前後タイヤ:120/70ZR17 200/55ZR17

ライダープロフィール

テスター:中村友彦

1900年代初頭の旧車から最新スーパースポーツまで、ありとあらゆるバイクに興味を示す、雑誌業界23年目のフリーランス。
MVアグスタに関しては、近年のレギュラーモデルだけではなく、1972年型750Sや1976年型750Sアメリカ、マーニフレーム車、1999年型F4 750セリエオロなど、貴重車も経験している。

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著者プロフィール

中村友彦 近影

中村友彦

1996~2003年にバイカーズステーション誌に在籍し、以後はフリーランスとして活動中。1900年代初頭の旧車…