見た目で選んでも後悔しない、秀逸デザインのハスクバーナ・ノーデン901。その実力も納得の優等生でした!

ハスクバーナ・モーターサイクルズの新型アドベンチャーモデル、ノーデン901がいよいよ日本に上陸した。2019年のEICMAでコンセプトモデルが公開され、ほぼそのままのスタイリングで登場。ベースとなっているのは親会社であるKTMの890アドベンチャーで、889cc水冷並列2気筒エンジンの基本スペックは両車共通。オンオフ両ステージでのインプレッションをお届けしよう。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ハスクバーナ・モーターサイクルズ・ジャパン(http://www.husqvarna-motorcycles.com/jp/)

ディテール解説

75度位相クランク採用の899cc水冷DOHC4バルブ並列2気筒エンジンは、最高出力105hp/8,000rpmを発生。このスリムなエンジンを両サイドから覆うように燃料タンクをレイアウト。
サイレンサーは全体の形状こそ890アドベンチャーに近しいが、KTMがリベット固定やバンド型のステーを採用するのに対して、ノーデンはよりすっきりとした仕上げとなっている。
φ43mm倒立式フロントフォークはWP製のAPEXで、伸縮両減衰力が調整可能。ハスクバーナのロゴ入りキャリパーは現在ブレンボ傘下にあるスペインのJ.JUAN(ホタ・ホワン)製だ。
ホイール径はフロント21インチ、リヤ18インチで、前後ともチューブレスとされる。鋳造スイングアームはアルミ製で、リヤショックはプリロードと伸び側減衰力が調整可能だ。
ネイキッドのスヴァルトピレンやヴィットピレンを彷彿させるレトロモダンな丸型ヘッドライトを採用。フォグランプまでトータルでデザインされているので後付け感は皆無だ。
同じくネイキッドシリーズを思わせるシンプルなテールランプとウインカー。フルパニア化の際に邪魔にならないようサイズは控えめだが、光源がLEDなので視認性は非常に高い。
TFTコンビネーションインスツルメントはさまざまな機能を搭載。このノーデン901からオプションのユニットおよび専用アプリを介してのスマホ接続が可能となったのは朗報だ。
画像はオプションのシートヒーターを設定している場面で、操作は全てコンビネーションスイッチで行う。メーターの説明だけで取り扱い説明書の28ページ分を費やすほどに多機能だ。
ライダーシートは前後の固定位置を変えるだけでスピーディに高さを2段階に調整できる。
シートはキーロックにて脱着可能だ。左右のサイドカバー内に収納スペースを設けている。

ハスクバーナ・ノーデン901 主要諸元

エンジン形式 水冷DOHC4バルブ並列2気筒
ボア×ストローク 90.7×68.8mm
排気量 889cc
最高出力 77kW(105ps)/8000rpm
最大トルク 100Nm/6500rpm
変速機 6速
スターター セルスターター
クラッチ PASCアンチホッピングクラッチ、機械操作式
EMS Bosch製EMSライドバイワイヤー
消費燃料 4.5ℓ/100km
潤滑 2ポンプ式オイル圧送潤滑
車両重量(燃料なし) 約204kg
燃料タンク容量 約19 l
ABS Bosch 9.1MP(コーナリングABSとオフロードモードを含む、作動解除可能)
フロントブレーキディスク径 320mm
リアブレーキディスク径 260mm
フロントブレーキ ラジアルマウント4ピストンキャリパー×2
リアブレーキ 2ピストンフローティングキャリパー
チェーン 520 X-Ring
フレームデザイン クロムモリブデン鋼製フレーム、パウダーコーティング
フロントサスペンション WP APEX 43
リアサスペンション WP APEX-Monoshock
最低地上高 252mm
シート高 854/874mm(2段階調整式)
キャスター角 25.8°
サスペンションストローク(フロント) 220mm
サスペンションストローク(リア) 215mm
タイヤ(F/R) 90/90R21、150/70R18
燃料タンク容量 約19ℓ
保証期間 2年間
生産国 オーストリア

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著者プロフィール

大屋雄一 近影

大屋雄一

短大卒業と同時に二輪雑誌業界へ飛び込んで早30年以上。1996年にフリーランス宣言をしたモーターサイクル…