素性を知れば納得! 「GSX-S1000」がカタナの“中身”になったワケ|スズキ

新型「カタナ」が注目を集めていますが、そのベースモデルとなったのが「GSX-S1000 ABS」です。スズキを代表する機種に、シャシーやエンジンが選ばれる実力の持ち主。大いに気になります、乗ってみました!

REPORT●青木タカオ(AOKI Takao) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2019年07月07日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

クイックなハンドリングで旋回力抜群!

スズキGSX-S1000

 最高出力148PS/10,000rpmのエンジンは、4000〜5000rpmでもう充分すぎるほどにパワフルで、ミドルレンジだけでも街乗りなら足りてしまいます。しかも低中回転域でギクシャクすることがなく、過激すぎて扱いにくいと感じさせないところに好感が持てます。

 回転フィールはスムーズで、高回転まで引っ張り上げれば官能的なサウンドとともに加速の伸びが味わえ、さすがはスーパースポーツ譲りのパワーユニットと身震いせずにはいられません。排気音は開発時にサウンドチューニングが施され、エキゾーストノートもまた“愉しみ”になっているのです。

 今回、「GSX-S1000 ABS」をはじめ、「GSX-S1000F ABS」「カタナ」そして「GSX-R1000 ABS」も含め、スズキ・リッタースポーツを比較試乗したのですが、それぞれで当然ながらハンドリングも異なり、もっとクイックなのは「GSX-S1000 ABS」でした。

スズキGSX-S1000

 軽快にクルッと回る旋回性の高さがあり、身のこなしの軽さはピカイチ。いずれのモデルもインナーチューブ径43mmのKYB製倒立フロントフォークとリンク式のモノショックの組み合わせですが、比較するとよく動くようソフト寄りのセッティングが施され、それだけに路面からの衝撃を受けた際には車体の挙動は大きめに出ます。

 ただし、それは「GSX-S1000F」や「カタナ」らと比べればという印象で、コシのある踏ん張りの効く足まわりであることは間違いありません。
 初期荷重からしなやかに動き、しっかりとした接地感が前後タイヤから伝わり、トラクション性能も良好。自在に操る楽しさがあり、ライダーの技量やシチュエーションを選ばないスタンダードとしての役割をしっかり担っていると言えるでしょう。

 ベーシックとしての素性の良さがあるからこそ、新型「カタナ」にも姿を変えることができたのです。販売好調であることも頷けますし、ロングセラーの予感もしてきます。

キーワードで検索する

著者プロフィール

青木タカオ 近影

青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。最新バイク情報をビギナーの目線に絶えず立ち返…