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ヤマハJOG125……255,200円(2022年11月28日発売)
エンジンはアクシスZと共通の空冷ブルーコアだ
「小っさ!」というのが偽らざる第一印象だ。思わずナンバープレートの色を確認してしまったほどで、当然ながら原付2種であることを証明するピンク色だった。車体寸法を調べてみると、このJOG125はアクシスZ(124cc)とJOG(49cc)のほぼ中間であり、サイズ感としては「原付1.5種」といったら分かりやすいだろうか。
これだけコンパクトであると、当然ながら取り回しも軽く、狭いスペースでの向き変えも原付1種並みに楽チンだ。そして、シート高が735mmと非常に低いことから、足着き性も抜群にいいうえに視点も地面に近い。これは小柄なライダーにとって大きな安心材料となるだろう。
エンジンは、アクシスZと共通の124cc空冷SOHC2バルブ単気筒“ブルーコア”で、スマートモータージェネレーター採用により、始動時のメカノイズは非常に小さい。最高出力は8.3psで、これは同じヤマハのシグナス グリファス(124cc水冷SOHC4バルブ、12ps)より約3割も低く、発進加速もそれなりだが、交通の流れに乗るには十分以上であろう感じた。これはシグナス グリファス比で約30kg、24%も軽量な車体のおかげだろう。
シート高を低くするためにウレタンを薄くしたからか、エンジンの微振動がお尻から伝わりやすいと感じたが、気になったのはその程度。スロットルレスポンスもスムーズで扱いやすく、初めて原二スクーターに触れるような人でもすぐに乗りこなせるだろう。
ハンドリングは、JOGというネーミングから受けるイメージそのままの軽快さで、ヘルメットの中で思わずニヤリとしてしまった。1980年代のスクーターレースシーンを席巻したJOGの名を受け継ぐだけに、そこはヤマハも注力したのだろう。
前後10インチのタイヤはアクシスZよりも1サイズ細く、車体の軽さも手伝って、倒し込みや切り返しは原付1種並みに軽快だ。さらに舵角が付いてからは、ホイールベースの短さもあって、浅いバンク角でもしっかりと向きを変えてくれる。前後サスの動きは価格なりだが、街中の移動がメインなら特に不満は感じないはずだ。
ブレーキは、リヤだけでなくフロントにもドラムを採用する。令和に発売された原付2種スクーターのブレーキが前後ドラム!? などと少々驚いたが、左レバーは前後連動のUBSということもあって、法定速度の60km/h以下であれば絶対制動力、コントロール性とも特に不満や不安を感じなかった。
足着きに不安を覚える小柄なライダーをはじめ、自宅や勤務先の駐輪スペースが狭くて取り回しに苦労している人、できるだけ安い125ccスクーターが欲しかった人などにとって、JOG125は間違いなく福音となるだろう。
ライディングポジション&足着き性(175cm/68kg)
ディテール解説
JOG125 主要諸元
認定型式/原動機打刻型式 8BJ-SEJ5J/E33VE 全長/全幅/全高 1,740mm/675mm/1,090mm シート高 735mm 軸間距離 1,205mm 最低地上高 110mm 車両重量 95kg 燃料消費率 国土交通省届出値 定地燃費値 57.7km/L(60km/h)2名乗車時 WMTCモード値 51.9km/L(クラス1)1名乗車時 原動機種類 空冷・4ストローク・SOHC・2バルブ 気筒数配列 単気筒 総排気量 124cm3 内径×行程 52.4mm×57.9mm 圧縮比 10.2:1 最高出力 6.1kW(8.3ps)/7,000rpm 最大トルク 9.8N・m(1.00kgf・m)/5,000rpm 始動方式 セルフ式 潤滑方式 ウェットサンプ エンジンオイル容量 0.84L 燃料タンク容量 4.0L(無鉛レギュラーガソリン指定) 吸気・燃料装置/燃料供給方式 フューエルインジェクション 点火方式 TCI(トランジスタ式) バッテリー容量/型式 12V、4.0Ah(10HR)/YTX5L-BS 1次減速比/2次減速比 1.000/7.500 (50/16×36/15) クラッチ形式 乾式、遠心、シュー 変速装置/変速方式 Vベルト式無段変速/オートマチック 変速比 2.281~0.717:無段変速 フレーム形式 アンダーボーン キャスター/トレール 27°00′/81mm タイヤサイズ(前/後) 90/90-10 50J(チューブレス)/90/90-10 50J(チューブレス) 制動装置形式(前/後) 機械式リーディングトレーリングドラムブレーキ/機械式リーディングトレーリングドラムブレーキ 懸架方式(前/後) テレスコピック/ユニットスイング ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ ハロゲンバルブ(12V、35/35W×1) 乗車定員 2名