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定番のテレスコピック式とは異なる、レトロな雰囲気と存在感を主張
バイクのフロントサスペンションシステム「スプリンガーフォーク」は、これまでアメリカのハーレーダビッドソンを始め、一部の国産車などに採用。また、テレスコピックフォークを採用したハーレー、ホンダのスティードやシャドウ スラッシャー、ヤマハのドラッグスターやビラーゴ、スズキのイントルーダ―やデスペラード等々をベースに、スプリンガーフォーク仕様へと変更したハイエンドなアメリカンカスタムにも多用されている。
スプリンガーフォークは、ステムの前部にショックアブソーバーやスプリングを設置。むき出しになったスプリング、リジッドフォーク・可動フォーク・リンクアームを持つ複雑に入り組んだメカニカルな外観など、シンプルなスタイルのテレスコピックフォークとは趣きの異なる、古き良きレトロなスタイルに導いてくれる。
現在多くの市販車に採用のテレスコピックフォークは、径の異なる2本の筒の内部に、スプリングと油圧ダンパーを備えているのが特徴。スプリンガーフォークに比べ、外観がすっきりしていること。またストローク長を稼ぎやすいため、街乗りはもちろん、オフロード走行やロードコースでのスポーツ走行に適しているのがポイント。
一方スプリンガーフォークは、テレスコピックフォークが誕生する以前に主流だった、今となっては非常にレトロなタイプ。緩衝を担う部分と懸架を担う部分が別になった方式で、スプリング部がフロント前方に露出し、ビンテージ感溢れる外観が特徴だ。
テレスコピックフォークの誕生で、進化が止まったスプリンガーフォーク。構造上、テレスコピックフォークよりもストローク長を稼ぎにくい。また、テレスコピックフォークよりも路面追従性などのレスポンスに劣るなどのデメリットがある。
国内でもかつてホンダ・スティードが、1998年のモデルチェンジでスプリンガーフォーク仕様車の「スティード VLS」を設定。しかしその後は、スティードを含め、ハーレーを除く市販車に採用されることはほぼなくなった。これはレトロで高額=コスト高なスプリンガーフォーク仕様車よりも、高性能かつ安価=コスト安なテレスコピックフォーク仕様車を選ぶユーザーが多かったことが主な理由だと思われる。
1920年誕生のスプリンガーフォークはハーレーの定番!2011年まで継承
元来、スプリンガーフォークはアメリカのハーレーダビッドソンに採用され、確固たる地位を確立。その歴史は古く、1920年にまでさかのぼる。スプリンガーフォークは登場以来、ハーレーの定番アイテムとして採用されていた。
1949年、ハーレーはスプリンガーフォークを一旦廃止し、現在の主流であるテレスコピックフォークに移行。しかしスプリンガーフォークは、廃止後も根強い人気を獲得。ハーレーはその後もスプリンガーフォーク仕様車を設定するなど、古き良きフロントフォークシステムを継承させてきた。
2023年現在、ハーレーのスプリンガーフォーク仕様車の最終モデルは、2008年に登場し、2011年まで販売された「FLSTSBソフテイル クロスボーンズ」。ハーレーがスプリンガーフォークを完全に廃止した理由は、前後ABSブレーキシステムの義務化、排気量の拡大による大幅なトルクアップにより、スプリンガーフォークでは走行性能の維持が難しくなった等が考えられる。
スプリンガーフォークに加え、リアサスペンションをもたない「リジッド式サスペンション」の組み合わせは、1940年代以前のクラシカルなハーレーの象徴ともいえるフォルム。
スプリンガーフォーク+リジッド式サスペンションは、“レトロなアメリカンカスタム”として現在でも人気の手法。本場のアメリカはもちろん、国内でも様々なカスタマーが工夫を凝らし、個性的な作品を生み出している。
プロト スプリンガーフォーク(ハーレーFLタイプ/ハーレーFXタイプ)……21万7800円(税込)
2023年現在、大手バイクメーカーからスプリンガーフォークを装備する市販車は消滅。しかしアフターパーツメーカーからは、カスタマーやユーザーの声に応えるべく、各種スプリンガーフォークがリリース中。
写真は国内パーツメーカー・プロトのカスタムパーツブランド「ZERO DESIGN WORKS(ゼロデザインワークス)」がリリースする「スプリンガーフォーク(FLタイプ/FXタイプ)」。同品はロードホッパー用スプリンガーフォークの開発で培った技術を結集。 「ないものは作る」「作るならオリジナルを超えるものを」をコンセプトに、新たなハーレー用のスプリンガーフォークとして開発されている。
FLタイプ/FXタイプともに、ハーレーオリジナルのデザインやディメンションを忠実に再現。もっともこだわったのは、メインレッグの接続方法。社外品にありがちな溶接での接続ではなく、昔ながらのロウ付けを実施。接続部の隙間を埋めるコーキング処理も、知る人ぞ知る製作ポイントとなっている。
強度についても抜かりはなく、変形するまで力を掛け続ける破壊試験を行い、純正品以上の強度を持っていることを確認済み。トップクランプ、ハンドルライザー、ショックアブソーバー、キャリパーサポート、アクスルシャフト等の周辺パーツがキットに同梱され、スムーズな取り付けを可能としている。
メーカー | 車種 | 年式 | 仕様 | カラー | 品番 | 価格(税込) |
HARLEY-DAVIDSON | SOFTAIL | 88-11 | FLタイプ | クローム/ クロームスプリング | ZSF-FL-C | ¥217,800 |
↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ブラック/ クロームスプリング | ZSF-FL-B | ¥217,800 |
↓ | ↓ | ↓ | FXタイプ | クローム/ クロームスプリング | ZSF-FX-C | ¥217,800 |
↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ブラック/ クロームスプリング | ZSF-FX-B | ¥217,800 |