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クルマのドアを施錠・解錠はいわゆるスマートキーで行うのが現代では一般的。ドアのキーシリンダーに鍵を差してガチャッとするのは、今や少数派になりつつありますが、筆者もその少数派の一人です。
筆者所有のホンダ・エレメントは本来スマートキーでドアの開閉できるのですが、プラスチック製のキーホルダー部分が割れた際に紛失してしまいました。
以来、毎回鍵を差していたのですが、鍵が奥まで差しづらかったり、差さっても回りづらかったり……。煩わしい思いを続けて1年余りの某日。どう頑張っても鍵が回らなくなってしまったのです。
この状態でも、プロの鍵屋さんなら簡単に直せたりするのでしょうか?
教えてくれた人
鍵屋の救急車八王子支社:柏谷さん
柏谷さん:「まずはパーツクリーナーで洗浄してみましょう。鍵穴に汚れが詰まっていたら、これで洗い流せば、動きが良くなります」
編集部員:「パーツクリーナーは鍵穴に使っても良いんですね」
柏谷さん:「次は鍵用の潤滑剤を塗布します。我々が使っているのは『MIWA製鍵穴専用潤滑剤3069』です。さらさらのパウダーが鍵内部の動きを滑らかにしてくれます」
編集部員:「CRC5-56は使っちゃダメと聞きますが、なぜでしょう」
柏谷さん:「油分を含んだ潤滑剤の使用はNGです。シリンダー内で埃が固まって、鍵が奥まで差さらなくなってしまいます」
編集部員:「うっかり使ったらどうすればよいでしょうか?」
柏谷さん:「直後ならパーツクリーナーによる洗浄で対処できますが、時間が経って固まったものは除去できず、致命的なことになるケースもあります」
日頃のメンテナンスが重要です
編集部員:「ところで、私のクルマに潤滑剤を塗布した結果はどうでしょうか」
柏谷さん:「ほとんど変化はありませんね。差しづらいと不調を感じ始めた頃に、洗浄・メンテナンスをしていたらここまでひどくはならなかったと思います」
編集部員:「修理できますか?」
柏谷さん:「弊社で分解、洗浄することもできますが、このタイプだと技術代、出張代もろもろで00万円くらいかかってしまうので、それならカーディーラーや自動車整備工場でシリンダーを新品に交換してもらった方が安上がりかもしれませんね」
編集部員:「(……純正部品を調べてみると)運転席、助手席、リヤゲート、イグニッションのセットは廃盤ですね。運転席側のキーシリンダーのみだと部品代が3388円(ディーラー工賃は5390円)ですが、これだと運転席の開閉用とイグニッションその他用で2本の鍵を持ち歩く必要があります。純正のキーレストランスミッターはまだ在庫があるようなので、これだと部品代は1万725円(セッティング工賃は2156円)」
柏谷さん:「では、運転席ドアは物理キーでの解錠・施錠は諦めて、今後はキーレスで行うのがコスト的にも良いと思われます」
鍵が抜けない時、どうすれば?
柏谷さん:「鍵が差さりにくい状態からさらに悪化すると、そのまま抜けなくなってしまうことがあります。鍵を上下に動せば抜けることもありますが、無理に力を入れると破損する可能性があるので注意が必要です。また鍵穴用の潤滑スプレーを吹いて抜けることもありますが、それでも無理な場合は業者に作業してもらいましょう。」
キーレス化、中古部品でいけるかな? 試してみた。
キーレストランスミッターの純正部品価格は1万円以上となかなかお高め。少しでも安く、便利に、中古品でなんとかならないか思案。
ホンダ・エレメント用というのは見つからずだが、同じ形状のワンボタンタイプではモビリオ用、ライフ用、ストリーム用、ステップワゴン用などが、某ヤ○ーオークションで取引されている。白基盤と緑基盤が存在しケースを開けて確認できる。エレメント用は白基盤。結局700円程度で問題は解決した。
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自分で登録できました
キーシリンダーをガチャガチャやって、キーレストランスミッターのボタンを押して……キーレストランスリミッターの登録は、こんな感じで自分でできる。
実際の作業は以下の流れ
・イグニッションオン ↓ ・キーレスのボタンを押す ↓ ・イグニッションオフ ↓ ・イグニッションオン ↓ ・キーレスのボタンを押す ↓ ・イグニッションオフ ↓ ・イグニッションオン ↓ ・キーレスのボタンを押す ↓ ・イグニッションオフ ↓ ・イグニッションオン ↓ ・キーレスのボタンを押す ↓ ・ドアロックが”ガチャ”っと応答したらキーレスのボタンをもう一度押す ↓ ・キーを抜く
鍵屋の救急車 料金表
・クルマ(国産車)のインロック解錠……1万9800円〜 ・バイクの鍵開け……6600円〜 ※価格は消費税込み。 ※支払い総額は、出張料(4400円〜8800円)、作業料(2200円)、技術料の合計金額となります。 ※持ち込みの場合は出張料が無料となります。