ホンダCBR1000RR-RファイアーブレードSP(2024年モデル)

SPにはカーボン素材のミッドカウル・アンダーカウル・ウイングレット・フロントフェンダー・フロントシェルター・マッドガードカバーにマットパールモリオンブラック塗装を施した、限定300台のカーボンエディションを設定(写真左)。エアボックスカバーには専用プレートを配置。
第3世代のオーリンズ製「スマートエレクトロニック43mm S-EC3.0(SV)NPX USDフォーク」を量産バイクとしては世界初搭載したハイスペック版のSP。カラーはグランプリレッド/トリコロールのみ設定。

ホンダ CBR1000RR-Rファイアーブレード(2024年モデル)

こちらはスタンダード版。カラーはグランプリレッド/トリコロールのみ設定。

カウル各部やタンク形状を見直し。エンジン各部、フレーム、電子制御システムも刷新

2020年に登場したホンダのスーパースポーツモデルであり、フラッグシップモデル「CBR1000RR-Rファイアーブレード」と「CBR1000RR-RファイアーブレードSP」が、2年ぶりにモデルチェンジ。

2024年モデルとなる新型の外観は、カウル各部やグラフィックデザインを刷新。カラーリングイメージは現行モデルを踏襲した、グランプリレッド/トリコロールのみ設定されている。

2024年モデルはミッドカウルにセットされたウイングレット形状を、MotoGPマシン・RC213Vを彷彿させるデザインに変更。またミッドカウル、アンダーカウル、燃料タンク(容量は0.4L増の16.5L)、タンクカバー等の形状を見直し、空力特性やトラクション性能をアップ。ハンドルバーは19mm高く・23mm近く、フットペグは16mm低くして、現行モデルよりも余裕のあるライディングポジションに変更。

水冷4ストローク並列4気筒DOHC 4バルブ999ccエンジンは、現行モデルと同じ最高出力160kW(217.5ps)、最大トルク113N・mを発揮。ただし圧縮比は13.4から13.6にアップ。シリンダーヘッド内部にあるバルブスプリングなどに加え、バルブタイミングも変更。2モーター式のスロットルバイワイヤーも新たに導入された。

またクランクシャフトとコンロッドを軽量化してフリクションを低減。加えてギアのレシオを全般的にショート化。これにより中速域の性能を大幅に向上させるとともに、トップエンドの出力向上を実現。

トラクションコントロールやエンジンブレーキコントロールなどの電子制御システム群は、エンジンの仕様変更に伴い、すべてセッティングを刷新。マフラーは現行モデルと同様、アクラポヴィッチ製チタンを採用。ただしサイレンサーの容量を1L大型化し、現行モデルよりも静粛性を5dB引き下げ。

新型となる2024年モデルには、最低2mmの肉厚で成形されたアルミ製ダイヤモンドフレームを新採用。フレームの肉薄エリア拡大などにより、しなやかなハンドリングフィールを獲得。

スタンダード版の「CBR1000RR-Rファイアーブレード」を進化させた、ハイスペック版の「CBR1000RR-RファイアーブレードSP」には、第3世代オーリンズ製「スマートエレクトロニック43mm S-EC3.0(SV)NPX USDフォーク」を量産バイクとしては世界初搭載。またフロントブレーキには、高温でも高いブレーキ性能を維持するブレンボ製の「スタイルマR4ピストンラジアルマウントブレーキキャリパー」を導入し、さらなるポテンシャルアップを図っている。

ホンダCBR1000RR-RファイアーブレードSP(2024年モデル) 主要諸元

全長×全幅×全高2105×750×1140mm
ホイールベース1455mm
最低地上高130mm
シート高830mm
車両重量201kg(※カーボンエディション200kg)
エンジン形式水冷4ストDOHC並列4気筒
総排気量999cc
ボア×ストローク81.0×48.5mm
圧縮比13.6
最高出力160kW(217.5ps)/14000rpm
最大トルク113N・m/12000rpm
燃料タンク容量16.5L
変速機形式6速リターン
キャスター角24.7°
トレール量101.9mm
ブレーキ形式(前・後)Φ330mmダブルディスク・Φ220mmシングルディスク
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17M/C58W・200/55ZR17M/C78W
燃料消費率 WMTCモード値14.9km/L 1名乗車時
街乗りはなかなか厳しかったけれど……。|CBR1000RR-R SP 1000kmガチ試乗①

一般公道での乗り味を語ることに、果たして、意味はあるんだろうか? 車名のRが1つ増えた新世代のファイアブレード、CBR1000RR-Rを体験した僕は、思わず、そんなことを考えてしまった。ただし、どんなにサーキットに特化したキャラクターでも、このバイクには保安部品が付いているのだ。となれば、市街地走行やツーリングでの印象を語ることに、意味がなくはない……だろう。そんなわけで、一般公道における新世代RR-Rの素性を探るべく、約1000kmの距離を乗り込んでみることにした。 REPORT●中村友彦(NAKAMURA Tomohiko) PHOTO●富樫秀明(TOGASHI Hideaki) ※2020年7月9日に掲載した記事を再編集したものです。 価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

https://motor-fan.jp/bikes/article/27162/
ツーリングに使ってわかった天国と地獄|CBR1000RR-R SP 1000kmガチ試乗②

マイペースで快走路を走った午前は最高に楽しかったものの、悪路や渋滞路に足を踏み入れた午後になると、印象が徐々に悪化。CBR1000RR-Rで約500kmのツーリングに出かけた僕は、非常にわかりやすい形で、天国と地獄を味わうことになった。改めて考えると、ホンダがここまで落差が激しいバイクを作るのは、近年では異例のことかもしれない。 REPORT●中村友彦(NAKAMURA Tomohiko) PHOTO●富樫秀明(TOGASHI Hideaki) ※2020年7月11日に掲載した記事を再編集したものです。 価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

https://motor-fan.jp/bikes/article/20494/
ライポジ・タンデム・取り回しetc. 一般道での使い勝手を入念チェック‼|CBR1000RR-R SP 1000kmガチ試乗③

CBR1000RR-Rの解説と言ったら、MotoGPレーサーRC213V譲りのメカニズム……という話がメインになりがちだが、ここで検証するのは一般公道における使い勝手。サーキットが前提の市販レーサーではなく、ストリートを走るスポーツバイクという視点で、各部を評価してみたい。 REPORT●中村友彦(NAKAMURA Tomohiko) PHOTO●富樫秀明(TOGASHI Hideaki) ※2020年7月12日に掲載した記事を再編集したものです。 価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

https://motor-fan.jp/bikes/article/27181/