これぞホンダ、まさにホンダ! ホンダらしい熟成進化に拍手|新型CBR600RR試乗記

レース参戦も考慮したピュアなスーパースポーツとして知られるCBR600RRが、2024年の新型へと刷新され2月15日から新発売される。2020年に登場モデルのマイナーチェンジ・バージョンだが、どのような進化ぶりを披露してくれるのだろうか。

REPOT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力⚫️株式会社 ホンダモーターサイクルジャパン

ディテール解説

後方へ細くなりながらスクリーン脇へ伸びるストライプデザインで、フロントマスクはより精悍な印象を受ける。

フロントにはダブルディスクブレーキを装備。フローティングディスクローターはφ310mm。ラジアルマウントされた油圧キャリパーは、TOKICO製対向4ピストン式。フルアジャスタブルの倒立式フロントフォークはφ41mmのショーワ製。

サイドカバーしか露出していないが、上下分割構造式フルカウルの内側には、精密なDOHC16バルブの直(並)列4気筒エンジンがおさまっている。

絶妙のシフトタッチを誇る優秀な6速ミッション。標準装備化されたクィックシフターの存在も魅力的。

このモデルを象徴するセンターアップマフラー。4本のエキゾーストパイプはクランクケース下で集合され、リアピボット後方を立ち上がり、シート下方を後方へと導かれている。

ボトム側にリンク機構を持つユニットプロリンク式サスペンション。
モノショックはフルアジャスタブルタイプを採用。

リアブレーキは、φ220mmのリジッドローターにNISSIN製シングルピストン・ピンスライド式油圧キャリパーを装備。

トップブリッジの下側にマウントされたセパレートハンドルを装備。燃料タンク前端部にはステアリングダンパーが装備されている。

ホンダ流レイアウトのハンドル左側スイッチは、一番下にウインカースイッチがあり、その上にホーンボタンが位置している。
ハンドル右側のスイッチはシンプルに赤いエンジンキルスイッチ兼始動用スタータースイッチのみ。

通常のストリートモード表示。系速度計大きなデジタル表示で見やすい。フルカラーのマルチインフォメーションディスプレイはTFT液晶式。背景の表示デザインは4種類から選べる。

ラップタイムが計測できるサーキットモード。
クイックシフターのON/OFFやモード設定が可能。
いかにもレーサーレプリカスタイルの段付きセパレートシートを採用。
浅く小さなスペースだが、ETC機器等は収納できる。
シート真下にレイアウトされた1本出しセンターマフラーが印象的。12V5W電球の採用はライセンスプレートランプのみ。その他の灯火類は全てLED式が採用されている。

主要諸元

車名・型式:ホンダ・8BL-PC40
全長(mm):2,030
全幅(mm):685
全高(mm):1,140
軸距(mm):1,370
最低地上高(mm):125
シート高(mm):820
車両重量(kg):193
乗車定員(人):2
燃料消費率(km/L)国土交通省届出値:25.5(60km/h)〈2名乗車時〉
WMTCモード値(km/L):18.5〈1名乗車時〉
最小回転半径(m):3.2

エンジン型式:PC40E
エンジン種類:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒
総排気量(㎤):599
内径×行程(mm):67.0×42.5
圧縮比:12.2:1
最高出力(kW [PS] /rpm):89[121]/14,250
最大トルク(N・m [kgf・m] /rpm):64[6.5]/11,500
燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-DSFI)〉
使用燃料種類:無鉛プレミアムガソリン
始動方式:セルフ式
点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火
バッテリー:YTZ105(12V-8.6Ah)
潤滑方式:圧送飛沫併用式
潤滑油全容量(L):3.4(オイル交換時2.6/フィルター交換時2.7)
燃料タンク容量(L):18
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式
変速機形式:常時噛合式6段リターン
変速比:
 1速…2.615
 2速…2.000
 3速…1.666
 4速…1.444
 5速…1.304
 6速…1.208
減速比(1次/2次):2.111/2.625
キャスター角(度):24°06′
トレール量(mm):100
タイヤ(前/後):120/70ZR17M/C(58W)/ 180/55ZR17M/C(73W)
ブレーキ形式(前/後):油圧式ダブルディスク / 油圧式ディスク
懸架方式(前/後):テレスコピック式(倒立サス ビッグ・ピストン・フロントフォーク)/スイングアーム式(ユニットプロリンク)
フレーム形式:ダイヤモンド

●試乗後の一言!

磨きの掛けられたシルキーな回転フィーリングが実に気持ち良い!

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…