フィアットが2024年7月までのニューモデル投入計画を動画で予告

フィアットがパンダをオマージュしたコンセプトカー5台を公開「2027年まで毎年ニューモデルを投入」【動画】

フィアットは、この後の製品化を予告する、初代パンダからリススペクトされた「シティカー コンセプト」をはじめとするコンセプトカー群を公開した。
フィアットは、この後の製品化を予告する、初代パンダからリススペクトされた「シティカー コンセプト」をはじめとするコンセプトカー群を公開した。
ステランティス・グループのフィアットは、初代「パンダ」からインスパイアされた5台のコンセプトカーファミリーを発表した。フィアットは2027年まで毎年、EV/ハイブリッド/ICEを搭載したニューモデルの投入を予定しており、様々なボディタイプを持つ今回のコンセプトカーは、それを予告する存在となる。

Fiat City Car Concept

イタリアのジネブラで撮影した動画を公開

華やかなジュネーブ・モーターショーではなく、イタリアのジネブラで撮影したオリヴィエ・フランソワCEO(写真)の動画を公開したフィアット。その中で、今後の製品投入計画を明らかにした。
華やかなジュネーブ・モーターショーではなく、イタリアのジネブラで撮影したオリヴィエ・フランソワCEO(写真)の動画を公開したフィアット。その中で、今後の製品投入計画を明らかにした。

フィアットはオリヴィエ・フランソワCEO自ら出演した、2027年までの製品化ロードマップに関する動画を公式Youtubeに公開した。現在、スイスのジュネーブにおいて、ジュネーブ・モーターショーが開催中だが、この動画はあえてイタリアのジネブラ(Ginevra)で撮影されている。

動画内において、フィアットは初代「パンダ」からインスパイアされたコンセプトファミリーを発表。最初の市販モデルは2024年7月に公開され、その後2027年まで毎年新型車が投入される予定だ。各モデルはステランティス・グループのグローバルプラットフォームをベースに開発され、イタリアらしい美しさとシンプルが融合したデザインを採用。世界市場に向けて投入されるという。

ステランティス・グループのグローバルCMOも務めるオリヴィエ・フランソワCEOは、今回の発表について次のように説明する。

「フィアットは、2023年に130万台を販売し、世界中の多くの地域で確固たる地位を築くグローバルブランドです。私たちに課せられた次なるステップは、ローカル製品だけでなく、世界中のすべてのお客様に喜んでもらえるグローバルな製品を提案することにあります。4ヵ月後のフィアット創立125周年記念式典において、このコンセプトを採用した最初の1台がデビューします。そして、2027年まで毎年1台ずつニューモデルが投入される予定です」

リンゴットの要素を導入したインテリア

今回のコンセプトカー群の筆頭となるのが初代パンダを現代に蘇らせた「シティカー コンセプト」。そのインテリアはトリノのフィアット自動車工場「リンゴット」をオマージュしたインテリアが導入された。
今回のコンセプトカー群の筆頭となるのが初代パンダを現代に蘇らせた「シティカー コンセプト」。そのインテリアはトリノのフィアット自動車工場「リンゴット」をオマージュした。

2027年までに導入されるニューモデルファミリーは同じフィロソフィーを共有。投入される地域特性に基づいて異なるコンセプトを持たせるが、ステランティス・グループが開発したグローバル・プラットフォームをベースとする。世界中のあらゆる地域での生産を予定しており、タイムラグなく新車が投入される予定だ。

グローバル・プラットフォームは、あらゆるタイプのパワートレインに対応しており、電気、ハイブリッド、ICEを搭載することが可能。持続可能なマテリアルを積極的に使用し、効率的にスペースを活用する。共通プラットフォームの採用と、インテリアなど最大80%が共通パーツとなるため、製造効率が大幅に向上し、手頃な価格で販売されるという。

動画で最初に登場するのが最も市販化が近いと思われる「シティカー コンセプト」。現行パンダよりも大型化されたデザインは、ブランド発祥の地であるトリノの象徴的な建物、有名な屋上テストコースがあるリンゴットからもインスピレーションを得ている。

フィアットのデザイナーは構造的な軽量化、空間の最適化、明るい雰囲気など、新たなフィアットのデザインランゲージを創造する際、初代パンダとリンゴットが持つ特徴からインスピレーションを得た。たとえば、テストコースの楕円形モチーフが、ダッシュボード、ディスプレイ、シートに至るまで、インテリアの各部に導入されている。

世界展開を計画する「ピックアップ コンセプト」

南米で人気のフィアット製ピックアップ「ストラーダ」の後継モデルとなるのが「ピックアップ コンセプト」。商用車の機能とSUVの多用途製を備え、ヨーロッパへの導入も計画されている。
南米で人気のフィアット製ピックアップ「ストラーダ」の後継モデルとなるのが「ピックアップ コンセプト」。商用車の機能とSUVの多用途製を備え、ヨーロッパへの導入も計画されている。

「ピックアップ コンセプト」は、南米市場で人気のピックアップ「ストラーダ」の後継モデルとして開発。ストラーダはブラジル市場で高い人気を誇っており、フィアットはこのタイプのクルマが、ヨーロッパ市場でも成功することを確信しているという。

ピックアップ コンセプトは商用車の機能性、SUVの快適性を、世界中の都市環境に適したサイズを融合。機能性に楽しさを加え、自由な時間を謳歌できるよう開発された。確かな実用性も備えており、南米やヨーロッパだけでなく、グローバルな展開が計画されている。

中南米やアフリカで人気の「ファストバック」

中東やアフリカ、中南米で人気のファストバック「ティーポ」の後継モデルとなるのが「ファストバック コンセプト」。こちらのモデルもヨーロッパ導入が計画されている。
中東やアフリカ、中南米で人気のファストバック「ティーポ」の後継モデルとなるのが「ファストバック コンセプト」。こちらのモデルもヨーロッパに導入されるようだ。

中南米、中東、アフリカといった地域では、ハッチバックよりもファストバックが人気を集めている。現在も中東やアフリカでベストセラーを続ける「ティーポ」の後継モデルとなるのが「ファストバック コンセプト」だ。

ファストバック コンセプトも、中南米やアフリカだけでなく、ヨーロッパを含めたグローバル市場への投入を目指している。シティカーと同じ、グローバル・プラットフォームを採用するがサイズは大型化。フレキシブルにホイールベースを変更できるモジュラープラットフォームの恩恵を受け、広大な室内スペースを確保している。

ギガ・パンダの趣を持つ「SUV コンセプト」

家族の移動手段として、人気を集めそうな「SUV コンセプト」。初代パンダのデザインが踏襲されているものの、そのサイズはかなり大型化されている。
家族の移動手段として、人気を集めそうな「SUV コンセプト」。初代パンダのデザインが踏襲されているものの、そのサイズはかなり大型化されている。

「SUV コンセプト」は、広々としたファミリー用クロスオーバー。アクセシブルで革新的、かつ持続可能なモビリティとして、家族のための移動手段を提案している。シティカー コンセプトと同様にパンダをモチーフとしたデザインが導入されているものの、サイズはかなり大きく「ギガ・パンダ」といった趣を持つ。

SUVとMPVを融合させた「キャンパー コンセプト」

マルチパーパスバン(MPV)の広大な室内空間に、SUVの遊び心を加えたのが「キャンパー コンセプト」。通常スタイルのMPVとして登場することになりそうだ。
マルチパーパスバン(MPV)の広大な室内空間に、SUVの遊び心を加えたのが「キャンパー コンセプト」。通常スタイルのMPVとして登場することになりそうだ。

動画の最後に登場するのが「キャンパー コンセプト」。新解釈されたドルチェ・ヴィータ(甘い生活)スタイルを特徴とし、人と人、人と自然を結びつける究極の万能車として開発された。1980年代のパンダが持っていた多用途製にオマージュを捧げ、SUVの機能性とMPVの多用途性を備えたモデルだ。

フィアットの新型コンセプトカーを動画でチェック!

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