新型クラウンの先陣を切るクロスオーバーとはどんなイメージか?記憶を辿った

新型クラウン クロスオーバーを見て思い出した「あのクルマ」とは? ヒントはBMW

新型クラウンの発表会では4車型のうちクロスオーバーのみインテリアまで見ることができた。
新型クラウンの発表会では4車型のうちクロスオーバーのみインテリアまで見ることができた。
16代目となる新型クラウンが4車型同時に発表され、話題を呼んでいる。クラウンはここ数代にわたり、セダンのみラインナップされていたが、かつてはワゴンもあったし、クーペもあった。なんなら「商用ライトバンやピックアップトラックまであったぞ」という還暦過ぎの人までいる。それでもSUVやクロスオーバーはなかった。まずは先陣を切って登場するクラウン クロスオーバーとはどのようなイメージか、輸入車の歴史から考えた。

4車型の中で先陣を切って登場したクラウン クロスオーバー

左からクロスオーバー、スポーツ、セダン、エステートという4車型が発表された16代目クラウン。まず最初に発売されるのはクロスオーバー
左からクロスオーバー、スポーツ、セダン、エステートという4車型が発表された16代目クラウン。まず最初に発売されるのはクロスオーバー

昨年の早い段階から、すでに一部メディアで次期クラウンがセダンではなくSUVであるとの情報が拡散していた。しかし、フタを開ければ実際はセダンありエステートありスポーツ(これがSUV)あり、さらにクロスオーバーもあり、という4車型が一挙に発表されることとなった。

セダン、エステート、スポーツ、クロスオーバーという4車型のうち、まず最初に発売されるのはクロスオーバーで、今回詳細が発表されたのはクロスオーバーのみである。セダンでもエステートでもなく、最初に登場するのがクロスオーバーという、ある意味亜種から始まるので混乱するが、セダンを含む残り3車型は追って登場するとアナウンスされている。

クーペSUVとセダンのクロスオーバー?

クロスオーバーは最低地上高こそやや高いが、サイドウインドウは天地に薄く、単なるSUVとのクロスオーバーではなく、クーペSUVとセダンのクロスオーバーと言った方がしっくりくる。クラウンといえばEセグメントの伝統的サルーンである。輸入車をライバルとするならば、メルセデス・ベンツEクラス、BMW5シリーズあるいはアウディA6あたりがライバルとなるはずだが、はたしてクラウン クロスオーバーはどういった存在なのだろう。既存モデルでは何が近いのだろう。

編集部内での雑談中、誰かが「こういうコンセプトって、BMWで見たことあるよね」と言った。たしかにどこか既視感がある。だがそれは10年くらい前だ。もう一度、クラウン クロスオーバーの写真を眺める。やがて記憶は蘇った。たしかに、ひと言で言って、「この分厚い4ドアクーペ」と言えるそれは、BMWが2009年に発表した5シリーズGTに近いのではなかろうか結論に辿り着いた。

正確には5シリーズグランツーリスモである。2009年に欧州で発表され、2010年に日本上陸、その後2014年のマイナーチェンジを経て、2017年に販売終了した1代限りのクロスオーバーモデルだ。グランツーリスモという名称は3シリーズにも与えられ、2013年にデビューしたが、こちらも2020年に1代のみで販売終了となっている。

カテゴライズの難しさ

5シリーズGTは全長4998mm、全幅1901mm、全高1559mmとクラウン クロスオーバー(4930×1840×1540mm)よりもひと回り大きい。なおホイールベースは7シリーズに匹敵する3070mmもあった(クラウン クロスオーバーは2850mm)。ずんぐりむっくりしたスタイリングの5シリーズGTはSUV(BMWが言うところのSAV)とセダンのクロスオーバーで、サッシュレスのクーペでもあった。当時すでにクロスオーバーというカテゴリーは充分浸透しており、SUV人気に続く可能性があるとして、各メーカーこぞってクーペとSUV、セダンとSUV、はてはクーペとミニバンのようなクロスオーバーモデルまで登場させていたいたような記憶もある。

外観でいえば今回発表されたクラウン クロスオーバーの方が圧倒的にスタイリッシュだ。しかし、カテゴライズの難しさでいえば、クラウン クロスオーバーは、現代に蘇った5シリーズGTではなかろうか。残念ながら5シリーズGTは1代限りだったが、トヨタがクラウンに燃やす情熱は、このクロスオーバーモデルをどのように昇華させるのか注目したい。

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