レッドゾーンとは「エンジンの警告回転域」

レッドゾーンまで回したからと言って、直ちにエンジンが壊れることはない。もちろん、それは適切なメンテナンスがされており、かつ暖機が完了している状態であることが条件だ。

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タコメーターのレッドゾーンは、エンジンの耐久性や潤滑性能を考慮して自動車メーカーが設定する上限回転域を指す。

しかし、自動車メーカーは設計段階でレッドゾーンよりもさらに高い回転数まで耐えられるよう安全マージンを確保しているため、一瞬だけレッドゾーンに突入したからといって、エンジンが即座に焼き付いたり壊れたりすることはない。

しかし警告色である赤色を使ってメーカーがユーザーに対して示している以上、レッドゾーンを常用するとエンジンには相応の負荷がかかることは覚えておきたい。レッドゾーンとはエンジンの「警告回転域」と認識するのが適切だ。

クルマによって違うレブリミッターとレッドゾーンの関係

レブリミッターが搭載されたクルマなら、どれだけアクセルを踏んでもレッドゾーンを大きく超えてエンジンが回ることはない。ただしMT車のシフトダウン時だけは別だ。

ほぼ全てのインジェクション車には、過回転によるエンジンの破損を防ぐためのリミッター装置が搭載されている。

これを「レブリミッター」と言い、特定の回転数に達すると燃料カットや点火カットによって強制的に回転の上昇を抑えるため、アクセルペダルをどれだけ踏み続けてもレッドゾーンを大きく超えてエンジンが回ることはない。

レブリミッターの設定回転数は車種やメーカーの設計によって異なるが、一般的にレッドゾーンの開始地点と同等、あるいはレッドゾーンの開始から数百rpm程度高い回転数に設定されていることが多い。

シフトアップ時に一瞬レッドゾーンに入る程度の使い方なら、それが直接的な原因となってエンジンが壊れることはないだろう。

ただしマニュアル車のシフトダウン時には注意が必要だ。シフトダウンのミスによってタイヤ側から強制的にエンジンを回されるとレブリミッターは機能せず、エンジンは容易にレッドゾーンまで回る。

レッドゾーン内でとどまる回転数であれば、エンジンへのダメージはそれほど気にすることはない。しかし、レッドゾーンの範囲を大きく超えて回ってしまった場合にはエンジンに深刻なダメージが残る可能性があるほか、超過回転数によっては即座にエンジンが故障する恐れもある。

レッドゾーンはバルブサージングを起こす一歩手前の領域

レシプロエンジンにおけるレッドゾーンは、おもにバルブサージングに対するマージン領域だ。ただし、メンテナンス頻度やカスタム内容によっては許容される回転限界が引き下がる場合もある。

レッドゾーンやレブリミット以下の回転数であれば、エンジンは壊れないとも言い切れない。

エンジン内部のピストンやコンロッドといった往復運動部品は、回転数の2乗に比例する慣性力が働くため、高回転ほど金属疲労や摩耗の進行が早まり発熱量も増える。エンジンにとって高回転は、物理的なストレスを強いる過酷な環境と言える。

とくに懸念されるのがバルブサージングやバルブジャンプと呼ばれる現象だ。レシプロエンジンはレッドゾーン以上の高回転まで回すと吸排気バルブの動きがカムの動きに追従できず、開いたバルブが上昇したピストンと衝突する恐れがある。

レシプロエンジンにおけるレッドゾーンは、バルブサージングを起こす一歩手前の回転領域と言い換えてもよいだろう。ただし、その信頼性を担保するには適正なメンテナンスを行っていることが最低条件だ。

とりわけ高回転域はエンジンオイルの油温上昇による油膜切れが起こりやすく、各ベアリングなど摺動部の摩耗を助長する。低速ギアで高回転を多用すれば、冷却不足によるオーバーヒートなどが起こることもある。

エンジンオイルや冷却水のメンテナンス状況、車両コンディションやカスタム内容などによっては、レッドゾーンの手前であってもエンジン内部にダメージを負ったり、破損したりする可能性があることは心得ておきたい。