中国製BEVが日本に上陸! 侮れない中国自動車メーカーの実力とは?

中国自動車メーカー「BYD」が日本市場に初進出! まずは3モデルが2023年に導入される

セダン「シール」(左)ミドルサイズSUV「アット3」(中央)、コンパクトカー「ドルフィン」(右)という都合3モデルが2023年中に発売されるという。
セダン「シール」(左)ミドルサイズSUV「アット3」(中央)、コンパクトカー「ドルフィン」(右)という都合3モデルが2023年中に発売されるという。
中国発のBEVメーカー、BYDの日本進出が発表された。まずはミドルサイズSUV「アット3」を2023年1月に発売し、順次コンパクトカー「ドルフィン」を2023年中頃、セダン「シール」を2023年後半に導入し、都合3モデルが2023年中に発売されるという。

BYD

もともとバッテリーメーカーだった強みを活かして

セダン「シール」(左)ミドルサイズSUV「アット3」(中央)、コンパクトカー「ドルフィン」(右)という都合3モデルが2023年中に発売されるという。
セダン「シール」(左)ミドルサイズSUV「アット3」(中央)、コンパクトカー「ドルフィン」(右)という都合3モデルが2023年中に発売されるという。いずれも価格は未定だ。

BYDはもともとは1995年に深圳でバッテリーメーカーとして創業し、その後、2003年に中国自動車メーカーを買収した背景を持つ。一時期内燃機関車を生産していたが、現在は強みであるバッテリー技術を活かしたBEVメーカーとなっている。現在の事業内容は自動車だけではなく、ITエレクトロニクス、新エネルギー、都市モビリティなど合計4本の大きな柱を事業とし、大洋州、北南米、欧州、中東、アフリカにも進出している。2022年上半期にグローバルで新エネルギー車を64万台を販売したという。

BYDはすでに2005年に日本法人を立ち上げ、2015年からEVバスやEVフォークリフトなどを販売している。よって今回はあらためて乗用車BEV部門における進出ということになる。

まずはSUV、コンパクト、セダンの3モデルが投入される

今回最初に導入されるのはアット3(ATTO3)というミドルサイズSUVだ。車名のアットは国際規格の最小単位アト秒に由来するという。駆動モーターがフロントのみに搭載されるFWDで、ボディサイズは全長4455mm、全幅1875mm、全高1615mmでメルセデス・ベンツGLAをひと回り大きくしたサイズだ。ホイールベースは2720mm、車両重量は1750kgとなっている。

eプラットフォーム3.0と呼ばれるフレキシブルな共通プラットフォームを採用。強固なバッテリーケースをフロアに敷くことで、高い剛性、低重心を実現。ホイールベースを長く取ることで、車両安定性と室内空間、デザイン性を高めたという。自社製パッケージによる効率性の高さで生産技術にも有利だと謳う。ちなみにリヤの荷室容量は440リットルとなっている。

驚きのある内外装デザイン

BYD ATTO3

元アウディでトップデザイナーを務めたヴォルフガング・エッガー氏によるデザインは独創的だ。内装はスポーティな印象を与えるデザインがなされており、フィットネスジムをモチーフにしたセンターアームレストはトレッドミルのベルトを連想させる。センターディスプレイはステアリングのスイッチで縦横を回転させることができるなどの工夫もある。後席はフラットなフロアのおかげで、ボディサイズの割に広々とした空間を実現したと謳う。

モーターの最高出力150kW(204ps)、最大トルク310Nmで、1750kgの車重ながら0-100km/h加速7.3秒という必要にして充分な加速力を発揮する。航続距離は社内測定値(WLTC)で485kmを記録したという。BEVの肝となるバッテリーは58.56kWhという容量で電費は8.2km/kWhとなる。もともとバッテリーメーカーということもありバッテリーについては非常にこだわりを見せており、今回採用したブレードバッテリーは厳しい釘刺し試験や高温試験にも耐え、安全性に優れると謳う。テスラ モデル3スタンダードレンジモデルに採用されるリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用している。なお急速充電はCHAdeMOに対応。ADASも充実しており、ACCやLKASなども装備している。

3年で100店舗を予定

販売の統括会社としてBYDオートジャパンが7月4日に発足。今後3年で100店舗を展開し、各店舗に急速充電器を備えるなど意欲的な活動を始めたという。中国発の自動車メーカー、BYDはメイドインチャイナのイメージを払拭する充分な可能性を秘めているようだ。日本市場におけるEV需要にもよるが、価格次第では大陸から来た黒船になるかもしれない。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…