フォルクスワーゲンとルノーの「ザ・ベーシック」対決【ボディサイズ/パワートレイン編】

ポロとルーテシア、選ぶべきはどっち? 「使える」&「楽しめる」実力派の輸入コンパクトを徹底比較【ボディサイズ/パワートレイン編】

フォルクスワーゲン ポロとルノー ルーテシアのフロントビュー
2022年6月にマイナーチェンジを受けたフォルクスワーゲン ポロと、同月にハイブリッドモデルを追加したルノー ルーテシア。2台の輸入コンパクトハッチを比較し、それぞれの個性に迫ってみたい。
2022年6月、マイナーチェンジを受けたフォルクスワーゲン ポロが発売された。内外装の化粧直しはもちろん、最新世代の1.0リッターエンジンや上級モデル並みのADAS装備などを採用し、商品力をさらにアップ。また、フランスからの刺客であるルノー ルーテシアも、ほぼ同時期に“ハイブリッド”という武器を手に入れて商品価値を強化している。旬な2台の輸入コンパクトには、それぞれどんな強みがあるのか。2台を比較検証する。

ポロは、セダンやクロスオーバーといった派生車(日本未導入)も含めると、シリーズ全体で世界2番目の販売台数を誇るフォルクスワーゲン車だ。日本でも、ゴルフとともに、輸入車の新車販売ランキングにおけるベスト10の常連である。

なにより、長らく“コンパクトカー界の絶対的ベンチマーク”として君臨してきたゴルフがどんどん大きくなり、ますます高級感が増してきた今、ベーシックカーとしての魅力という点では弟分のポロの方に軍配が上がるかもしれない。

そんなポロのマイナーチェンジモデルが、2022年6月に国内販売をスタートした。内外装の意匠をリニューアルするとともに、最新世代のエンジンを採用。上級モデルに採用されているADAS(先進安全運転支援機能)や快適装備も積極的に導入するなど、全方位的に商品力をアップさせた。

輸入コンパクトカーには、ほかにもMINIや1シリーズ、Aクラスといった競合勢がぞろぞろと控えているが、なかでもダークホース的存在といえるのがルノー ルーテシア。日本ではドイツ御三家の影に隠れがちな存在ではあるものの、世界で最も売れているフレンチカーの1台であり、ヨーロッッパでもセグメントリーダーとして確固たる足場を築き上げている。

ラテン系らしい「運転する楽しさ」と、フランスならではの小粋な雰囲気をあわせもつルーテシアは、王者フォルクスワーゲンとはひと味もふた味も違う魅力をもつ。しかも、2022年6月にはルノー独自のハイブリッド機構という新しい武器を手にしたばかり。そういう意味では、ポロとルーテシアは今一番注目すべき輸入コンパクトカーといえる。

ほぼ同じボディ寸法でもまったく異なるムード

新しいデザインのフロントおよびリヤバンパーを採用したニューポロは、先代よりも全長が10〜25mm長くなっている。とはいえ、ポロ、ルーテシアともに全長はトヨタ アクアや日産ノートに近く、小粒なボディは都心部でも高い機動性を誇る。

■ボディディメンション■
ポロ=全長4085×全幅1750×全高1450mm、ホイールベース2550mm
ルーテシア=全長4075×全幅1725×全高1470mm、ホイールベース2585mm

2台の寸法はホイールベースまで含めて非常に近似しているものの、ぱっと見ではルーテシアの方がより大きく、伸びやかに感じられる。これは、「直線と塊感を重視したシンプル志向のポロ」「曲線と量感を重視した個性派志向のルーテシア」というデザイン言語の違いによるところが大きい。

プラットフォームは、ポロがVWグループ自慢のMQB、ルーテシアはルノー・日産・三菱アライアンスで生まれたCMF-B。いずれもフレキシブルな設計に対応するモジュラー式であり、良質なつくりと走りを約束する“下半身”として数多くの車種のベースとなってきた。

コンパクトカーづくりの経験がモノ言う車内空間

拮抗するボディサイズをもつ2台のコンパクトハッチバックだが、室内の広さについてはどうだろうか。

コンパクトカーのメッカであるヨーロッパで圧倒的な人気を誇る2台とあって、いずれも「大人4人が安心して過ごせる」空間を確保。前後席ともに頭上の空間をできるかぎりつくりだし、後席も、膝前になるべく余裕が生まれるよう前席バックレストに窪みをつけるなどの工夫が怠りなく施されている。

荷室は、VDA方式でポロが351リットル、ルーテシアが391リットル(ハイブリッドは300リットル)。いずれも荷室に無駄な凹凸がなく積載性に優れ、後席も6:4の分割可倒式となっているので、アレンジ次第で長尺物も飲み込んでくれる。

参考までに国産Bセグコンパクトの数字を引いてみると、全車ハイブリッドのトヨタ アクアが205〜278リットル、全車e-POWERの日産ノートは340リットルとなっている。

ポロは直3オンリー、ルーテシアはハイブリッドを追加

最新のポロは、最新世代の1.0リッター直列3気筒のガソリンターボ(TSIエンジン)一本となった。ますます厳しさを増すヨーロッパの環境規制に対応するべく、ミラーサイクル燃焼プロセス採用+バリアブルターボジオメトリ機構搭載+ガソリンエンジン用PMフィルター装備により、よりクリーンなユニットへ進化している。ギヤボックスは、素速い変速に定評のあるデュアルクラッチトランスミッション「DSG」(7速)である。

一方、ルーテシアは1.3リッター直列4気筒ガソリンターボに加えて、新たにフルハイブリッドの「E-TECH HYBRID」をラインナップ。1.6リッター直4自然吸気ユニット+メインモーター+サブモーター(スタータージェネレーター)という構成で25.2km/リッターという低燃費を実現。くわえて、トランスミッションにはモータースポーツでお馴染みのドッグクラッチを採用。一般的なクラッチやシンクロを省いた軽量でコンパクトなギヤボックスは、ダイレクトでスムーズなシフトフィールをもたらす。

■パワートレイン■

ポロ
直列3気筒ガソリンターボエンジン
総排気量=999cc
最高出力=95ps/5000〜5500rpm
最大トルク=175Nm/1600〜3500rpm
トランスミッション=7速DCT

ルーテシア インテンス
直列4気筒ガソリンターボエンジン
総排気量=1333cc
最高出力=131ps/5000rpm
最大トルク=240Nm/1600rpm
トランスミッション=7速DCT

ルーテシア E-TECH HYBRID
直列4気筒自然吸気ガソリンエンジン+モーター
総排気量=1597cc
エンジン最高出力=91ps/5600rpm
エンジン最大トルク=144Nm/3200rpm
メインモーター最高出力=49ps
メインモーター最大トルク=205Nm
サブモーター最高出力=20ps
サブモーター最大トルク=50Nm
システム最高出力=140ps
トランスミッション=ドッグクラッチマルチモードAT(エンジン側に4速、モーター側に2速のギヤを持ち、計12通りの組み合わせで変速を行う)

なお、WLTCモードでの燃費性能は、ポロが19.1km/リッター、ルーテシアのガソリンが17.0km/リッター。ルーテシアのハイブリッドは前述のとおり25.2km/リッターという一頭地抜けた性能を実現しており、かつパワー&トルクもたっぷり。車重もノーマル比+110kgの1310kgに抑えられている。

しなやかな足の動きに代表されるこれまでのルーテシアに対して、「優れたシャシーに対してエンジンはいささか力不足」「でもR.S.ほどの尖った性能は求めていない」という向きは少なからずおられたはずだ。そのような方々にとって、E-TECH HYBRIDはまさにぴったりの選択肢となり得るかもしれない。

後編では、2台の使い勝手、安全性、そして気になる価格について比較する。

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著者プロフィール

三代やよい 近影

三代やよい

東京生まれ。青山学院女子短期大学英米文学科卒業後、自動車メーカー広報部勤務。編集プロダクション…