目次
Porsche Macan
×
Maserati Grecale
911と同じステアリングを採用するマカン
ポルシェ マカンのコクピットは、2021年7月に行った改良により一段とモダンな印象へとアップデートされている。運転席と助手席間にはタッチパネル式のコンソールを新たに採用、15mm短くなったセレクターレバーもあいまって、空間がすっきりと整理されてクリーンな雰囲気になっている。また、ドライバーに「よりポルシェらしい」操作体験をもたらすべく、ステアリングホイールには911と共通のマルチファンクションGTスポーツステアリングを採用した。
センターコンソール下にも大容量の収納スペースを確保。ダッシュボード中央には10.9インチのタッチディスプレイを設置。その上には、ポルシェ車のコクピットにお馴染みのアナログ時計を標準装備する。
運転席と助手席には8ウェイに調整できるコンフォートシートを標準装備。トップグレードのGTSにはヒーター機能つきスポーツシートを標準採用する。
荷室容量は458リットルで、燃料タンク容量は65リットル。ホイールはマカンが19インチ、マカンSが20インチ、GTSが21インチが標準となっている。
デジタルコンシャスなのにアナログ感もあるグレカーレ
コクピット周りは、デジタルを多用しながらも“アナログ感”を巧みに演出しているのが特長。ダッシュボード中央には、12.3インチと8.8インチのタッチスクリーンを上下に繋げた巨大なセンターディスプレイを備える。クロックも一見アナログのようだが、じつは液晶式。時間だけでなく加速度メーター、コンパス、ストップウォッチなど数種の表示に切り替えることが出来る。
セレクターレバーをボタン式とすることで、センターコンソール部には大容量の収納ボックスを配置することが可能に。さらに、ゆったりしたサイズのアームレストと、ワイヤレス式充電トレイを備えている。また、ロングホイールベース設計を活かし、後席にはクラス最大の足元空間を確保した。荷室容量はGTとモデナが535リットル、トロフェオが570リットル、燃料タンクは64リットルとなっている。ホイールは19インチが標準、オプションとして20インチ、21インチを設定している。
ちなみに、燃費は欧州混合で
グレカーレ GT=8.7〜9.2リッター/100km(約10.9〜11.5km/リッター)
グレカーレ モデナ=8.8〜9.3リッター/100km(約10.8〜11.4km/リッター)
グレカーレ トロフェオ=11.2リッター/100km(約8.9km/リッター)
となっている。マカンの欧州混合燃費は、
マカン=10.1〜10.7リッター/100km(9.4〜9.9km/リッター)
マカンS=11.1〜11.7リッター/100km(8.6〜9km/リッター)
マカン GTS=11.3〜11.7リッター/100km(8.6〜8.9km/リッター)
であり、V6同士なら、グレカーレの最新ユニットがより省エネ派として仕上がっていることが分かる。
【いち押しグレード】絶妙にツボを抑えた「マカンT」
マカンは直4のエントリーグレード「マカン」、V6の「マカンS」、ハイパフォーマンスな「マカン GTS」をラインナップしているが、2022年2月に新しく「マカンT」を追加した。
「T」は「ツーリング」を意味し、近年では控えめな出力ながら軽量でダイナミックな走行に特化したモデルに与えられるグレードだ。「マカン」と同じ265ps/400Nmの2.0リッター直4ターボ+7速PDKを搭載し、「スポーツクロノパッケージ」や、車高を15mmローダウンする「ポルシェアクティブサスペンションマネジメント(PASM)」を標準装備する。
さらに、ヒーター機能付きスポーツシートと20インチホイールも標準で採用。また、エクステリアにはブラックやグレーを基調としたトリムやブレード、スポイラーを装着することで引き締まった印象に仕上げている。
とにかく速さとスポーティネスを追求する向きには、言わずもがなで「GTS」がオススメとなるが、直4の軽快さとシャープなハンドリングに魅力を感じる方には「マカンT」は“絶妙にツボをおさえた”グレードといえる。
【いち押しグレード】珠玉の内製ユニットを積むグレカーレ トロフェオ
グレカーレは直4を搭載したエントリーグレードの「GT」、高出力で上級装備の「モデナ」、そしてV6搭載の最上級グレード「トロフェオ」という構成。
同社が20年以上ぶりに内製で開発したネットゥーノユニットの改良型を積むという意味では、トロフェオはマセラティファンにとって大変に魅力的なグレードだ。電制ダンパーと空気ばねを組み合わせたエアサスペンションも標準装備し、65mmの調整幅の中で駐車時やオフロード走行などシチュエーションに合わせて自動で車高を変更する機能も搭載している。0-100km/h加速も3.8秒と、スポーツカー顔負けのダッシュ力も自慢である。
マセラティ肝煎りの最新の内燃機関を味わうなら、当面の選択肢はトロフェオ一本。ちなみに、2023年には「グレカーレ フォルゴーレ」なるBEVモデルも登場する。こちらは、容量105kWhのバッテリーを搭載し、800Nmにおよぶ最大トルクを発生するという。マセラティの醍醐味を内燃機関の官能性に求めるのか、あるいはダイナミックな操縦性に求めるのか。後者であれば、電気バージョンの登場を待つのもひとつの手といえる。
気になる価格は・・・
最後に、気になるプライスについて比べてみたい。両車の日本での販売価格は次のとおり。
マカン=791万円
マカンT=854万円
マカンS=1013万円
マカンGTS=1235万円
グレカーレ GT=862万円
グレカーレ モデナ=1046万円
グレカーレ トロフェオ=1395万円
エントリーグレードでは、マカンは基本的なADASを標準装備する一方、グレカーレは「ドライバー アシスタンス パッケージ」としてオプション設定しているなど、グレカーレを購入するなら“モデナ以上”が賢明のようだ。
マカンはポルシェらしく膨大なオプションメニューを用意。ヴァイザッハの開発センターが空力を考慮してデザインした特製ルーフボックスや、カーボン製のフロアマットなどユニークなリストが盛りだくさんなので、コンフィギュレーターを覗くだけでも楽しい。
グレカーレは国内でのオーダー受付をすでに開始しているが、デリバリーは2023年初春予定。日本上陸の際には、走りの“質”を含めたマカンとの一番勝負をお送りしたい。