完全走行可能なベントレー42台を動体状態で保管

ベントレーが103年の歴史を称える新たな展示エリア「ヘリテージガレージ」を英国クルー本社にオープン

貴重なヒストリックモデルから、現在のベントレーの礎となった比較的新しいモデルまでが所蔵されている、ベントレーの「ヘリテージコレクション」。
貴重なヒストリックモデルから、現在のベントレーの礎となった比較的新しいモデルまでが所蔵されている、ベントレーの「ヘリテージコレクション」。
ベントレーは、103年の歴史を称える新たな「ヘリテージガレージ」を英国クルー本社にオープンした。ここに所蔵されるヘリテージコレクションは、34台の公道走行可能な車両と8台のレーシングカーをラインアップ。すべてのヘリテージカーが完全に走行可能な状態で保管されている。

ヘリテージモデルの拡充を進めるベントレー

貴重なヒストリックモデルから、現在のベントレーの礎となった比較的新しいモデルまでが所蔵されている、ベンとレーの「ヘリテージコレクション」。
現在、ベントレーは貴重なヘリテージモデルの拡充を行っており、すべての車両をクルーに展示すべく、新たに「ヘリテージガレージ」を開設した。

英国クルーにあるベントレーの工場跡地が、貴重なヒストリックモデルを収めた「ヘリテージガレージ」として再利用されることになった。ヘリテージガレージは「CW1 ハウス」にある既存のベントレー展示エリアを補完するもので、合わせて42台のヘリテージコレクションが展示されることになる。

ヘリテージガレージには、現在、1919年以降に製造された22台のコレクションが展示されているが、最終的にはクルーで製造された1946年以降の車両に焦点を当てた展示スペースとなる予定だ。

この新しい施設によって、ヘリテージコレクションのすべての車両が、初めてベントレーの敷地内に保管されることになった。ヘリテージコレクションは過去18ヵ月間にわたる大規模な施設拡張プログラムを経て、現在ではベントレーの全歴史を網羅するようになった。

現在、クルーを訪問するカスタマー、VIP、メディア関係者は、103年の歴史を紡いできたベントレーの生産モデルを、公道走行可能な状態で見ることができる。さらに、2023年夏までにコレクションは3つのエリアに分かれる予定。重要なクリックルウッドのモデル(1919~31年)とダービー時代のモデル(1931〜39年)は、近日リニューアル予定の「CW1ハウス」展示室に移され、クルーで製造されたモデルが、今回オープンしたヘリテージガレージに置かれる予定だ。

また、ヘリテージコレクションのうち8台のレーシングカー(ル・マンのスピード8、アイス・スピード・レコード、パイクスピーク・カー、GT3レーサーを含む)は、さらに別の展示エリア設立が計画されている。

1930年代の工場跡地を展示スペースに再利用

貴重なヒストリックモデルから、現在のベントレーの礎となった比較的新しいモデルまでが所蔵されている、ベンとレーの「ヘリテージコレクション」。
今回、ヘリテージガレージとしてオープンした専用展示スペースは、1930年代に建てられた工場跡地を再利用している。

ヘリテージガレージは、1930年代に建てられたレンガ造りの工場内にあり、以前は「プロジェクト・フォーラム」として、コンチネンタル GTなど主要モデルが企画・開発されていた。明るく開放的なこのエリアは工場の中心にあり、工場内を歩くと自然と目に触れる場所だという。また、ヘリテージガレージはベントレーの美しいビンテージカーに囲まれたイベントスペースとして、社外向けプレゼンテーションや社内ブリーフィングにも利用される。

将来に向けた「ビヨンド100」戦略を推進する中、現在のベントレーが「どこから来たのか」を明確に示すヘリテージコレクションは、重要な役割を担っている。また、ヘリテージコレクションの車両は、ペブルビーチやミッレミリアなど、世界中の主要なヒストリックカーイベントにも展示・参加している。

ヘリテージコレクションの責任者を務めるマイク・セイヤーは、ベントレーの歴史をアピールする重要性について次のようにコメントした。

「私たちはヘリテージコレクションを再構築し、ベントレーの歴史を完全に網羅すると同時に、重要なニューモデルを発表するたびに、コレクションに追加していくことを決めました。例えば、ベントレー初のプラグインハイブリッドモデルである、2019年型『ベンテイガ ハイブリッド』も追加されています」

「私たちが進化を続けるなか、お客様や社内のあらゆる分野の従業員と、ベントレーモーターズの豊かな歴史を共有したいと考えています。ヘリテージガレージはその歴史を鮮やかに蘇らせ、過去の歴史を積極的に参照しながら、未来への道筋をつけることができるのです」

W.O.ベントレーが携わった貴重なモデルたち

貴重なヒストリックモデルから、現在のベントレーの礎となった比較的新しいモデルまでが所蔵されている、ベンとレーの「ヘリテージコレクション」。
ペブルビーチやミッレミリアなどの世界的ヒストリックカーイベントでもお馴染みW.O.ベントレーが携わった貴重な戦前のモデルも動体保存されている。

ヘリテージコレクションに所蔵されている42台の車両すべてが、ベントレーの歴史において特別な意味を持っている。ヘリテージコレクションのクリックルウッドセクションには、最もアイコニックな戦前のベントレーの数々を展示。出発点はW.O.ベントレーが製造した2番目の車両であり、世界で最も古いベントレーである「EXP2」。次に、2台のブロワー(うち1台は現存するベントレーの中で最も価値の高いチームカー「#2」)、1929年式のスピードシックス、W.O.ベンとレーが2年間にわたり愛用した1930年式8リッターも所蔵されている。

マークVIは、クルー工場から出荷された最初の車両であり、短期間でセールス上の大成功を収めた。ヘリテージコレクションの「AGO 2」は、黒地にグリーンのツートンカラーで仕上げられ、1938年式の4 ¼ リッターエンビリコスと、1952年式タイプRコンチネンタルをつなぐ重要な役割を担っている。

1959年にデビューしたジャック・フィリップス設計のアルミニウム合金製V8エンジンも、歴史をつなぐ重要なピースだ。この自然吸気エンジンは、エレガントな1963年式S3スタンダード・サルーンの176 FGH、そして会長の社用車として使用された、1984年式ベントレー・コンチネンタルA455 YGJにも搭載されている。

フォルクスワーゲン傘下以降のモデル群も

貴重なヒストリックモデルから、現在のベントレーの礎となった比較的新しいモデルまでが所蔵されている、ベンとレーの「ヘリテージコレクション」。
ヘリテージコレクションには、フォルクスワーゲングループ傘下になってから導入された比較的新しいモデルも多数所蔵されている。

6.75リッターV8エンジンにターボチャージャーが投入されると、ベントレーの販売台数は飛躍的に向上。ヘリテージコレクションには、このパワートレインを搭載した1991年式ターボRや、フォルクスワーゲングループ傘下で初めて生産された2001年式のアルナージ・レッドレーベルなども展示されている。ファイヤーグローレッドで仕上げられたこの車両は、ベントレーの歴史におけるターニングポイントとなったモデルだ。

6.75リッターV8エンジンは、ミュルザンヌのパワートレインとして採用。最高出力512ps・最大トルク1020Nmを発揮し、最高速度は184mph、0-62マイル加速5.1秒の性能を実現している。ヘリテージコレクションに収められているミュルザンヌはシャシーナンバー「000002」となり、生産ラインから2番目に出荷されたモデルとなっている。

2003年に発表されたコンチネンタル GTは、ベントレーとクルーに革命をもたらした1台。それまでベントレーは年間1000台以下の生産に留まっていたが、コンチネンタル GTからは、その10倍以上の生産が可能になった。ヘリテージコレクションのシャシーナンバー「20001」は、サイプレスグリーンの右ハンドルモデルで、クルーの生産ラインから最初に出荷されたコンチネンタル GTである。

W12エンジンを搭載したヘリテージコレクションには、3世代のフライングスパーとコンチネンタル スーパースポーツの両世代が含まれテイル。汎用性の高いW12を搭載した2016年式ベンテイガ シャシーナンバー「00001」も、生産第1号車となっている。

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