新フラッグシップの「ベントレー ベンテイガEWB」詳細

ベントレーの新たなるフラッグシップとなるか?「ベンテイガ EWB」が日本上陸

リヤドアは180mm長くなっているが、巧みなデザインにより間伸び感はない。
リヤドアは180mm長くなっているが、巧みなデザインにより間伸び感はない。
ベントレー・ベンテイガのロングホイールベース版である「ベンテイガEWB」が日本に上陸し、東京・六本木でお披露目された。新たなるフラッグシップの在り方を示すSUVの詳細を報告する。

BENTLEY Bentayga EWB

快適で広大な室内空間

展示車両はアズール。22インチホイールやパワークローズドア、オープンポア仕上げのウッドパネルなど多くの装備が備わる。
展示車両はアズール。22インチホイールやパワークローズドア、オープンポア仕上げのウッドパネルなど多くの装備が備わる。

車名のEWBとは「エクステンデッド・ホイールベース」の意味で、その名の通りホイールベースは通常のベンテイガより180mmも長い3175mm。そしてその延長分はすべて後席のスペース拡大に充てられており、この上ない快適な室内空間を実現している。前後長だけでなく、SUVボディを活かして従来のミュルザンヌよりもヘッドスペースは10mm大きい。

後席は2名掛けと3名掛けを選択でき、22通りのシート調整を備えるので好みの姿勢を取ることができる。いずれもベントレーのクラフトマンシップによるラグジュアリーな仕上げだ。手触りの良い最高級のレザーとダイヤモンドステッチに加え、ドア内張りには1mmの穴が無数に開けられ、その奥からLEDによる照明が灯る「ベントレーダイヤモンドイルミネーション」も新採用。またキャビンのトリムだけで240億通りものカスタマイズが可能なので、オーナーは自分好みのインテリアを誂えることができる。

もちろん乗り心地も注力されている。48Vシステムによるベントレーダイナミックライドを標準装備し、乗り心地とハンドリングを理想的に制御。乗員が感じる振動は競合他車と比較して27%も低くなっているという。また全長5305mmと大きなボディにも関わらず、AWSによって回転径は11.8mと標準のベンテイガよりも7%小さいというのも特徴だ。

エンジンは4.0リッターV8デュアルツインスクロールターボで、550PS/770Nmを発揮。8速ATを組み合わせて最高速度290km/h、0→100km/h加速4.6秒というスポーツカー並みの運動性能を発揮する。

ベンテイガの20%がEWBとなる?

40度までリクライニング可能な後席にはシートオートクライメートも備える。これは2名掛け仕様だ。
40度までリクライニング可能な後席にはシートオートクライメートも備える。これは2名掛け仕様だ。

ラグジュアリーブランドSUVの魁として2015年に登場したベンテイガは、2019年に現在の2代目へと進化。今ではベントレーのラインナップの中で世界市場では全体の42%、日本市場では50%のシェアを占めるという。

オーナーの82%は日常的に使用し、また74%は街乗りのみで使用するというデータもあり、日常の快適な移動のために購入されるというケースが多いようだ。ミュルザンヌが無くなった今、ベンテイガEWBの導入は、ベントレーの新たなフラッグシップとしての役割を担わせる、という狙いもあるのだろう。

ベントレージャパンは、ベンテイガの販売台数のうち20%がこのEWBとなるだろう、と語っている。ラインナップはスタンダードモデルに加えて、デリバティブラインとしてAZURE(アズール)が用意される。価格はスタンダードモデルが2802万8000円、AZUREが3162万5000円となる。

SPECIFICATIONS

ベントレー・ベンテイガEWBアズール

ボディサイズ:全長5305×全幅1995×全高1755mm
ホイールベース:3175mm
車両重量:2550〜2570kg
エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ
総排気量:3996cc
最高出力:404kW(550PS)/5750〜6000rpm
最大トルク:770Nm(78.5kgm)/2000〜4500rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:Fダブルウイッシュボーン Rマルチリンク
ブレーキ:F&Rベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:F&R285/40ZR22
最高速度:290km/h
0→100km/h加速:4.6秒
車両本体価格:3162万5000円

ベントレー ベンテイガ EWBのフロントビュー

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著者プロフィール

永田元輔 近影

永田元輔

『GENROQ』編集長。愛車は993型ポルシェ911。