目次
Ford Mustang Super Cobra Jet 1800
コブラジェット 1400をベースに開発
電動モータースポーツへの取り組みを加速させているフォード パフォーマンスは、NHRA(National Hot Rod Association:全米ホットロッド・アソシエーション)が認定する、電動モデルによる世界速度記録更新を目標に掲げ、世界記録を持つマスタング コブラジェット 1400をベースに改良を施した、マスタング スーパーコブラジェット 1800を開発した。
マスタング スーパーコブラジェット 1800は、NHRAが認定する「クォーターマイル(1/4マイル:402m)」世界速度記録、8.128秒(171.97mph)の更新を狙う。このタイムは、オハイオ州ノーウォークで行われた記録会において、2021年6月にボブ・タスカ3世(Bob Tasca III)がドライブしたマスタング コブラジェット 1400によって達成されている。
フォード パフォーマンス、MLeレースカー(MLe Racecars)、AEM-EV、カスケディア・モーション(Cascadia Motion)、ワトソン・エンジニアリング(Watson Engineering)により共同開発されたマスタング コブラジェット 1400は、次の挑戦に向けて大規模なアップデートが実施され、ニューマシンのマスタング スーパーコブラジェット 1800が完成した。
「スーパーコブラジェット」の名称が復活
フォードパフォーマンスが主導する電動ホットロッド開発チームは、マスタング コブラジェット 1400をベースにシャシー、パワートレイン、コントロールシステムの改良を実施。さらに、1969年モデル以来となる伝説のネーミング「スーパーコブラジェット」の名を復活させた。
フォード パフォーマンス・モータースポーツのグローバルディレクターを務めるマーク・ラッシュブルークは、フル電動ホットロッドでの記録挑戦について、次のように説明する。
「私たちは、モータースポーツに関連するあらゆる場所で、自分たちをアピールしていきたいと考えています。その中でもドラッグレースは、フォードの製品と技術力を証明する重要な場所です。クォーターマイルでの自己記録更新に挑戦することで、フル電動モデルに関する技術力をアピールできることに興奮しています」
1800PSを超えるパワーで後輪を駆動
マスタング スーパーコブラジェット 1800では大幅な軽量化を実施。パワートレインは先代同様に4基の「PN-250-DZR」インバーターと、2基のダブルスタック「DS-250-115」モーターを搭載する。ここにフォード パフォーマンスとMLeレースカーが共同開発した軽量バッテリーシステムが組み合わせられた。
最高出力1824PSに達する強大なパワーは、新開発のリバティ製トランスミッションを介して、MLeレースカーが改良を施したリヤアクスルを駆動。また、リヤサスペンションは新たなジオメトリを採用し、タイヤはグリップレベルが最適化されたミッキートンプソン製大型ドラッグ・ラジアルタイヤが装着されている。
走行は「AEM-EV」ハードウェア上で作動する、フォード パフォーマンスが独自開発した制御ソフトウェアで管理。新たなデータ収集システム、ダッシュボード、配電システムはすべて、フォード パフォーマンス内で設計・開発された。
パット・マキューのドライブで様々な記録に挑戦
マスタング スーパーコブラジェット 1800は、MLeレースカーの共同設立者であり、公式テストドライバーでもあるパット・マキューがドライブを担当。
フル電気自動車の新記録挑戦に加えて、今シーズン後半のNHRAイベントにおいては、電気自動車による0-60mph最速記録と、電動2輪駆動車両による0-60mph最速記録にもチャレンジする予定だ。