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Bentley Batur by Mulliner
バトゥールの試験用プロトタイプが登場
ベントレーは過去20年間、同社を象徴する6.0リッターW型12気筒ツインターボエンジンによって、記録的な成功を収めてきた。パワフルで信頼性が高く、コンパクトで同クラスのエンジンとしては極めて効率的なこのエンジンは、2003年のコンチネンタル GTの発表以来、ベントレーのパフォーマンスを支えてきた名機だと言えるだろう。
現在、ベントレーが「ビヨンド100」を掲げ、ラインアップの電動化を推進するなか、W型12気筒エンジンは生産の最終段階を迎えており、2024年4月をもってこのエンジンの生産終了が決定している。ベントレーは英国・クルーで設計・開発されたW12エンジンを、グッドウッドのヒルクライムステージにおいて盛大に送り出す予定だ。
そして、最高出力750PS、最大トルク1000Nmという、ベントレー史上最もパワフルなW型12気筒エンジンを搭載し、驚異的なパフォーマンスを持つ「バトゥール」は、英国デビューの舞台としてグッドウッドのヒルクライムステージを選んだ。
バトゥールは、ベントレーのオーダーメイド部門マリナーによる、完全コーチビルドプロジェクトであり、わずか18台のみ生産される。すでにすべての車両が販売済みだ。ヒルクライムを走行するのは、「マリーナテール」のボディカラーで仕上げられた耐久試験用のプロトタイプ「カー・ゼロ・ゼロ(Car Zero-Zero)」で、現存する2台のプロトタイプ・バトゥールのうちの1台となる。
ヒルクライムに登場する5台のW12ベントレー
「コンチネンタル GT ル・マンコレクション」は、最高出力659PSを発揮。この限定モデルはわずか48台の生産に先立って、ヒルクライムステージに登場。ベントレー最速のコンバーチブルである特注の「コンチネンタル GTC スピード」は、ストーンベニヤやサイバーイエローのアクセントなど、マリナーのパーソナル・コミッショニング・ガイドを介したビスポーク仕様となる。
「エディション12シリーズ」はW型12気筒エンジンにインスパイアされた数々の装飾が盛り込まれ、コンチネンタル GT、コンチネンタル GTC、フライングスパー、ベンテイガ スピードが各120台ずつ生産。グッドウッドには新しいペイントカラー「オパライト」を纏った「フライングスパー スピード・エディション12」が投入される。
ヒルクライムに毎日登場する最後のW12エンジン搭載車が「コンチネンタル GT パイクスピーク」。2019年にパイクスピークで量産車クラスの新記録を樹立した実車がヒルクライムステージを疾走する。このマシンは、キング・オブ・ザ・マウンテンの異名を持つリース・ミレンのドライブで、10分18秒488の新記録を樹立した。今回がフェスティバル・オブ・スピードへ初参加となる。
また、W型12気筒エンジン誕生20周年を記念して、12台のW12エンジン搭載車による「W12 ヘリテージパレード」が7月13日に開催される。上記の5台に加えて、ベントレーのヘリテージコレクションから、 生産第1号車の「ベンテイガ W12」など、7台が追加される予定だ。
スピード シックス カーゼロを世界初公開
今回のグッドウッドには、4.5リッター・スーパーチャージャーを搭載する「ベントレー ブロワー」も参加。走行するのは、1929年製のチームカー「#2」をベースに、マリナーがゼロから12台のみ製作した世界初の戦前車継承プロジェクト「ブロワー コンティニュエーション シリーズ」の0号車となる。
ブロワー・コンティニュエーション・シリーズの生産が終了すると、マリナーは2番目の戦前車継承プロジェクトとなる「スピード シックス コンティニュエーション シリーズ」の開発・製造を開始。クルーにあるマリナーの工房において、1930年にル・マンに参戦した「スピード シックス」の仕様を忠実に受け継いだ12台が手作業で製作される。
マリナーは12台の顧客向け車両の生産に先立ち、カー・ゼロとファクトリー・ワークスと呼ばれる2台のテスト車両を製造。スピード シックス カーゼロは今年のフェスティバル・オブ・スピードで世界初公開され、7月13日からスーパーカーパドックに隣接する2階建てのベントレー・ブースにおいて展示される。
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