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Pagani Imola Roadster
公道走行可能な最強オープントップ
公道走行可能なオープントップハイパーカーとして開発された「イモラ ロードスター」は、強化版パワーユニット搭載に合わせて、冷却系をアップデート。開発チームは信頼性とパフォーマンス向上を目的に、フロントエアインテークのサイズを拡大し、ホイールアーチとバンパーサイドにアウトレットを追加した。
ホイールアーチに設けられた開口部は、フロントセクションの圧力を減らすことでリフトを低減し、空力的安定性を高め、リヤのエアロダイナミクス・アペンドに向かうエアフローを改善する。新設されたエアスクープは、V12エンジンへのフレッシュエア流入量を最大化し、印象的なセンターのバーティカルフィンはリヤに向かうエアフローを整え、車両を安定させるという。今回、エアスクープとリヤウイングが初めてボディと一体化された。
テールライト周辺の形状が変更され、同時に新たに設けられたエアベントがホイールアーチからの熱気を排出することで、リヤブレーキの冷却効率とダウンフォースレベルを同時に向上。印象的な形状のエクストラクターは、リヤスプリッターによって生み出される強大なグランドエフェクトのバランスをとっている。
グランディ・コンプリカツィオーニの責任者を務めるロレンツォ・ケルコックは、イモラ ロードスターについて次のように説明を加えた。
「私たちは伝説的なレーシングトラックへのオマージュとして、2020年に発表されたイモラ クーペのオープン仕様を作りたいと考えていました。今回、ウアイラ ロードスターの洗練されたテクノロジーと、トラックカーであるウアイラ Rのデザインとエアロダイナミクスを組み合わせています。その結果、より高度で複雑なイモラ ロードスターが誕生したのです」
アップデートされたAMG製6.0リッターV12ツインターボ
パワーユニットは、メルセデスAMGがパガーニのために専用設計した5980ccV型12気筒ガソリンツインターボエンジンをアップデートし、最高出力861PS、最大トルク1100Nmを発揮。ギヤボックスはXトラック製7速シーケンシャルが組み合わせられてリヤを駆動する。
サーキットで徹底的に鍛え上げられた6パイプ・エキゾーストシステムは、パガーニらしい個性的なサウンドを響かせる。洗練されたプラズマフュージョン・システムにより、チタンにセラミックコーティングを施すことで、軽量化と効率的な放熱を実現した。
ピレリとパガーニとの数十年にわたるパートナーシップはイモラ ロードスターでも継続。バーチャル開発によって生み出された「Pゼロ トロフェオ R」のサイズは、フロント265/30 R20、リヤ355/25 R21となる。F1由来のテクノロジーが導入されたこのタイヤは、公道走行可能車両としては前例のないレベルのグリップとパフォーマンスが保証されている。
高性能アルミニウム鍛造素材アビオナル製ホイールは、APPと共同開発。徹底的な軽量化を進め、アグレッシブな7本スポークデザインが特徴となる。高度な鍛造工程と熟練した手作業による仕上げにより、最後の1グラムまで重量が削られた。
クラシカルでレーシーなコクピット
コクピットは、かつてモータースポーツで活躍したレーシングカーから、インスピレーションを得た仕様。車内に一歩足を踏み入れると、クラシカルなカーボウッド、繊細なエンボスレザー、メカニカルなコンポーネントなど、パガーニの職人たちがこだわり抜いたディテールに魅了されるだろう。
カーボンファイバー製モノコックシートには、4点式レーシングスタイル・シートベルトを装着。今回、ドアパネルに新採用されたバスレフ付き7チャンネルオーディオシステムは、オープン走行時にも臨場感あふれるクリアなサウンド体験をパッセンジャーに提供するという。
グランディ・コンプリカツィオーニは、オーナーの希望に合わせて無限のカスタマイズを展開しており、カラー、仕上げ、素材、形状など、あらゆるリクエストに応え、完全オーダーメイドの1台が完成すると謳う。