ベントレーがクルー本社のディーゼル燃料使用量をゼロに

ベントレーが緊急出動車両をフォルクスワーゲン「ID.3」と「ID. Buzz カーゴ」2台のBEVに変更

ベントレーの英国・クルー本社に導入された、緊急出動用車両のフォルクスワーゲン「ID.3」と「ID. Buzz カーゴ」。
ベントレーの英国・クルー本社に導入された、緊急出動用車両のフォルクスワーゲン「ID.3」と「ID. Buzz カーゴ」。
ベントレーモーターズは、英国クルーの本社におけるファースト・レスポンス(緊急出動)車両の入れ替えを実施。医療に関する緊急事態やオフサイトイベントなど、日常業務に対応する2台のBEV車両(電気自動車)を導入した。今回、採用されたフォルクスワーゲン「ID.3」と「ID. Buzz カーゴ」は、施設内に配置された3万6000枚以上のソーラーパネルによって充電される。

Volkswagen ID3 / ID Buzz Cargo

静粛性の向上による騒音公害の減少

ベントレーの英国・クルー本社に導入された、緊急出動用車両のフォルクスワーゲン「ID.3」と「ID. Buzz カーゴ」。
これまで使用されてきたディーゼルエンジン搭載車両に替わり、BEVが導入されたことで、周辺住民に対する騒音公害を最小限に抑えることが可能になった。

「ID.3」と「ID.Buzz カーゴ」は、同じレッドカラーのラッピングをボディ下部に採用。ボディサイドにベントレーのロゴマークと緊急連絡先の番号が追加され、サイレンとライトバーも装着された。今後、ID.3は医療に関する緊急事態や施設外でのイベント、施設内での日常業務に使用され、ID. Buzz カーゴは高さがあるパーツや、環境に関連した緊急パーツの輸送に活用される。

今回のファースト・レスポンス・チームの電動化は、ベントレーが掲げる「ビヨンド100」戦略の一環となる。導入されたフォルクスワーゲン製BEVは静粛性も向上しているため、近隣住民への騒音公害を最小限に抑えることも可能になった。技術的な観点からも、ベントレーの敷地内に課された10mph速度制限内で運転することにも適しており、これまでの車両にかかっていた、ギヤボックスやディーゼル用パティキュレートフィルターへの負担が減少している。

クルー工場内の燃料消費量がゼロに

ベントレーの英国・クルー本社に導入された、緊急出動用車両のフォルクスワーゲン「ID.3」と「ID. Buzz カーゴ」。
ベントレーは物流業務用車両のすべてをBEVに変更しており、ファースト・レスポンス用車両を電動化したことで、燃料消費量をゼロとすることが可能になる。

すでにベントレーは物流業務用車両の電動化を完了。ファースト・レスポンス・チームに対する2台の新型BEV車両の導入は、2030年までにエンド・ツー・エンドのカーボンニュートラルを目指すベントレーの「ビヨンド100」戦略に沿った施策となる。

ディーゼル製エンジン搭載車両から、BEVの「ID.3」と「ID.Buzz カーゴ」に切り替えたことで、1年間に使用される軽油使用量は1261Lから、ゼロへと削減されることになった。

クルー工場は現在、100%再生可能エネルギーを使用しており、2018年にはカーボン・トラストからカーボンニュートラル認定を受けた、英国初の高級自動車工場となった。その他にも、ペイント工場での水のリサイクルシステムの導入、地元での植樹、3万6000枚以上のソーラーパネルの設置など、環境に配慮した革新的な取り組みを行っている。

復刻されたベントレー・ブロワー。構造だけでなく素材や仕上げまで、すべて当時と同様に造られている。12台が造られ、価格は150万ポンド(約2億9000万円)。

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