ラグジュアリークーペ「マセラティ グラントゥーリズモ」と 「BMW M8」のスペックを比較

「どっちも色気たっぷり」の伊独ラグジュアリークーペ「マセラティ グラントゥーリズモ」と 「BMW M8」を比較

マセラティ グラントゥーリズモとBMW M8
マセラティ グラントゥーリズモとBMW M8
マセラティ グラントゥーリズモとBMW M8は、美しさとパフォーマンスを兼ね備えているという点で、どちらもビッグ・クーペの本流と言えるが、それぞれのアプローチは見事なまでに異なっている。マセラティ グラントゥーリズモ トロフェオとBMW M8 コンペティション クーペという、それぞれのモデルにおけるトップグレードのスペックを比較することで、その違いに触れてみよう。

MASERATI GRANTURISMO
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BMW M8 COMPETITION COUPE

ボディサイズの違いから見える両車のコンセプトの違い

ボディサイズを比較すると、グラントゥーリズモのほうがM8よりも全長も全幅も全高もやや大きい。ホイールベースが100mm以上長いこともあるが、その違いは官能的なデザインをさらに昇華させようというグラントゥーリズモと、軽快なハンドリングを実現しようというM8という対比を見出すことができるかもしれない。一方で車両重量についてはM8のほうがわずかに重い。これは後述するパワートレインの違いによるものと言えるだろう。

マセラティ グラントゥーリズモ トロフェオ

ボディサイズ=全長4965mm×全幅1955mm×全高1410mm
ホイールベース=2930mm
車両重量=1870kg
タイヤサイズ=(前)265/30ZR20(後)295/30ZR21

BMW M8 コンペティション クーペ

ボディサイズ=全長4870mm×全幅1905mm×全高1360mm
ホイールベース=2825mm
車両重量=1910kg
タイヤサイズ=(前)275/35R20(後)285/35ZR20

パワーとトルクはM8に軍配

パワートレインを見ると、トランスミッションが8速ATである点や、駆動方式がAWDである点はどちらも共通しているが、エンジンは、グラントゥーリズモが3.0リッターV6ツインターボ、M8が4.4リッターV8ツインターボと明確な違いがあることがわかる。

最高出力550PSを誇るグラントゥーリズモのスペックでも十分過ぎることは言うまでもないが、M8はそれをさらにしのぐ625PSとなっており、「駆けぬける歓び」を標榜するBMWのハイパフォーマンスモデルとしての矜持が垣間見えるようだ。

ただ、グラントゥーリズモに搭載される「ネットゥーノ」と呼ばれるエンジンは、マセラティのフラッグシップスポーツモデルであるMC20のデチューン版である。そのMC20の最高出力が630PSであることを考えると、エンジンのポテンシャル自体は互角以上と言えそうだ。

マセラティ グラントゥーリズモ トロフェオ

エンジン形式=V型6気筒 DOHC ツインターボ
排気量=2992cc
エンジン最高出力=550PS/6500rpm
エンジン最大トルク=650Nm/3000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=AWD

BMW M8 コンペティション クーペ

エンジン形式=V型8気筒 DOHC ツインターボ
排気量=4394cc
エンジン最高出力=625PS/6000rpm
エンジン最大トルク=750Nm/1800-5860rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=AWD

価格はグラントゥーリズモが上回るが…

車両本体価格はグラントゥーリズモが約3000万円で、M8との差は500万円近い。一方で、グラントゥーリズモには、2444万円となるベースグレードの「モデナ」も用意されており、価格で見ればそれも比較検討の対象になりそうだ。

だが、M8にはコンバーチブルや4ドアクーペも用意されており、多彩なニーズに対応している点は、グラントゥーリズモにはない大きな特徴といえる。

車両本体価格

マセラティ グラントゥーリズモ トロフェオ 2998万円
BMW M8 クーペ 2526万円

ベーシックなモデナとハイパワー版のトロフェオが用意されるが、今回試乗したのはトロフェオ。

3000万円のラグジュアリークーペ「マセラティ グラントゥーリズモ トロフェオ」に試乗して歴史の転換を痛感

マセラティを象徴するGTモデルであるグラントゥーリズモがついに復活した。2代目となるグラントゥーリズモはMC20を彷彿とさせるスタイリッシュなデザインと軽量&高剛性ボディ、ネットゥーノエンジンが生み出す爽快な走りを楽しめるGTだ。(GENROQ 2024年2月号より転載・再構成)

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