「マセラティ グラントゥーリズモ」と「ベントレー コンチネンタルGT」を比較

3000万円級の至高のラグジュアリーGT「マセラティ グラントゥーリズモ」と「ベントレー コンチネンタルGT」はどういう位置付けか?

マセラティ グラントゥーリズモとベントレー コンチネンタル GT
マセラティ グラントゥーリズモとベントレー コンチネンタル GT
「マセラティ グラントゥーリズモ」と「ベントレー コンチネンタルGT」は、その名称が示すとおり、どちらも「グランドツーリングカー」、つまり長距離を快適に走ることに長けたクルマとなることが宿命付けられたモデルだ。2007年の初代登場から16年目となる2023年8月に初のフルモデルチェンジを果たしたグラントゥーリズモに対して、コンチネンタルGTは2017年に登場した現行モデルである3代目がすでに円熟の域に達している。ラグジュアリーGTというカテゴリーをけん引してきた両車に、どのような違いがあるのか? グラントゥーリズモのICE搭載車における最上級グレードであるグラントゥーリズモ トロフェオと、コンチネンタルGTのV8エンジン搭載モデルを比較してみたい。

MASERATI GRANTURISMO
×
BENTLEY CONTINENTAL GT

大きな違いは車両重量にあり

堂々とした大柄なボディが目をみはる両車であるが、伸びやかなクーペスタイルが美しいグラントゥーリズモに対して、コンチネンタルGTはややショートなホイールベースとワイドなボディが特徴だ。

また、3.0リッターのV型6気筒エンジンを搭載するグラントゥーリズモと、4.0リッターV型8気筒エンジンを搭載するコンチネンタルGTでは、両車の車両重量の差は300kgを超えるなど、車両重量にも大きな違いが見られる。

この違いから、スポーティな走りのグラントゥーリズモと、重厚な走りのコンチネンタルGTという両車のキャラクターが見て取れるだろう。

マセラティ グラントゥーリズモ トロフェオ

ボディサイズ=全長4965mm×全幅1955mm×全高1410mm
ホイールベース=2930mm
車両重量=1870kg

ベントレー コンチネンタルGT

ボディサイズ=全長4880mm×全幅1965mm×全高1405mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=2200kg

最高速度と0→100km/hはグラントゥーリズモが上回る

パワートレインの違いに注目してみよう。

グラントゥーリズモに搭載されるのは、「ネットゥーノ」と呼ばれる最高出力550PS、最大トルク650Nmを発揮する3.0リッターV型6気筒ツインターボエンジンだ。これは2020年にワールドプレミアされたマセラティの新型スーパースポーツカーであるMC20のエンジンをデチューンしたもので、そのパフォーマンスは折り紙付きだ。

一方のコンチネンタルGTには、最高出力550PS、最大トルク770Nmのパフォーマンスを持つ4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンが搭載される。奇しくも最高出力はグラントゥーリズモと同等であるが、最大トルクはコンチネンタルGTに分がある。

最高速度はグラントゥーリズモが320km/h、コンチネンタルGTが318km/h、0-100km/h加速はグラントゥーリズモが3.5秒、コンチネンタルGTが4.0秒と、ほぼ互角ではあるもののどちらもグラントゥーリズモがわずかにコンチネンタルGTを上回る。

マセラティ グラントゥーリズモ トロフェオ

エンジン形式=V型6気筒 DOHC ツインターボ
排気量=2992cc
エンジン最高出力=550PS/6500rpm
エンジン最大トルク=650Nm/3000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=AWD

ベントレー コンチネンタルGT

エンジン形式=V型8気筒 DOHC ツインターボ
排気量=4000cc
エンジン最高出力=550PS/5750-6000rpm
エンジン最大トルク=770Nm/2000-4500rpm
トランスミッション=8速DCT
駆動方式=AWD

一段上の価格帯に位置するコンチネンタルGT

価格を見ると、2998万円のグラントゥーリズモに対してコンチネンタルGTが3005万2000円とほぼ同等だ。

一方、ラインナップ全体で見ると、グラントゥーリズモは2444万円と比較的手頃な「モデナ」が用意されているのに対し、コンチネンタルGTにはよりラグジュアリーな「マリナー」など、3000万円台後半から4000万円近いモデルが設定されている。そういった意味では、コンチネンタルGTのほうが相対的にハードルが高い存在ということができるだろう。

ただ、現時点では国内未導入ではあるものの、グラントゥーリズモにはマセラティ初のBEVである「フォルゴーレ」も発表されている。その価格は「トロフェオ」をも上回るものになると見られており、その価格と内容次第では、コンチネンタルGTの上位モデルの強力なライバルになりうると言えそうだ。

アストンマーティン DB12(上)とマセラティ グラントゥーリズモ。

3000万円級グランドツアラー「マセラティ グラントゥーリズモ」と「アストンマーティン DB12」を比較して意外な違いを発見

「マセラティ グラントゥーリズモ」と「アストンマーティン DB12」は、どちらも2023年に…

現存するオープンカーの系譜として、今回の2台ほど由緒正しいモデルはないかもしれない。

4.0リッターV8のラグジュアリーコンバーチブル「メルセデス AMG SL」と「ベントレー コンチネンタル GTC」2台を比較

4代目以来となる2+2シートを採用したメルセデスAMG SL。中でもAMGが自社開発した58…

キーワードで検索する

著者プロフィール

ピーコックブルー 近影

ピーコックブルー