前方視界と揺れの少なさが鍵!助手席が酔いにくいとされるのはなぜ?

助手席に座る女性
実際に座る位置によって乗り物酔いしにくさは変化することがわかっている。

ドライブ中に後部座席よりも助手席のほうが車酔いしにくいという話を聞いたことがある人は少なくないだろう。

実際に座席の位置と車酔いのしやすさには深い関係があるとされており、その理由は体の感覚器官が受け取る情報のズレに大きく影響している。

車酔い
クルマの揺れによって、三半規管と視覚情報に乖離が生まれてしまうため車酔いが生まれる。

そこで知っておきたいのが、なぜ助手席が酔いにくいとされているのか、その具体的なしくみと理由である。

そもそも車酔いは、耳の奥にある内耳の三半規管や前庭器官にあるリンパ液が車の揺れによって揺さぶられることで発生するとされており、目から入ってくる視覚情報と三半規管が感じる揺れの感覚、さらに全身の筋肉から伝わる感覚情報に誤差が生じ、脳が混乱することが原因だ。

車が走行する際には横揺れや前後左右の傾きなどさまざまな動きが生じるが、とくに上下方向の縦揺れは車酔いを引き起こしやすいと言われている。

こうした揺れの感じ方は、車内のどの位置に座るかによって大きく変化するという。

一般的に、助手席は前方の大きなフロントガラス越しに視界が広く確保できるため、車の進行方向やカーブの動きを予測しやすいという利点がある。

さらに後部座席に比べて揺れの影響を受けにくいため、目で見ている情報と三半規管が感じる揺れの情報のズレが抑えられ、結果として酔いにくくなるとされているというわけだ。

ドライブする家族
車体中央は視界が広く、揺れが小さいので車酔いしにくい席になっている。

また、JAFの解説では車内で酔いにくい座席として揺れの少ない「車体中央付近の席」に座ることが推奨されている。

車体中央に位置する座席は、加減速による前後の揺れや旋回時の横揺れの影響を受けにくく、遠くの景色も視界に入りやすいため、三半規管への負担を小さく抑えられる利点があるためだ。

このように、助手席や車体中央付近の席は視界の広さと揺れの少なさという2つの要因が重なることで、車酔いのリスクを軽減できる座席だといえるだろう。

なお、乗り物酔いは大人よりも発展途上の感覚器官を持つ子どものほうが起こりやすく、過度な疲労や睡眠不足、空腹や満腹といった身体的要因も関係してくるため、座席選びだけでなく、乗車前の体調管理や十分な休息の確保も酔い防止には欠かせない要素である。

スマホ操作や読書は酔いを招きやすい

車酔いした子供
酔ってしまったときには遠くの風景などを見ることで視覚情報を固定したり、換気をしたりすることが解決策。

では、それ以外の座席に座る場合や、すでに車酔いの兆候が出てしまった場合にはどのような対処が有効なのだろうか。

まず予防策として効果的なのが、意識して遠くの山並みや建物といった固定された景色を眺めることである。

流れる近くの景色を追いかけると目まぐるしい変化により視覚情報の混乱を招きやすいが、遠くの景色であれば視線の動きが穏やかになり、三半規管との情報のズレを抑えやすくなるとされる。

くわえて、車内のこまめな換気をおこなうことも有効な対策のひとつだ。

ガソリン臭や車内にこもったニオイは外的要因として乗り物酔いを引き起こしやすいため、窓を開けるなどして空気を入れ替える工夫を心がけたい。

タブレットを触る子供
スマホや読書などは車酔いの原因となるため、極力触らない方がいい。

一方で、注意しておきたいのがスマホの操作や読書といった行動である。

これらは視線が下がった状態が続くうえ、近くのものに焦点を合わせ続けることになるため、視覚と三半規管の情報に大きなズレが生じやすく、酔いを招く原因になりやすいとされている。

もし車内で酔ってしまった場合は、無理をせず安全な場所にクルマを停めて降りて休憩を取り、風にあたりながら深呼吸や水分補給をおこなったり、自律神経の乱れを整える成分や胃腸の働きを鎮める成分を含む酔い止め薬を使用したりするとよい。

また、米粒を絆創膏で固定したり、専用の酔い止めバンドを使用したりして、手首のしわから肘側へ約5cm移動した位置にある「内関」というツボを刺激することも対処法のひとつとされている。

このように、乗車位置の特徴や車酔いが起こるしくみを日頃から正しく把握しておくことが快適なドライブにつながるポイントとなるため。同乗者の体調や行動にも気を配りながら、酔いにくい環境づくりを心がけたいものだ。