欧州コンパクトカー人気を牽引する五代目「ルノー・ルーテシア」【最新コンパクトカー 車種別解説】

欧州の超メジャーモデルでコンパクトサイズの基準車と言える「ルノー・ルーテシア」。フランス車ならではの上質なスタイリングに、先進運転支援機システムは道路標識の認識精度も高く、日本の環境にマッチしている。当初パワートレインは1.3lターボエンジンのみだったが、22年に1.6lハイブリッドが追加され、燃費の良さと走りの楽しさは特筆に値する。
REPORT:佐野弘宗(本文)/山本晋也(写真解説) PHOTO:平野 陽 MODEL:美月千佳

安心感が増すパワフルな走り 先進運転支援システムも秀逸

ルーテシアは欧州では常にベストセラー争いに加わる超メジャーモデルである。現行型は2020年秋に国内発売された五代目で、アライアンス相手の日産も使う「CMF-B」プラットフォームは完全新開発で、先代となる四代目との共通部分は皆無に近い。それなのに、そのエクステリアデザインはひと目では区別がつきづらいほど四代目に似る。

エクステリア

サイドモールやマフラーがクローム仕上げなのは全車標準。ドアミラーがブラックだと「INTENS Tech Pack 」、ボディ同色「INTENS」となる。撮影車のタイヤはコンチネンタル・エココンタクト6だった。最小回転半径は5.2m。

それは四代目ルーテシアは世界的に大成功作だったことが大きい。全長4.1m近いボディサイズも日本のコンパクトカーから見ると大柄と言うほかないが、これも四代目が先鞭をつけたものだ。今では欧州コンパクトのボディサイズは、プジョー208やVWポロといった競合車も含めて、このルーテシアのサイズが基準となっている。

インストルメントパネル

ノーズの傾きは意外に大きく、先端を把握するには慣れが必要な印象。メインメーターは中央の7インチディスプレイにさまざまな情報を表示するタイプ。ステアリング調整はチルト&テレスコピックが備わり、ポジションを合わせやすい。

日本仕様のパワートレインは1.3lターボ+7速DCTの1種のみ。ただし、先日アルカナに搭載されて上陸した1.6lハイブリッドが国内でも遠からずルーテシアに追加されることが公表されている。

居住性

このように、現時点では目を見張るような新機軸は見当たらないルーテシアだが、クルマとしての仕上がりは文句なしだ。1.3lターボは競合車と比較しても明らかにパワフルで、ソフトパッドが多用されたインテリアも質感が高い。

うれしい装備

7インチのセンターディスプレイはスマートフォンと接続可能。写真はApple CarPlayを表示した状態。Android Autoにも対応している。
月間登録台数      NO DATA
現行型発表        20年10月
WLTCモード燃費     17.0 km/l  

ラゲッジルーム

また、高速になるほど安心感が増すシャシー性能はいかにも欧州車らしい。そして、先進運転支援システムにも日産のノウハウが入っているのか、例えば日本の道路標識の認識精度など細かな使い勝手までレベルが高い。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.142「2022-2023 コンパクトカーのすべて」の再構成です。

http://motorfan-newmodel.com/integration/142/

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