意外と悪くない? ルノー・メガーヌR.S.スタッドレスタイヤで気持ちよく500km走った実燃費

スポーツモデルで長距離を走った実燃費は一般のクルマに比べてどうだろうか。今回は編集スタッフの愛車、3代目ルノー・メガーヌR.S.で検証してみる。

スポーツモデルは一般的に燃費が悪いという印象を持たれている方が多い。そこでスポーツモデルで長距離を走った実燃費はどうだろうか、FFホットハッチ・メガーヌR.S.で約500km走って検証してみよう。
まず検証状況。今回の検証はスポーツモデルということもあり①燃費を意識せずに気持ちよくドライブし、②スタッドレスを履いた車両で計測をしたという2点を先にお伝えしておきます。

タイヤは横浜ゴムのiG30(215/50R17)を装着。ちなみにノーマルタイヤのサイズは235/40R18だ。

検証するメガーヌR.S.は3代目の前期型。
エンジンは、F4R型2.0ℓ直4ターボでパワースペックは最高出力:250ps(184kW)/5500rpm 最大トルク:340Nm/3000rpmである。トランスミッションは6MTとの組み合わせだ。

非常にトルキーなエンジン。高回転型ではないが野太いエンジン音が気持ちいい。

筆者は普段、Motor-Fan.jp編集スタッフとして福井県でリモートワークを行なっているが、1月の中旬に東京オートサロンの取材のため上京した際、福井へ戻る実燃費を計測した。

東名川崎インターから北陸道の福井北インターまで、それぞれ高速道路に乗る直前と降りた直後に満タン給油し、その間の使用燃料を調べた。速度は周囲のクルマに合わせながら燃費を意識せずに気持ちよく走り、途中のサービスエリアで2度の休憩を挟んだ。天候は曇り。

ガソリンスタンドの間の距離は497kmで、給油量は34.95ℓ。そのガソリンスタンドのハイオクの単価は177円だった(ちなみにETCによる高速道路料金は平日で10,500円)。

満タン法で計算すると、
497km÷34.95ℓ=14.22km/ℓ

14.22km/ℓは想像以上の好成績だ。
燃料代は6186円だったので、1kmあたりの金額は12.4円

福井到着時のガソリン残量は、燃料タンクの半分に少し満たないほど。燃費は8.3ℓ/100kmと表示されていた。「100km走るのにガソリンを8.3ℓ使います」ということだ。12.0km/ℓということになるが、満タン法で出した値とは違う結果になった。これはおそらく高速道路の497kmだけでなく、これまでの一般道も含めての平均だからだろう。

ただ、同じルートをディーゼル車のBMW320dで走行したときは20.88ℓしか使わず、軽油の単価が129円で金額は2,694円ですんだことを考えると(7月でノーマルタイヤだったことを差し引いても)、ディーゼル車のほうが燃費も良くお得だ。

同じルートでディーゼル車のBMW320dも測定。7月、ノーマルタイヤという条件はメガーヌと違うものの燃費が非常に良かった。

また、スペック的にも320dは最高出力:190ps(140kW)/4000rpm 最大トルク:400Nm/1750~2500rpmとメガーヌの最高出力:250ps(184kW)/5500rpm 最大トルク:340Nm/3000rpmにそこまで劣っているわけではない。もちろん性格は別物で、価格もかなり差があるため比較されることはないだろうが、長距離の燃費とトルクの余裕さを求めるならディーゼルのほうが優れているのは間違いないだろう。

ディーゼルで燃費が良く、メガーヌと同じスポーティな中古のハッチバックを求めるなら先代アクセラスポーツがおすすめだ。2.2ℓディーゼルモデルは320dを凌ぐ最大トルク420Nmを発揮する。

話をメガーヌに戻そう。結局、ディーゼルやほかの通常モデルと比べてしまうと燃費は悪いかもしれない。ただし、スポーツモデルには運転の楽しさがある。燃費を気にしてスポーツモデルに乗られる方は少ないだろうが、購入を検討される方はご参考までに……。

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著者プロフィール

伏木幹太郎 近影

伏木幹太郎

福井県出身。自動車部品業を営んでいた祖父の影響で、幼い頃から自動車に囲まれて育つ。初めて憧れたクル…