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愛車の冬仕度というと、専らタイヤのことに終始しがちだが、ワイパーにも冬専用のものが存在する。通常のワイパーは氷点下にも達する条件下では、本来の機能を発揮しづらい状況になるのだ。その原因の一つは、ワイパーゴムの状態変化。著しく気温が低い状態では、本来持っているしなやかさを保ちづらくなり、ワイピングにも支障が出てしまう。
また、トーナメント式ワイパーであれば可動部の動作も渋くなりがち。凍結に端を発するこの状態では、ウインドウの接触にムラも生じ、拭き残しも招きがちだ。
さらに降雪状態ともなれば、フレームのすき間に雪が詰まることも往々にしてある話。ワイパー作動時に圧縮して詰まるようだと、手作業での排出にも難儀する。
雪の詰まりをなくし、しなやかなワイピングをアシスト
スノーワイパーはこういった要素を全て解消してくれる。見た目にも分かる最も大きな違いは、ブレード全体を覆うゴムカバーだ。これにより、雪づまりを防ぐのはもちろん、空気は通しつつ水を通さない独自の構造により、フレームの凍結そのものも防いでくれるというわけだ。
ディテールでも、その工夫は多岐に渡る。ワイパーゴム自体の素材は、氷点下で凍らないような独自配合とされるのが一般的。これにより、極寒状態でもしなやかさを失わず、安定した接触面を維持できる。
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ワイパーモーターへの負担も軽減する、冬用ワイパーのやさしさ
さらにフレームにはリベットを使わない構造とすることで、ワイパーモーターへの負担を軽減する効果も見逃せない。動作の渋りはワイピング効果のロスを招くだけでなく、連係する各種部品に想定外の負荷を掛けることにつながることも忘れてはならない。
確かに雪の降らない地域であれば必ずしも必要ではないと思われるが、ウインターレジャー派や、一時でも厳寒地で夜を越すともなれば備えておいてソンはない。また意外にも、同じ降雪地域でもスノーワイパーの搭載率には地域差があるそうだ。
想定外のワイパー動作で愛車を傷めないためにも、タイヤとセットで夏冬仕様に衣替えする豪雪地域の習慣を参考にしたい。
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