キュートなルックスで街乗り最強のロングセラー車「日産マーチ」【最新コンパクトカー 車種別解説】

現行モデルの登場から十二年というロングセラーの「日産マーチ」。時代や年齢を問わず好印象のルックスがマーチらしさだ。運転のしやすさ、素直な操舵感が好評である。取り回しの良さは抜群だ。
REPORT:岡島裕二(本文)/塚田勝弘(写真解説) PHOTO:神村 聖 MODEL:藤木由貴

安全装備は必要最低限を確保 取り回し性や操舵感覚は特筆

マーチの歴代モデルはロングセラーとなるのが定着しているが、四世代目となる現行モデルは実に発売から12年近く販売が続いているので、今までで最も長く売られていることになる。それでも古臭さを感じさせないのは、この愛嬌のある飽きのこないスタイリングのおかげだ。

エクステリア

全幅を1665mmに抑えたサイズが特徴で、パッソやミラージュなどと競合する。愛らしい外観にマッチする写真の「パーソナライゼーション」系は、アウタードアハンドルやホイールカバーなどに白のアクセントが加わる。最小回転半径は4.5m。

マーチは現行モデルからはタイで生産して輸入しているため、安全装備のアップデートが遅れていたが、現在は衝突被害軽減ブレーキやハイビームアシストなど、最低限の先進安全装備は標準装備されている。

インストルメントパネル

丸みを帯びたインパネは、曲線や円を使うことで柔らかな雰囲気が漂う。上級仕様や「パーソナライゼーション」系にはシルバーの加飾が用意され、質感の高さを演出している。エアコンはマニュアルが標準で、オートはオプション。

マーチを走らせて感心させられるのが運転のしやすさ。運転席から前後左右の死角が少なく、最小回転半径も4.5mと軽自動車並みに短いので取り回しが抜群に良いのだ。ステアリングの操舵感も軽く、反応も穏やかになっているから、運転に不れな初心者や高齢者でもスムーズに走らせることができる。足まわりがソフトで扁平率70%のタイヤを履いているためカーブでの踏ん張り感は今ひとつだが乗り心地は良好だ。

居住性

エンジンは1.2lの3気筒を搭載。ボディが軽量だから力不足を感じるシーンは少なく、3気筒にありがちなプルプルとした振動や音を感じさせないのも美点。自動車税は1.0lのパッソより高くはなるが、力強さではマーチが勝っている。

うれしい装備

ポケッテリアで重宝するのがインストアッパーボックスで、助手席前にあるため手が届きやすい。ポーチや折り畳み傘などの小物に向く。
月間登録台数     744台(21年11月~22年4月平均値)
現行型発表       10年7月(一部仕様向上 20年7月)
WLTCモード燃費    18.6 km/l ※「X Vセレクション」「G」(パーソナライゼーション含む)  

ラゲッジルーム

室内や荷室は広くはないが、買い物や送迎などで近所を乗り回すには最適な1台。さすがにモデル末期に近づいていると思われるので、現行マーチのスタイリングに魅力を感じるのなら早めに購入計画を練りたい。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.142「2022-2023 コンパクトカーのすべて」の再構成です。

http://motorfan-newmodel.com/integration/142/

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