機械洗車と侮るなかれ……その仕上がりはまるで手洗い! 進化する!? 最新洗車機の実力をチェック! -洗車機最前線レポート2023-【CarGoodsMagazine】

洗車は自分で行うと、成果も分かりやすく楽しめる。とはいえじっくり洗車する時間が取れないことも少なくない。そんなときにはガソリンスタンドや洗車場の洗車機を利用したくもなるが、洗車機でのカーウォッシュには不安を抱く向きもあるだろう。さて、実際はどうなのか。最新の洗車機の実力を分析する。

最新洗車機のブラシはボディの塗装にキズを付けない!

洗車機でのカーウォッシュに対する不安の主体はズバリ、洗車キズだろう。手洗い洗車でも注意すべき重要項目の1つであり、機械に手洗いのようなきめ細やかなケアができるのか、そう思ってしまいがちだ。
しかし洗車機にも長い歴史があり、ゆえにキズを付けないための、洗い残しがないための、さらには効果的なコーティングを行うための技術が確立・熟成されている。

洗車機は大きく2つのタイプに分類できる。1つは「ドライブスルー洗車機」でもう1つが「スタッフ洗車機」だ。前者はつまり、ドライバー自身が設定するセルフ型洗車機で、後者はガソリンスタンドなどのスタッフが操作することがほとんど。近年は前者を見かけることの方が多い。セルフ型のガソリンスタンドが増え、加えて店員の人手不足も進んでいるからだ。結果として、どちらかといえば前者の方が機能が豊富だ。

では、最新技術の中身を見ていこう。注目ポイントは4つある。1つ目は「ブラシの高性能化」だ。最新のブラシは、素材と形状・長さが考え抜かれていて洗浄能力が高い。ちなみに国産車の平均的な塗膜硬度は鉛筆等の2H程度といわれていて、最新のスポンジブラシの素材は当然ながらそれよりかなりソフトだ。ブラシでキズが付くことは理論上あり得ない。

注目点の2つ目は、「入念な予備洗浄が行われること」だ。手洗い洗車でもまずは丁寧に砂やほこりを落とすことが肝要となるが、洗車機でもそこが重視されている。例えば洗車機メーカー大手のダイフクプラスモア(以下、ダイフク)の洗車機の中には「スライディングバブル」という機種があり、泡をかける前に水を高圧噴射する。これにて砂やホコリ等を落とすので、それらによる引きずりキズの発生を心配する必要はない。

ダイフクの「スライディングバブル」にて予備洗浄が行われているところ。ボディ全体に水を高圧噴射し、砂やホコリを落とす。

「スキャン技術」で車形を立体的に読み取り、適切な圧で洗浄!

注目ポイントの3つ目は「スキャン技術の進化」だ。ちなみに当技術はかなり前から存在しているが、ここにきての進化は特にめざましい。例えばエムケー精工では「3DスキャンNEO」という最新技術を持ち、これにて車形を立体的に読み取り、さらにはブラシの制御技術も組み合わせて各所を適切な圧にて洗える。またサイドアンダーミラー等の装備品を最小限の動きでかわし、その周辺の洗い残しもごく少ない。

こちらはエムケー精工の最新ドライブスルー型洗車機「プレシスG」。当機には、535本×3列同時発光方式の広角型センサーを用いたセンシング技術「3DスキャンNEO」が搭載されている。水しぶきや湯気に影響されない高精度な車形認識が可能だ。

そして4つ目のポイントは「コーティング技術の進化」だ。ダイフクでは「プロストコート」という機能を用意していて、それが搭載されている機種では手掛けコーティング同様の効果を得られ、それにて1か月から2か月程度の高耐久撥水被膜を付与できる。

洗車機でのカーウォッシュは、オプションをさまざま追加しても案外リーズナブルだ。コスト的にも時間的にも効率が良い。少なくとも毛嫌いする必要はない。1つの選択肢としてアリだ。ぜひお試しを。

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