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新型ランドクルーザー70はいくらになりそう?
1984年にデビューして以来、世界中で高い人気を誇っているランドクルーザー70。2014年には期間限定で再販売しているから、今回は再々販売といえる。今年の冬には新型(2024年モデル)ランクル70が街(と荒野)を走り始めるだろう。デビューが1984年11月だったから、今回も11月に販売開始かもしれない。
価格は未発表だが、2014年再販当時の価格は360万円(VAN)。この当時の消費税率は8%だから、10%に直すと366.7万円だ。4.0L・V6自然吸気エンジンが2.8L直4ディーゼルターボに変わり、5MTが6ATへ変更になった2023年版ランクル70の価格は、当然2014年版から上がるだろう。400万円~程度と予想できる。
400万円程度でずば抜けた悪路走破性をもつクルマはそうはない。ほかにあるとしたら……スズキ・ジムニーである。とはいえ、軽規格のジムニーとランクル70を比較する人は多くはない。後席やラゲッジスペースのことを考えたらジムニーシエラでもライバルにはなりにくい。
ジムニー5ドア(インド版)ってどんなクルマ?
となると、ファン待望の「ジムニー5ドア」である。
ご存知のとおり、インドではすでにジムニー5ドアが販売されている。原則的に海外に軽規格のジムニーは存在しないから、ここでいうジムニー5ドアは、日本流に言えば「ジムニーシエラ5ドア」だ。
インドのジムニー5ドアは、マルチ・スズキのインド グルガオン工場で生産されている。ここから中南米・中東・アフリカなどに輸出されている。日本市場にジムニーシエラ5ドアが追加されるとしたら、インドからの輸出ではなく静岡のスズキ湖西工場で生産されることになるだろう。
インドのジムニー5ドアのスペックは以下の通りだ。
ジムニー5ドア(インド仕様)
ボディサイズ
全長×全幅×全高:3985mm×1645mm×1720mm
ホイールベース:2590mm
フロントサスペンション:3リンクリジッドアクスル
リヤサスペンション:3リンクリジッドアクスル
エンジン
エンジン形式:1.5L直4DOHC
エンジン型式:K15
最高出力:104.8ps(77.1kW)/6000rpm
最大トルク:134.2Nm/4000rpm
トランスミッション:5MT/4AT
燃費:16.94km/L(5MT)16.39km/L(4AT)
ジムニーシエラ(3ドア)と比べて全長が435mm、ホイールベースが340mm延長されている。全幅は同寸だから、純粋にボディセンターで340mm、前後オーバーハングで95mmボディを前後方向に伸ばしたと言える。
インドでの価格は1インドルピー=1.75円で計算して
Zeta MT 1274000ルピー(222万9500円)
Zeta AT 1394000ルピー(243万9500円)
Alpha MT 1369000ルピー(239万5750円)
Alpha AT 1489000ルピー(260万5750円)
Alpha MT(Dual Tone) 1385000ルピー(242万3750円)
Alpha AT(Dual Tone) 1505000ルピー(263万3750円)
となっている。
現在のジムニーシエラ3ドアの国内価格は上級グレードの
JC(5MT)198万5500円
JC(4AT)208万4500円
だから、国内でジムニーシエラ5ドアが登場するなら、インドとそうは変わらず240~300万円程度になりそうだ。
ジムニー5ドア ボディサイズ 全長×全幅×全高:3985mm×1645mm×1720mm ホイールベース:2590mm
新型ランクル70の価格が400万円だとしたら、やはりジムニーシエラ5ドアとの価格差は100万以上あるから、悩む人は少ないのかもしれないが、ランクル70のサイズ(全長×全幅×全高:4890mm×1870mm×1920mm ホイールベース:2730mm)が大きすぎると感じている人には、案外有力なライバルになるのかもしれない。
パワートレーンは?
ランクル70のパワートレーンは、1GD-FTV型2.8L直4ディーゼルターボ+6速ATで最高出力:204ps(150kW)/3400rpm
最大トルク:500Nm/1600-2800rpm(豪州仕様)
となっている。トランスミッションにマニュアルトランスミッションは設定しない。
対するジムニーシエラ5ドアはインド版と同じと仮定すると、K15B型1.5L直4DOHC+5MT/4ATで
最高出力:102ps(75kW)/6000rpm
最大トルク:130Nm/4000rpm
である。
悪路走破性は?
走破性を示す数値にアプローチアングル、デパーチャーアングル、ランプブレークオーバーアングル、グラウンドクリアランスがある。
プローチアングル:フロントバンパーなどの車体前面下部と前輪の接地面を結んだ線と地面の角度。斜面や障害物と車体前部の接触しにくさを測る指標
デパーチャーアングル:リヤバンパーなど、車体後方下部と後輪の接地面を結んだ地面の角度。車体後部の接触しにくさを測る指標
ランプブレークオーバーアングル:前後輪の接地点と車体のホイールベース中央部を結んだ線が交わる角度。車体中央底部の接触しにくさを測る指標
これでいくとランドクルーザー70は(2014年版の数字で)
アプローチアングル:33°
デパーチャーアングル:23°
ランプブレークオーバーアングル:26°
グラウンドクリアランス:200mm
となっている。対するインド版ジムニー5ドアのそれは
アプローチアングル:36°
デパーチャーアングル:47°
ランプブレークオーバーアングル:24°
グラウンドクリアランス:210mm
どちらも本格オフローダーに相応しい性能を誇っている。
ちなみに、これが一般的なSUVになるとどうなるか。
トヨタRAV4
アプローチアングル:18°
デパーチャーアングル:20.5°
ランプブレークオーバーアングル:17.5°
グラウンドクリアランス:200mm
となるわけだ。
日本が世界に誇る本格オフローダー、ランドクルーザー70とスズキ・ジムニー。どちらも魅力的だ。