EVの積極的な活用による脱炭素社会の実現やSDGs達成などに向けて、様々な取り組みで連携。ゼロ・エミッション社会の先にある美しい自然環境の保全や、クリーンで住みやすい持続可能な地域づくりの実現に向けて共創
喜多方市は、豊かな自然環境を次世代に引き継ぐために、2021年9月に、2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指す「カーボンニュートラル宣言」を行い、脱炭素社会の実現に向けて積極的に取り組んでいる。その一環として、市民・事業者に対するEV購入支援やEV公用車の導入など、環境対策や防災対策に取り組み、持続可能で強靱なまちづくりを推進している。
マツモトプレシジョンは、再生可能エネルギーの活用や、二酸化炭素排出量削減、プラスチック廃棄物の削減などに積極的に取り組み、サステナビリティを強く意識した事業活動を行っている。特に、EVである「日産サクラ」「日産リーフ」「日産アリア」を社用車として導入するとともに、再生可能エネルギー100%で事業運営を行うRE100を目標に掲げ、駐車場に太陽光発電を配置した「ソーラーカーポート」を整備するなど、地域社会に認められるリーディングカンパニーを目指し、SDGsの推進や脱炭素化に向けた取り組みを進めている。
日産自動車は、これまで培ってきたEVに関するノウハウやネットワークを活かし、脱炭素、災害対策、エネルギーマネジメント、観光、地方の交通課題などの地域課題解決により、社会変革をしていく日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を推進中だ。EVの普及によるゼロ・エミッション社会の実現を通じ、人とクルマと自然が共生し、住む人がワクワクするまちづくりによる地域社会の発展に貢献するため、全国の自治体・企業とともに活動している。
喜多方市が目指す脱炭素社会の実現、マツモトプレシジョンが目指すサステナビリティによる地域貢献のために、そして日産自動車が推進する「ブルー・スイッチ」の枠組みを活用することで期待される、モビリティの脱炭素化の効果が最大限化された将来像に互いが賛同し、同協定を締結する運びとなった。同協定に基づく連携事項と取り組み内容は以下のとおり。
■「電気自動車を活用した脱炭素社会の実現と持続可能な地域づくりに関する包括連携協定」に基づく連携事項と取組内容
(1)脱炭素社会の実現と電気自動車の普及に関する事項
【EV普及促進やインフラ整備】
●EV導入補助金および、太陽光発電設備やV2B(※1)・V2H(※2)導入に対する補助金の交付(喜多方市)
●充電スポット増加のための施策の検討(共通)
●従業員に対する独自のEV購入支援(マツモトプレシジョン)
●従業員の通勤車でも利用可能な充電器の整備(マツモトプレシジョン)
※1:V2B=「Vehicle to Building」の略で自動車とビルの間で電力相互供給する技術やシステムの略称
※2:V2H=「Vehicle to Home」の略で、EVの電力を家庭や建物の電力として活用するシステム
(2)SDGs達成に関する事項
【EVを活用したSDGsの推進や横展開】
●市主催の屋外イベント等におけるEVを活用した電源供給(共通)
●従業員の通勤車のワークプレイスチャージングによる福利厚生(マツモトプレシジョン)
●市内企業へのSDGsビジネスに関するナレッジの提供(喜多方市、マツモトプレシジョン)
(3)環境教育および普及啓発に関する事項
【EVを活用した環境教育・ESD(※)の実施】
●「日産わくわくエコスクール」の実施など環境教育での連携(共通)
●その他、市で主催する環境教育イベント実施の際の協力、連携(共通)
●環境に配慮したマツモトプレシジョンの施設、工場見学の実施
(喜多方市、マツモトプレシジョン)
※:ESD=「Education for Sustainable Development」の略で持続可能な開発のための教育のこと
(4)災害時における地域レジリエンスの強化に関する事項
【災害時における避難所等での非常用電源としてのEV活用】
●災害による停電時における、日産の販売会社およびマツモトプレシジョンのEV(社有車、通勤車)を活用した給電応援(共通)
●EVからの給電を可能にする可搬型給電器の導入検討(喜多方市)
●避難訓練や防災訓練におけるEVの活用、連携(共通)
(5)地域エネルギーマネジメントに関する事項
【再生可能エネルギーの導入加速化と効率的運用】
●市有施設への太陽光発電設備設置やV2B等の設置検討(喜多方市)
●工場等への太陽光発電、V2B、EVの連携による自家消費型再生可能エネルギー最大限導入の取り組み(マツモトプレシジョン)
●EVを活用したディマンド・レスポンス等地域内の電力需給バランスの安定化・効率化に寄与する仕組みの検討(共通)
(6)サステナブルな観光の振興に関する事項
【市の観光活性化およびEVで訪れる観光客へのEV優遇策】
●EV利用者に対する駐車場、観光施設、宿泊施設等における割引等優遇策の検討(喜多方市)
●EV優遇施設および充電スポットの周知(共通)
●EVカーシェアリングの検討(共通)
(7)その他、協議によって必要と認める事項
喜多方市、マツモトプレシジョンおよび日産自動車は、EVの積極的な活用による脱炭素社会の実現やSDGs達成などに向けて、同協定締結に基づき様々な取組で連携していく。また、同じ理念を持つパートナーとのさらなる連携や取り組みの波及を目指しながら、ゼロ・エミッション社会の先にある美しい自然環境の保全や、クリーンで住みやすい持続可能な地域づくりの実現に向け、共創していく方針だ。