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電子制御サスのGセンサーを好感度化して制御を緻密に
新車外騒音規制の影響により消滅するのではと噂されていたGT-R。だが、2023年の東京オートサロンにおいて、前後バンパーをあらためたMY(モデルイヤー)24が発表となり話題となった。
エクステリア
そのMY24では規制に対応するためにマフラーを大型化し、排気の取り回しや消音室の拡大を行なったことが特徴のひとつ。だが、単に静かにするだけではなく、〝ジェットサウンドジェネレータ〞と名付けられたものをメインパイプが二分配される部分に備えることで渦を発生させ、心地良いサウンドを確保。これまで存在していた音量調整用のバルブは廃止とし、わずかながらに軽量化も実現した。さらに変更となったのは電子制御サスペンションのGセンサー性能を高感度化したことだ。これにより車両挙動をより緻密に把握することが可能となり、路面追従性が向上したところもポイントだ。
インテリア
エクステリアの変更はグリルメッシュのハニカム化、インテークスロープ角度とストロークの適正化、エアスプリッター断面最適化、エアガイド断面による整流効果、カナードとウイング形状の最適化を実施。フロントは大きく印象を変えた。一方でリヤはセパレーションエッジ断面とディフューザー断面の最適化が行なわれたほか、リヤウイングの後端が後方へと移動している。これらの変更による効果として全体的にダウンフォースが増している。
これまでとは違う爽快なサウンドにチューニング
エンジン始動直後の重低音がかなりカットされたと思われるMY24。触媒を温める間に行なわれるアイドルアップ時であったとしても、これまでのような音は感じられない。試しにブリッピングを繰り返してみるが、シュンシュンという音を残すのみといった感覚だ。だが、Rモードを選択すると明らかに音色が変化する。アクセルオフ時にはバブリングのような音が感じられる。これはBOSEと共同開発を行なったアクティブノイズコントロール(ANC)とアクティブサウンドコントロール(ASC)が行なう演出音である。
うれしい装備
走り始めて高回転まで引っ張ると、シャーという高音をマフラーが発していることが感じられる。「ジェットサウンドジェネレータ」と名付けるだけのことはあるのだと感心するばかりだ。さらにANC&ASCとの組み合わせにより、これまでとは違う爽快なサウンドが感じられるところが好感触。唸るような重低音は影を潜めたが、これはこれで大いにアリだ。エアロの変更やGセンサーの性能向上、さらには試乗したT-specならではのバネ下を軽くするカーボンブレーキによって、荒れた路面においてもフラットに突き進む感覚はこれまでになかった世界観だった。フルウェットのハイスピードワインディングであっても、まったく乱れずにトラクションを重ねていく進化も感じられた。
Country Japan Debut 2007年10月(24年モデル発表:23年3月) 車両本体価格 1375万円~2915万円
※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.151「2023-2024 スポーツカーのすべて」の再構成です。