日本レース界経験者が4名シーズンエントリー
FIAフォーミュラE世界選手権はバッテリーEVによるモータースポーツの最高峰に位置する世界選手権ということもあり、2014年の選手権発足当初から元F1ドライバーなどのビッグネームが参戦してきた。
現在進行中のフォーミュラEのシーズン10もF1経験者が名を連ねるなど、シーズンエントリーの顔ぶれは粒ぞろいとなっているが、22名のドライバーのうち日本でのレースを経験した者が4名いる。
今季第3戦ディルイーヤE-Prix終了時点でドライバーズランキングトップに立っているニック・キャシディ(ジャガーTCSレーシング)は、2015年に全日本F3選手権(現 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ)でチャンピオンを獲得すると、2016年からはスーパーGTシリーズGT500クラス、翌2017年からは全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)にステップアップ。GT500では2017年に平川亮とともに史上最年少のコンビ(ともに23歳)でドライバーズタイトルを獲得し、SFでも2019年にチャンピオンに輝くなど、日本のトップカテゴリーを制覇した。
フォーミュラEにはシーズン7から参戦しており、昨季は4勝を挙げるなどしてチャンピオンを争った。今季もここまでの3レースすべてで表彰台にあがるなど、強さを見せている。
キャシディのほかには、サッシャ・フェネストラズも複数年にわたり日本のレースを経験している。フェネストラズは2019年に全日本F3でタイトルを獲得、スーパーGT GT300クラスではニッサンGT-R NISMO GT3を駆り最終戦までタイトルを争う活躍を見せると、翌2020年にはトヨタ陣営からSFとGT500にステップアップ。2021年はコロナ禍の影響で日本への再入国が叶わずシーズンの大部分を棒に振ったものの、2022年にはSFでランキング2位につけた。
フォーミュラEではシーズン9からフル参戦を開始。今季もニッサン・フォーミュラEチームの一員として頂点を目指している。
かつてマクラーレンからF1に参戦し、フォーミュラEではシーズン8のチャンピオンを獲得したストフェル・バンドーン(DSペンスキー)も日本のレースに参戦していた。2015年にGP2シリーズ(現FIA F2選手権)を制した後、F1昇格前の2016年に1年間のみSFにエントリー。シーズン2勝を挙げるなど強い存在感を示した。
ダン・ティクトゥム(ERTフォーミュラEチーム)も2018年にSFにエントリー。ティクトゥムもまたF1ドライバー候補として日本に送り込まれたドライバーで、2018年シーズンは2戦にスポット参戦、翌2019年は開幕から3レースを戦った。
今季のフォーミュラEには日本人ドライバーは参戦していないが、実は結構な割合で日本のレースを経験したドライバーがいるのだ。
FIAフォーミュラE世界選手権 シーズン10参戦ドライバー
No. | Driver | Team |
11 | ルーカス・ディ・グラッシ | アプト・クプラ・フォーミュラEチーム |
51 | ニコ・ミュラー | アプト・クプラ・フォーミュラEチーム |
1 | ジェイク・デニス | アンドレッティ・フォーミュラE |
17 | ノーマン・ナト | アンドレッティ・フォーミュラE |
25 | ジャン・エリック・ベルニュ | DSペンスキー |
2 | ストフェル・バンドーン | DSペンスキー |
4 | ロビン・フラインス | エンビジョン・レーシング |
16 | セバスチャン・ブエミ | エンビジョン・レーシング |
33 | ダン・ティクトゥム | ERTフォーミュラEチーム |
3 | セルジオ・セッテ・カマラ | ERTフォーミュラEチーム |
9 | ミッチ・エバンス | ジャガーTCSレーシング |
37 | ニック・キャシディ | ジャガーTCSレーシング |
48 | エドアルド・モルタラ | マヒンドラ・レーシング |
21 | ニック・デ フリース | マヒンドラ・レーシング |
18 | ジェハン・ダルバラ | マセラティMSGレーシング |
7 | マキシミリアン・グンター | マセラティMSGレーシング |
5 | ジェイク・ヒューズ | NEOMマクラーレン・フォーミュラEチーム |
8 | サム・バード | NEOMマクラーレン・フォーミュラEチーム |
22 | オリバー・ローランド | ニッサン・フォーミュラEチーム |
23 | サッシャ・フェネストラズ | ニッサン・フォーミュラEチーム |
94 | パスカル・ウェーレイン | タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム |
13 | アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ | タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム |