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最後のソアラとなった4代目はコンバーチブルで登場
2001(平成13)年4月3日、トヨタの高級スペシャリティカー「ソアラ」の4代目(Z40系)が登場。初代ソアラは、1981年にデビューし、スポーティな高級車“ハイソカー”を代表するクルマとして大ヒット、その20年後に登場した最後のソアラ4代目は、電動式メタルトップの高級オープンクーペとなった。
高級車ながらスポーティさも兼ね備えて大ヒットした初代ソアラ
1981年にデビューした初代ソアラ(Z10系)は、スポーティな高級2ドアセダン“スペシャリティカー”の先駆けとして、その後バブル時代の象徴となったハイソカーブームの火付け役となった。
欧州車にも負けない高級スペシャリティカーを目指して開発されたソアラは、当時のあらゆる先進技術を結集し、国内最強の170psを発生する2.8L&2.0Lの高性能直列6気筒エンジンを搭載。さらに、デジタルスピードメーターやマイコン式オートエアコン、エア式のランバーサポートなど、国内初となる数多くのカーエレクトロニクスを装備し、豪華さと高級感を演出した。
ターゲットは40歳代以上のハイステータスのサラリーマンだったが、1980年代の絶好調の日本経済も後押しし、若者からも絶大な人気を獲得した。
2代目はバブル景気で人気を加速、3代目はバブル崩壊で失速
1986年に登場した2代目(Z20系)ソアラは、初代のキープコンセプトで、より洗練されたスタイリングとパワフルなターボエンジンを搭載。上品なスタイリングと力強い走り、そして先代を上回る先進技術満載の2代目ソアラは、バブル景気と重なったこともあり、400万円を超える最上級モデルが飛ぶように売れた。
そして、バブルが崩壊した1991年に3代目(Z30系)ソアラに移行。初代と2代目が採用した直線基調のフォルムを、フロントノーズからリアデッキにかけて曲面で構成されたフォルムに一新。また、3代目からは「レクサスSC」として北米に進出、グローバルなモデルと位置付けられた。
北米でレクサスSCは人気モデルとなり、レクサスブランドの知名度アップに貢献したが、日本ではバブルの崩壊によって高級車が飛ぶように売れた時代が終焉、厳しい販売を強いられることになった。
最後のソアラは電動メタルトップを採用
2001年に登場した4代目(Z40系)ソアラは、3代目以上に日本よりも北米をはじめとする海外市場を意識した高級クーペとなった。
流線型のフォルムに、パワートレインは当時のトヨタのフラグシップ「セルシオ」と同じ最高出力280psを発生する4.3L V8 DOHCエンジンと電子5速ATの組み合わせ。
最大の特徴は、電動で開閉できる“電動格納式メタル(アルミ)トップ”の採用で、約25秒でクーペ→オープン、オープン→クーペへと変身できるハードトップだ。
電動メタルトップ搭載の4代目は、シングルグレードで車両価格は600万円、ちなみに当時の大卒初任給は19.7万円程度(現在は、約23万円)だった。
この4代目を最後にソアラの名前は消滅。2005年に「レクサスSC」へ一本化されたが、そのレクサスSCも2010年に生産を終了した。
曲面を多用したグラマラスなコンバーチブルの4代目ソアラ、高級クーペとして魅力的ではあったが、初代や2代目の直線基調のシャープなソアラに憧れた昭和の人には、いささか違和感があったのではないだろうか。
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