F1「モナコGP」初開催!狭くて遅いけど注目度No.1!! インディ500、ル・マン24と並ぶ世界三大レース【今日は何の日?4月14日】

モナコGP
モナコGP(C)Creative Commons
一年365日。毎日が何かの記念日である。本日4月14日は、モナコのモンテカルロの市街地を激走するF1レースで、インディ500、ル・マン24時間レースと並ぶ世界三大レースのひとつ「モナコグランプリ」が初めて開催された日だ。
TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:AUTOSPORT、F1速報、レーシングオン

F1選手権の中でも人気の高いモナコGPが初開催

1929(昭和4)年4月14日、モナコ公国で行われる格式の高い、第1回モナコGPが開催された。モナコGPは、米国のインディ500、フランスのル・マン24時間と並び「世界3大レース」のひとつであり、モンテカルロ市街地コースで行なわれ、F1の中でも人気の高い名物レースだ。

アイルトン・セナ
アイルトン・セナはモナコGP5連勝!

F1およびモナコの象徴となっているモナコGP

モナコGPは、モンテカルロ市街地コースと呼ばれる公道を閉鎖した特設コースで行なわれ、F1の中で最も速度は遅いが、最も難しいサーキットと言われている。

ンテカルロ市街地サーキット
モナコGPのモンテカルロ市街地サーキット

一周3.34kmの周回コースを78周で競い、頻繁なシフトチェンジ、狭いコース幅、多くのブラインドコーナー、公道ゆえの凹凸など、本当に優れたドライバーだけに優勝することが許されるレースだ。1929年のこの日に開催された第1回は、ブガッティを駆けたウィリアム・グローバー・ウィリアムズが優勝を飾った。

モナコGP
モナコGP(C)Creative Commons

数々の歴史的な名勝負が繰り広げられているが、歴代最多優勝はアイルトン・セナで5連勝を含む6勝。続いて、ミハエル・シューマッハとグラハム・ヒルが5勝、アラン・プロストが4勝と、錚々たるドライバーたちが名を連ねる。
グランプリ期間中は、普段は3万人の小さなモナコ公国に、およそ20万人の観客が訪れるとされ、モナコGPは世界的な観光イベントにもなっている。

アイルトン・セナ
アイルトン・セナはモナコGP5連勝!

F1選手権発足はモナコGP開催の21年後

1906年のフランスグランプリを皮切りに、1920年代にはモナコGPを含め欧州各国で独自のグランプリレースが開催されるようになった。
1950年に、レギュレーションが統一されたことで、複数のレースにより構成される世界選手権が可能になり、同年5月13日に英国のシルバーストーンサーキットで史上初のF1世界選手権となる英国GPが開催された。この際、モナコGPも英国GP、イタリアGP、ベルギーGPと並んで同シリーズに組み込まれた。

第1回のF1レースでは、アルファロメオ158を駆けたイタリア人のジョゼッペ・フェリーナが見事栄光を勝ち取った。アルファロメオ158に搭載されたエンジンは、1.5Lの8気筒DOHCスーパーチャージャー付エンジンで、最高出力は185psを発生した。

「RA272」
4)初参戦した1964年ドイツGPのホンダ「RA271」。初優勝したのは翌1965年の「RA272」

日本メーカーが初めてF1に参戦したのは1964年のホンダで、記念すべき初優勝は、翌1965年のリッチー・ギンサーが駆けた「ホンダRA272」で、ホンダの技術力を世界に知らしめた歴史的な日になった。

インディ500は米国インディカー・シリーズの頂点に立つ人気レース

インディ500
2017年インディ500初優勝を飾った佐藤琢磨選手

インディカー・シリーズは、米国のフォーミュラカーレースの最高峰、なかでもインディ(インディアナ)500は1911年に始まった歴史ある人気レース。インディカーは、シャシーはダラーラ製のワンメイクで、エンジンはホンダ製とシボレー製の2択と、F1のように独自のチューニングをする部分が少なく、ドライバーの技術が問われるレースだ。また、コースが単純なオーバルなので平均車速が350km/h超(F1は、240km/h程度)と高いことが特徴で、佐藤琢磨選手が2017年と2020年にインディ500を制覇し、長いインディカーの歴史に日本人ドライバーとしてその名を刻んだ。

インディ500
2017年インディ500初優勝を飾った佐藤琢磨選手

ル・マン24時間レースは世界最高峰の耐久レース

ル・マン24時間レースが始まったのは、今から101年前の1923年。フランスの北西部に位置するル・マン市のサーキットで始まり、1周約13kmのコースを24時間でどれだけ多く走れるかを競う。
初回の優勝車の平均車速は約92km/h、ちなみに最近の優勝車の平均速度約220km/hなので、100年の間に、クルマが驚くべき進化しているのがよく分かる。

マツダ「787B」
1991年ル・マン24時間レースで優勝を飾ったマツダ「787B」

1991年に、マツダ(当時は東洋工業)のR26B型ロータリーエンジンを搭載した「787B」が、日本車初の総合優勝を達成。唯一量産化に成功したマツダのロータリーエンジンの性能と信頼性の高さを世界にアピールすることになった。

マツダ「787B」
1991年ル・マン24時間レースで優勝を飾ったマツダ「787B」

通常のサーキットとは違う、旋回するようなローズヘアピンカーブやトンネルを激走するモナコGP、一生に一度は生で観戦したいと思っている人も多いのではないか。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

800PS超の“Gen4”にホンダも熱視線!? F1関係者が東京E-Prixで覆された印象とあらたな興味

3月末に東京ビッグサイトを中心に開催されたFIAフォーミュラE世界選手権の第5戦東京E-Prix。電動モータースポーツの最高峰が日本初上陸するということで、実はホンダ陣営のF1関係者もお忍びで観戦に訪れ、フォーミュラEに対するかつてのネガティブな印象が覆されたという。また、大会直前に概要が発表された、最大出力600kW(約816PS)となる計画の第4世代マシン“Gen4”には、ホンダ内からも熱い視線が向けられているようだ。 Text:柴田久仁夫(SHIBATA Kunio) Photo:草皆茂則(KUSAKAI Shigenori)/Formula E/Red Bull

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竹村 純 近影

竹村 純

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までを…