最近どうも燃費が悪いような……改善方法ってある?【燃費を向上させる10の方法】

クルマは古くなるほど燃費も悪化していく。しかし、それ以上にクルマの使い方や運転方法に問題ある場合も多い。燃費を向上させるには、クルマの「状態」」「使い方」「運転方法」のそれぞれを見直すことが大切だ。どんなクルマにも効果がある、10の燃費改善方法を紹介しよう。

月に一度の空気圧チェック&低燃費タイヤへの交換

タイヤの日
空気圧不足のタイヤで走行することは、数%余計に燃料代を支払うことと同義だ。

タイヤの空気圧が30%減少すると燃費は2〜5%悪化し、適正値の半分ほどになると10%も燃費が落ちる。これは空気圧が減少するとタイヤが転がりにくくなることで、同じ速度で走行するのにより多くの燃料を必要とするためだ。

また、タイヤの空気圧は1カ月で5%ほど自然に減少するため、月に1度は空気圧の点検をしておきたい。自然減少を加味して指定空気圧よりも20〜30kPaほど高めに調整しておくとよいだろう。

より走行抵抗が少ないエコタイヤ(低燃費タイヤ)への交換も燃費改善に効果的だ。転がり抵抗ランクのCとAAAのタイヤを比べると、その燃費差は4%にものぼる。

ムダな荷物を降ろして軽量化

ルーフキャリア
日常的にルーフキャリアを利用する人は少ないはず。必要なときのみ使用し、普段は外してしまったほうが燃費にはよい。

クルマが重いほど、動かすのに多くの燃料が必要だ。クルマが100kg軽くなると燃費は3%向上する。クルマ自体を軽量化することは難しいが、不要な荷物を降ろすのは誰でもできるだろう。変化が感じ取れない量であっても、クルマを軽くすることは確実に燃費を向上させる。

ルーフキャリアやルーフボックスの装着は、車重だけでなく空気抵抗も増やしてしまう。空気抵抗は車速の2乗に比例して増えるため、使用頻度が少ないならルーフキャリアなどは基部ごと外してしまおう。

劣化したバッテリーやエンジンオイルを交換

エンジンオイル交換
エンジン性能の低下は燃費悪化に直結する。メンテナンスを怠ると燃費も低下しがちだ。

保守部品の劣化も燃費を落とす原因となる。目詰まりしたエアクリーナーや古くなって蓄電・放電性能が低下したバッテリー、劣化して潤滑性能が失われたエンジンオイルなどはその代表だ。これら定期交換な必要な部品等を交換すると、低下した燃費性能を回復させられる。

故障箇所は早めに修理

自動車整備
駆動系の劣化による走行抵抗の増加や、センサーの異常なども燃費に影響する。

走行に関わる部分の劣化や故障も燃費の悪化を引き起こす。タイヤホイールを支持するハブベアリングの摩耗やブレーキの引きずりなどの駆動系に生じる異常は走行抵抗が増えることで燃費を大きく低下させる。

O2センサーなどのエンジン部品の故障はもちろん、サーモスタットの固着といった冷却関係の不調も燃費悪化を招く。これらの故障は、症状が出ていても走行できてしまうため放置されがちな箇所だ。

急な燃費の悪化は、クルマのどこかに異常があるサインとも受け取れる。とくに古いクルマは大きなトラブルへと発展する前に修理をしておこう。

急発進&急加速を控える

アクセルペダル
エンジン出力をコントロールするアクセルペダルは、踏み込むほど燃費が悪化すると捉えてもよいだろう。

急発進や急加速をするためにアクセルペダルを早く大きく踏み込むと、クルマは燃料消費量を増やすように制御するため燃費は悪化する。発進時に急加速をしがちな人は、アクセルペダルをゆっくり踏み足すように操作するだけでおおよそ10%の改善が見込める。

ただし、あまりにゆっくりとした加速もかえって燃費効率を悪化させてしまう。燃費向上に最適なアクセル操作はクルマによって異なるため、なるべく少ないアクセル開度で、早く目標速度に到達できるようにペダルの踏み方を工夫してみよう。

一般道路40km/h・高速道路80km/hの経済速度を意識

スピードメーター
速度は早すぎても、遅すぎても燃費は悪化する。ただし、渋滞をつくらないために周囲の流れにあったスピードで走行するほうが優先だ。

スピードの出しすぎも燃費を悪化させる。タイヤの転がり抵抗は走行速度に比例して増え、空気抵抗は速度の2乗に比例して増大するため、燃費をよくしたいのなら交通の流れに合わせた速度に抑えるべきだ。

一般道路では40km/h、高速道路では80km/hがもっとも燃費効率のよいとされ、この速度は「経済速度」と呼ばれている。なるべく経済速度に近いスピードで走行する時間を増やすほど燃費効率もよくなる。

車間距離を長めに維持して緩やかなエンジンブレーキを活用

車間距離
広めの車間距離を維持することは、燃費改善に加え安全運転にも寄与する。

ムダな加速は燃費を悪化させるが、ムダなブレーキも再加速が必要になるため燃費悪化の原因をつくってしまう。不必要なブレーキを減らすためには車間距離を維持しておき、アクセルオフによるエンジンブレーキで速度調整をするのが効果的だ。

アクセルオフ時はほとんど燃料を消費しないようになっており、この緩やかなエンジンブレーキを上手く使えると燃費は約2%改善するとされている。ハイブリッドカーや電気自動車は、回生ブレーキによる発電も行われるため、モーターを使える時間が長くなることでさらなる燃費改善効果が見込める。

ムダなアイドリングをしない

アイドリングの排気ガス
ほとんどの都道府県でアイドリングストップ条例が定められている現在は、低負荷走行をしながらの暖機運転が望ましい。

アイドリング時もわずかではあるが燃料を消費する。10分間のアイドリングで約130ccの燃料を消費するとされ、燃料1Lあたり10kmを走行できるクルマであれば1.3kmぶんの燃料を捨てることになる。

燃費をよくしたいなら停車状態での長々とした暖機運転や、無意味なアイドリングは極力控えるべきだ。エンジン始動時の燃料消費量は約5秒間のアイドリングに相当するとされるため、5秒以上停車する場合はエンジンを停止したほうが燃費にとってはよいことになる。

渋滞路や混雑する時間帯を避ける

渋滞
渋滞走行時の燃費は極端に悪化する。カーナビゲーションシステムの渋滞予測なども活用しよう。

過度な低速走行も燃費によいとは言えない。とくに渋滞路や信号が多い道路は走行速度が低いうえ、長いアイドリングと停止状態からの加速の頻度も増えるため燃費は著しく悪化する。

混雑するルートや時間帯はなるべく避け、多少遠回りしてでも経済速度を維持しやすい道を選ぶのも燃費改善には有効だ。

満タン給油でムダな移動を減らす

セルフガソリンスタンドの給油作業
移動距離を減らすことは燃費数値には反映されないが、燃料消費量は確実に減る。

満タン給油も燃費改善に貢献する。燃料が少ない方がクルマは軽くなるが、それよりも給油のための移動に使う燃料のほうが多くなる。常に満タン給油をしておけば、給油回数を減らせるためムダな移動に燃料を消費せずにすむ。

そのほか道に迷ってウロウロするのもムダな移動といえるため、土地勘が薄い場所ではカーナビゲーションシステムを積極的に活用しよう。ムダな移動を減らす心がけも燃費改善には大切だ。

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