【このキャンピングカーが欲しい!】こんなキャブコン見たことない! 常識を打破したホテルのような居住空間が新しい

RVトラスト TR500C-LH
RVトラスト TR500 C-LH 4人乗り仕様(車両本体価格:750万円/展示車価格:919万590円)
数多くのキャンピングカーを取材してきた山崎友貴さんをして「これは斬新!」と引き寄せられたのが、RVトラストのTR500 C-LH、その4人乗り仕様だ。今までのキャンピングカーの常識にとらわれない室内空間は、まるで高級ホテルの一室を思わせる。

TEXT●山崎友貴(YAMASAKI Tomotaka)
PHOTO●Motor-Fan.jp

室内の両側に常設ベッドを配置。オーバーヘッドコンソールも最小限に|RVトラスト TR500C-LH 4人乗り仕様

国産キャンピングカー市場が成熟するにつれ、その居住空間は個性的なベクトルへと進んでいる。他社とはいかに違うかがポイントとなり、それがインテリアのトリムだったり、レイアウトだったりと、各社とも知恵を絞っているようだ。

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個性的と言えば、このキャブコンほど斬新なモデルはかつてあっただろうか。外観こそトヨタ・ハイエース ワイド ロングをベースにしたよくあるキャブコンだが、一歩車内に入ると必ず驚くだろう。

RVトラスト TR500C-LH
RVトラスト TR500 C-LHのボディサイズは全長4975mm×全幅2100mm×全高2830mm。キャブコンでありながら全長が5mを切っているのがうれしい。

そこはまるで、ホテルの一室なのである。TR500 C-LHは従来から存在したモデルだ。これまでは2人乗りに特化したキャピングカーだったが、写真で紹介するNEWモデルは4人乗りに進化。片側の常設ベッドに、新たに2名分の背もたれ、肘掛け、シートベルトが奢られ、後部車内に+2名が乗車できるようになったのである。

RVトラスト TR500C-LH
室内の両側に1900×750mmの常設ベッドを2名分配置する。

この背もたれと肘掛けのおかげで、従来よりもさらに車内がラグジュアリーに。2人掛けのソファーシートになるだけでなく、それぞれのベッドにひとつずつ配置すれば、ゆったりと脚を伸ばしてくつろげるカウチにすることもできるのである。

RVトラスト TR500C-LH
クッションの位置はアレンジ可能。2名が横並びで座るレイアウトにも変更できる。

間接照明の効果もあって、まさにそこはシンプルモダンなホテルの一室。車窓に美しい夜景でも映っていれば、もう舞台は完璧である。なぜこのモデルが、このような雰囲気を醸し出しているのか、実はある要因がある。それはオーバーヘッドコンソールを最小限にしていることだ。

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一般的なキャブコンは、空いている頭上スペースに収納を付けるのが常套手段だが、これが圧迫感の原因になっているのもたしか。同モデルはエアコン脇にのみコンソールを付けることで、すっきり広々した空間を実現させている。

RVトラスト TR500C-LH
室内奥の上部には家庭用エアコンを装備。カバー付きで写真のようにその存在を隠すこともできる。エアコン以外は、頭上スペースに何もないのがわかる。

ちなみに、就寝スペースはツインベッド(1900×750mm)にバンクベッド(大人1名か子供2名。マットはオプション)を加えた3人仕様。オプションのマット(8万5000円)をベッドの間に加えると、全幅1850mmの広いベッドに変えることができる。寝相の悪い人などにはオススメだ。

ただし、便宜上は4人乗車だが、理想は2名で使うことには違いない。2名であれば、収納が少なくともバンクを物置きにすることができるし、ツインベッドならパーソナルスペースの確保も問題ない。上質空間を保ったままで、快適な旅ができるだろう。

RVトラスト TR500C-LH
バンク部分には大人1名か子供2名が就寝可能。

では、装備を見てみよう。小型だが実用的なギャレーに、45ℓのベッドサイド冷蔵庫、電子レンジ、それに家庭用エアコンと快適装備は万全だ。正面に断熱材、カーテンも問題ない。サブバッテリーは100Ahが1個で、3個まで増設することができる。TVモニターもフリースペース(取材車両はレスオプション)が標準装備となっている。

RVトラスト TR500C-LH
サイドの入り口付近に小型のギャレーを採用。その下に電子レンジも標準装備。また、横には折りたたみ式テーブルが備わる。
RVトラスト TR500C-LH
常設ベッドから手が届きやすい位置に冷蔵庫を配置。上側は引き出し式のテーブルになっている。

車両構造は、ハイエースの後部を切断して、FRP製キャンパーシェルを被せているのだが、ボディ剛性を確保するために鋼製スペースフレームがインストールされている。走行中の剛性不足を感じることは、まずないだろう。サイドのドアにはイージークローザーが付いているのも嬉しい。

価格は2WDが750万円からで、いろいろ付けると900万円くらいになってしまう。車内でゆったりと食事をしたりするダイネットはないものの、別にテーブルを持ち込んでもいい。この雰囲気と空間には、かなりの価値があると思ってしまうのは僕だけだろうか。

RVトラスト TR500C-LH
展示車はフリースペースを取り除き、その代わりにペット用ケージのスペースが設けられていた。
RVトラスト TR500C-LH
運転席と助手席の間にはペット用シートも備わる。

RVトラスト TR500C-LH 4人乗り仕様

■車両本体価格:750万円/展示車価格:919万590円
■ベース車両:トヨタ・ハイエース ロング ワゴンGL
■乗車定員/就寝定員:4人/4人
■展示車のオプション装備:バンク&補助マット 19万300円/リヤ&バンク窓 18万2600円/オーニング&ポーチランプ 16万8300円/延長ドアミラー&電動ステップ 25万6300円/ワンちゃんシート 5万8300円/FFヒーター&MAXファン 30万2500円/インバーター&サブB/T 21万2300円/ナビETC&Fマット 18万7990円/タイヤアルミ&スペーサー 27万5000円/フリールームレス ▲14万3000円

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著者プロフィール

山崎友貴 近影

山崎友貴

SUV生活研究家、フリーエディター。スキー専門誌、四輪駆動車誌編集部を経て独立し、多ジャンルの雑誌・書…