これが世界のコンパクトSUVだ!トヨタ ヤリスクロス vs. 日産キックス 日本で使うならどっちを選ぶべき?

ヤリスクロスとキックスは、どちらも世界戦略車として開発されたコンパクトSUVだ。両車とも多くの国で販売されるなか、ヤリスクロスは欧州で、キックスは南米でとくに高い人気を誇る。国内販売台数ではヤリスクロスの圧勝だが、総合的な性能では五分五分だ。細かなスペックを比較して、それぞれどのようなシーンに適しているかハッキリとさせてみよう。

TOYOTA YARIS CROSS
×
NISSAN KICKS

車内空間の広さと快適性はキックスが圧勝! 

両車のボディサイズは、キックスのほうが100mmほど全長が長いだけで大きな違いはない。しかし、後席の使い勝手は大きく違う。

キックスのほうが後席ドア開口部上側が横に広く確保されており、乗り降りしやすい。後席の膝周り空間が広いのも明らかにキックスのほうだ。荷室空間もキックスの長い全長が活きているうえ、内装デザインもスッキリとしている。

さらに、プラス20万円の費用で「ツートーンインテリアエディション」を選べるキックスは内装色の選択肢も広い。車内のデザインやユーティリティに関してはキックスの圧勝だ。

トヨタ ヤリスクロス ハイブリッドZ
ボディサイズ=全長4180mm×全幅1765mm×全高1590mm
ホイールベース=2560mm
車両重量=1190kg
タイヤサイズ=215/50R18(前後)

日産 キックス X
ボディサイズ=全長4290mm×全幅1760mm×全高1605mm
ホイールベース=2620mm
車両重量=1360kg
タイヤサイズ=205/55R17(前後)

燃費性能の高さでパワートレインはヤリスクロスが優位

両車のエンジン出力は同程度だが、搭載されるハイブリッドシステムは大きく異なる。ヤリスクロスはエンジンとモーターを使い分ける「THS-II」であるのに対し、キックスはエンジンで発電しモーターのみで走行する「e-POWER」だ。

モータートルクが大きいキックスのほうが発進加速は力強い。しかしWLTCモード平均燃費はヤリスのほうが27.8km/L(Zグレード)と優れる。キックスは23.0km/L(Xグレード)にとどまるうえ、高速回転するほど効率が低下するモーター駆動の特性上、速度が高まるほどヤリスクロスとの燃費差は開いていく。

また、キックスはe-POWERのみの設定となるため、ヤリスクロスのようにガソリン仕様は選べない。両車ともに4WDの設定はあるが、E-Fourのヤリスは燃費の落ち込みが少ないうえ、オフロード走行でも高い性能を発揮する。

トヨタ ヤリスクロス ハイブリッドZ
エンジン形式=直列3気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1490cc
最高出力=91ps/5500rpm
最大トルク=120Nm/3800-4800rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=2WD(FF)

日産 キックス X
エンジン形式=直列3気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1198cc
最高出力=82ps/6000rpm
最大トルク=103Nm/4800rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=2WD(FF)

街乗りにベストなキックス vs.総合力が光るヤリスクロス

価格はキックスのほうが28万円ほど高いが、モータードライブならではの滑らかな走りと静粛性に加え、乗降性のよさが街乗りで最大限に活きてくる。一方のヤリスクロスは、グレードの選択肢の広さを含めた総合力に加え、コストパフォーマンスの高さも魅力だ。

ヤリスクロスもキックスも、欧州仕様と同じく前後ディスクブレーキと5穴ホイールが装備されるため、足回りの堅牢性に関しては両車とも1クラス上の安心感が備わっている。

用途に応じて選び分けるのが適切だが、どちらも街乗りから高速道路まで幅広く使えるクルマであることは間違いない。内外装の好みだけで選んでも後悔はしないはずだ。

車両本体価格

キーワードで検索する

著者プロフィール

ピーコックブルー 近影

ピーコックブルー

クルマやバイクの分野では日本最大級の記事配信数を誇るコンテンツ・プロダクション。ビギナー向けのやわ…