ヨーロッパ車から国産車まで200台!!『Tipo』創刊400号記念『Tipo 400th Anniv. New Year Meeting』には旧車・希少車・珍車が大集合!

2025年1月26日、神奈川県川崎市の「Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu」横広場と「等々力球場」前広場を会場に、自動車雑誌『Tipo』(カルチュア・エンタテインメント/ネコ・パブリッシング事業部)の創刊400号記念を祝う『Tipo 400th Anniv. New Year Meeting』が開催された。長年イタリア車&フランス車のエンスージアストに愛され続けてきた『Tipo』の祝賀イベントを今回はリポートする。
REPORT&PHOTO:山崎 龍(YAMAZAKI Ryu)

『Tipo』創刊400号記念読者ミーティングが開催!

1989年にネコ・パブリッシング(現在はカルチュア・エンタテインメント/ネコ・パブリッシング事業部)により創刊された自動車専門誌『Tipo(ティーポ )』が、2025年1月6日に発売された2025年2月号で創刊400号を迎えた。

これを記念して2025年1月26日(日)に、神奈川県川崎市の複合スポーツ施設「Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu」横広場と隣接する「等々力球場」前広場を会場として『Tipo 400th Anniv. New Year Meeting』が開催された。

ミーティングには『Tipo』を愛してやまない読者の愛車200台以上がエントリー。「ラテン車」や「イタ・フラ車」などの言葉を生み出した同誌だけあって、集まったクルマのうち台数がもっとも多かったのはイタリア車とフランス車だったが、イギリス車やドイツ車、スペイン車などの欧州車が多数集まった。

さらに、過去には姉妹誌の『J’s Tipo(ジェイズティーポ)』(現在は休刊)も刊行しており、トヨタ・スプリンタートレノ(AE86)やいすゞ・ピアッツァなどのメジャーな車種から、珍しいところは新車時からワンオーナーで走行36万kmを数える日本フォード・フェスティバ、2024年の「さいたまイタフラミーティング2024」のリポートでも紹介したトヨタ・スターレット・リミックス、2年9ヶ月の生産期間に380台がラインオフしたに留まるダイハツ・リーザ・スパイダーといった希少車のエントリーもあった。

また、今回のミーティングでは、 『Tipo』編集部が制作に携わったプレミアム書籍『The GT-R “My philosophy and my original technologies”』(著:水野和敏。全冊シリアルナンバー刻印入り。価格22万円)の出版を記念して会場の一角ではGT-Rミーティングも開催された。

企業ブースやスワップミートも大盛況!

初代のNAから現行のNDまで並ぶマツダ(ユーノス)・ロードスター。

出展エリアではマツダによる歴代ロードスターのほか、フィアット、アバルト 、ルノー、モーガン、ケータハム などのメーカー&インポーターの協賛によりニューモデルが並べられ、パーツメーカーやショップによる製品やデモカーの展示が行われた。

ヨシムラ&TEINブースの正面にスーパーセブンと共に並べられたジネッタG4。

ほかにも車にまつわるグッズやミニカー、パーツ、本、雑貨などお宝アイテムがいっぱいのスワップミート、暖かい食べ物や飲み物が楽しめるキッチンカーエリアも充実。『TIpo』読者のエンスージアストのみならず、一緒に来場した家族や友人も楽しめる内容となっていた。

ジネッタのエンジンルームに収まるコスワースBDRエンジンに組み合わされるのは4輪用ヨシムラTMRキャブレター! 足まわりにはTEINの車高長が組み合わされていた。

また、イベント当日はレーサー鹿島さんがパーソナリティをつとめるラジオ番組『FM ドライバーズミーティング』の公開収録やYouTubeチャンネル『YU.SR500/愛車のある暮らし』で人気のヤマハSR500に乗る女性クリエイター・YUさんによるライブ配信も行われ、会場の楽しい雰囲気が来場できなかった人にも伝わるコンテンツも用意されていた。

カーコーティングやタイヤ&ホイール、車両保管、陸送などを手がけるアベイユは「アベイユレーシングチーム」としてK4GPに参戦したケータハム・セブン160を展示。写真のカーボンパーツは同社で取り扱う製品。

ここでしか聞けない会場限定マル秘トークショー

元F1ドライバーでレーサーの佐藤琢磨さん(中央)をゲストに迎えてのスペシャルトークショー。

『Tipo 400th Anniv. New Year Meeting』は特別ゲストを招いたステージイベントも充実していた。イギリスF3参戦時からTipoとの縁がある元F1ドライバーでレーサーの佐藤琢磨さんのスペシャルトークショー、GT-R開発で知られる水野和敏さんとGT-Rのテストドライバーを務めたレーサーの鈴木利夫さんによる『The GT-R “My philosophy and my original technologies”』出版記念トークセッションが行われた。

水野和敏さん(中央)と鈴木利夫さん(左)による『The GT-R “My philosophy and my original technologies”』出版記念トークセッション。

また、現役・OBの『Tipo』スタッフによる「Tipo創刊400号歴代スタッフ大集合!」と題したトークショーには、初代編集長の山崎憲治さん、2代目編集長の嶋田智行さん、現編集長の佐藤孝洋さん、現編集部員の“ナカジ~”こと中島秀之さん、現在モータージャーナリストとして活躍中の石井昌道さん、山田弘樹さん、まるも亜希子さん、『J’s Tipo』OBの橋本洋平さん、編集部OBの三宅康朗さんがパネラーとして参加。現役時代を振り返ってのぶっちゃけトークに集まった読者の笑い声が絶えなかった。

現役&OBスタッフによる「Tipo創刊400号歴代スタッフ大集合!」トークショー。左後列から右へ、橋本洋平さん、山田弘樹さん、佐藤孝洋さん、三宅康朗さん、まるも亜希子さん、石井昌道さん、中島秀之さん、嶋田智行さん、山崎憲治さん。

今から20年ほど前、ステージ上の全員が現役のスタッフだった当時の今だから話せる裏話を披露。毎号の地獄の進行に「凸版印刷からは入稿の遅さに『週刊誌じゃないんですよ!』と怒られた」との話も飛び出した。じつは筆者も一時期『J’s Tipo』に在籍しており、発売日5日前の深夜に嶋田さんに頼まれて『Tipo』の原稿をピンチヒッターとして手伝ったことも……。あの入稿スケジュールでなんで無事雑誌が出たせたのかは今もって謎です。

豪華景品が当たる恒例のじゃんけん大会も開催。

そして、イベント恒例の豪華景品の当たるじゃんけん大会を最後にイベントは無事終了。『Tipo』は創刊300号から隔月刊となっているため、次回の創刊500記念ミーティングは早くて16年後になる。しかし、『Tipo』は読者との距離の近いことでも知られているように、今年もさまざまなイベントが企画中とのことなので、興味のある方は雑誌をマメにチャックしてイベント告知を見逃さないようにしてほしい。なお、今回のイベントの模様は3月6日発売の2025年にアフターリポートが掲載されるので、ぜひ書店などで手にとってご覧になって頂きたい。

写真で紹介! ミーティングにエントリーした名車の数々

「なんでここに?」と、驚いたランボルギーニ・カウンタックLP500プロト……ではなく、じつはMR-Sベースの忠実なレプリカ。
カウンタックLP500プロト・レプリカのリヤビュー。 完成度は極めて高く、ルーフのペリスコープミラーも再現。エンジンフードの金網越しにエンジンルームを覗くと、見慣れたトヨタ製1ZZ-FE型エンジンが見える。
シザーズドアも完璧に再現されている。
カウンタックLP500プロト・レプリカのコクピット。こちらも本物と見分けがつかないほど。
WRC参戦のためのホモロゲーション取得するべく、グループBの生産台数規定に従い200台が生産・販売されたプジョー205ターボ16。
エンジンフード開いた状態のプジョー205ターボ16のリヤビュー。1775cc直列4気筒DOHCターボエンジンを横置きミッドシップにレイアウトしている。駆動方式はフルタイム4WDとなる。
『Tipo』は『Car Magazine』とともに日本でスーパーセブンのファンを増やした立役者ということで、この日はケータハムを中心にセブンファミリーが大集合。
ケータハムかバーキンかと思って近づいてみると、セブンファミリーでも珍しいフレイザー・クラブマン。おそらくはMk.1か?
フレイザー・クラブマンのリヤビュー。フレイザーはニュージーランドでニアセブンを製造するメーカー。日本ではゴールドオートが輸入元となる。
フロントノーズに輝くフレイザーのバッジ。
『新世紀エヴァンゲリオン』ファンの間では登場人物のひとり「葛城ミサト」の愛車としてもお馴染みのアルピーヌA310。
「縦サンク」こと初代ルノー5(左)と派生車種でミッドシップ化されたラリーウェポン、ルノー5ターボ (右)。
1961~1978年にかけて生産されたシムカ1000。2023年「さいたまイタフラミーティング2023」で紹介したシムカ1200SのベースとなったRRレイアウトの小型セダン。
2023年の『さいたまイタフラミーティング』のシムカについてはこちら。
1980年代のシトロエンを代表する傑作5ドアハッチバックのBX。
コンパクトスポーツハッチとして日本でも人気だったプジョー 106。
現行型ジュリアが登場するまでアルファ最後のFRスポーツセダンとされ、いまだに高い人気を誇るアルファロメオ75。
ベスパでお馴染みのピアジオが小口配達用に生産していたピアジオAPE。惜しまれつつ 2024年(!)に生産を終了した。日本では排気量50ccのためミニカー登録となる。
スペインのホットハッチ2010年型セアト・レオン・クプラR。このような珍しいクルマが姿を見せるのも『Tipo』のミーティングならではの光景。
「カニ目」ことオースチン・ヒーレー・スプライトをベースに、空力に優れるフロントフェイスキットに交換し、ファストバックタイプのハードトップを装着したアシュレイ・スプライト。
戦前から続くMG Tシリーズの戦後型で1950年にデビューしたMG-TD。1980年代にリプロ生産されたTD2000、VWビートルをベースにしたレプリカのMPラッフェルなどもあるが、こちらはオリジナル。
ドイツのコーチビルダーであるカルマンが企画し、イタリアのカロッツェリア・ギアがスタイリングとボディ生産を手掛けたVWカルマンギア。VWタイプIベースのスタイリッシュなクーペ。
ジョルジェット・ジウジアーロがスタイリングを担当した国産車きっての美しいクーペのいすゞ・ピアッツァ。1981年から10年渡って生産された。写真の車両は初期に生産されたモデルのようだ。
1980~1990年代前半に一世を風靡した日本フォードのベストセラー・初代フェスティバ。写真の車両は新車時からワンオーナーで走行36万kmを数えるという。ファミリアのパーツを利用してエンジンを1600ccにスープアップしているとのこと。
1991年11月に登場したリーザ・スパイダーはフェロー・バギー以来、22年年ぶりとなるダイハツのオープンモデル。企画時にホンダが軽オープンカーを開発中という情報をダイハツは察知していたが「どうせトゥデイの屋根を切ったモデルだろう」と高を括って、そのままリーザベースの本車の開発を進める。だが、デビューの半年前に軽とは言えミドシップ&オープンスポーツカーのビートが138万円のプライスで登場。本車は約半年遅れ、しかも145万円で販売を開始。のちにダイハツ開発関係者に話を訊いた際には「ああ、やられた。デビュー前から勝負は決まってましたよ」との弁。生産期間2年9ヶ月、総生産台数380台に留まった。

キーワードで検索する

著者プロフィール

山崎 龍 近影

山崎 龍

フリーライター。1973年東京生まれ。自動車雑誌編集者を経てフリーに。クルマやバイクが一応の専門だが、…