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トゥイーターの守備範囲を中音域まで広げる
スピーカーはセパレート式の場合、トゥイーターを前方の上の方、ウーファーをフロントドア下に設置するのが一般的。これは音の位置を感じるのは高い周波数の音なので、トゥイーターはしっかりと定位を意識した位置に配置する。しかし、ウーファーの受け持つ低い周波数には割と方向性を感じにくいため、ある意味どこでもいいという考え方でもあった。

ワイドレンジでハイレスポンスが自慢のユニット。ワイドレンジ化されたトゥイーターは、チタン製ダイヤフラムの採用などでハイレスポンスも実現。ワイドレンジに対応しながらも、高音域を犠牲にしない構造へ。
ウーファーが今まで担っていたのは中〜低音。それは、トゥイーターの特性を高めるという狙いもあって、高域に振るかたちでの開発がなされてきた結果でもあった。しかし、オープン&スムーズの考え方では、トゥイーターに高〜中音域まで担当させる。この狙いこそ、フルモデルチェンジによる端的な違いになる。
高くワイドに広がる音場を実感
人が聞きやすい音域はだいたい2000〜4000Hzといわれているが、これまでのシステムではこの音域が抑えられ気味だった。それをこれまでよりもやや低めの周波数からトゥイーターに担当させることで、この領域の音がしっかり出るようになっている。人にとって聞きやすい音域であるからこそ、実際の数値以上にクリアな音になった印象があるのだ。
トゥイーター自体は、ワイドレンジ化に伴ない口径をこれまでよりも低い周波数が出しや水、従来の25mmから36mmへと拡大された。さらに、従来は上下方向の調整だけが可能だった支持部をボールジョイント化することで、左右方向の調整も可能とした。そのため、設置してからのチューニングがしやすくなっている。
実際にでもカーでそのサウンドを聴いてみると、音場が極めてワイドでボーカルも高い位置で定位している。もちろんデモカーなりの設定によるところも大きいが、狙いに応じた音場作りがしやすいのが、このカスタムフィットスピーカーの魅力といえる。それぞれの音楽ソースの能力を、さらに忠実に表現できるポテンシャルにこそ注目だ。
