北極圏での走行テストを実施した、新型のメルセデス・ベンツ・バンシリーズは、モジュール式で柔軟性と拡張性に優れたメルセデス・ベンツ・バン・アーキテクチャーをベースに開発される。

2026年からは、メルセデス・ベンツ・バンがバン・エレクトリック・アーキテクチャー(VAN.EA)の完全電気自動車モデルが発売され、その後、最先端の内燃機関を搭載したバン・コンバッション・アーキテクチャー(VAN.CA)が展開される。駆動方式に関わらず、この新しい車両アーキテクチャにより、高級セグメントの個人向けバンとプレミアムセグメントの商用トランスポーターが明確に差別化される。

個人向けバンのラインナップは、高品質なファミリーカーやVIP専用シャトル、広大なスペースを備えた豪華なリムジンなど、そのラインナップは多岐にわたる。スウェーデンのアルジェプラグで実施された将来の多目的車(MPV)の冬季テストにより、極端な気候条件にも耐えることが保証されている。

北極圏付近でのテスト走行は、多数の気候帯とテストルートを網羅する包括的なテスト計画の一部として実施され、特に車両のダイナミクスとESPなどの安全システム、そして広々とした車内の換気と暖房について検証された。こうした極寒の環境は、開発の完成に向けて貴重な洞察をもたらし、バンを再発明する過程における次の大きなマイルストーンとなる。

寒冷地でのテストの主な目的のひとつは、滑りやすい路面状況での車両の挙動を分析することにある。乾いたアスファルト路面と比較すると、氷上や雪上ではグリップレベルが最大90%も低下するため、加速、制動、方向転換に大きな影響が及ぶ。しかし、メルセデス・ベンツの革新的なサスペンションシステムにより、新型MPVでは素晴らしいドライビング体験が保証されている。リヤアクスルステアリングによりハンドリングが向上し、最小回転半径が大幅に縮小されている。

新しい電気アーキテクチャにより4MATIC搭載モデルも可能になり、四輪駆動により車両の用途が大幅に拡大するだけでなく、天候条件に関係ない優れた走行性能を発揮する。すべての車両には、最新のメルセデス・ベンツ・オペレーティング・システム(MB.OS)が搭載され、800ボルトのDC充電システムと22kWのAC充電器も装備される。

車両の温度管理と車内の快適性にも重点が置かれ、極低温でもすべてのシステムがスムーズに動作するように、走行開始前に特別な低温室で冷却される。充電時の挙動と充電管理も徹底的にテストされ、最適化されている。


























