RFY Figaro GT2000
強烈なエアロスタイルとなっているフィガロを製作したのは兵庫県にあるR.F.Y、レーシングファクトリーヤマモト。ホンダNSXやS2000のエアロパーツ製作やチューニング、レーシングカー製作を得意としているプロショップなのだが、なぜフィガロを持ち込んだのだろう。R.F.Y代表取締役の山本勝也さんにお話を聞けば、フィガロは完全に趣味のクルマなのだそう。知り合いのショップに頼まれてフィガロのパーツを製作しているうちに自分でも欲しくなり入手したものの、納車直後にエンジンブロー。そこでカスタムすることを思い立ったそうだ。
エンジンがブローしてしまったことで自ら得意としているホンダS2000のエンジンや駆動系を用いてカスタムできないか考えた山本さん。そこでフレームを作り直してフィガロのボディを載せてしまえばいいと行動に移すことになる。どうせなら「ビジュアルがファッションのように自己表現できる」と考え、ボディも純正ではなくGTマシン風にアレンジすることにした。だから前後フェンダーや各スポイラー、ステップなどを自分好みのスタイルで製作。こうして出来上がったのが、このスタイルというわけなのだ。
S2000のエンジンや駆動系はフィガロのホイールベースに合わせてプロペラシャフトを短縮。ワイドなトレッドもブリスターフェンダーでカバーすることに。ただ、フィガロのフレームではF20Cエンジンのパワーを伝えきれない。そこでラダーフレームを製作してS2000のパワーユニットを搭載した。ここまでやったのだからとサスペンションはフォーミュラマシンのようにプッシュロッド方式にまでしている。見た目だけではなく、しっかりサーキット走行が楽しめるマシンに仕上がっているのだ。
室内を見ると、このフィガロがまさにレーシングカーであると実感できることだろう。ラダーフレームはエンジンや駆動系を支持できるものの、上から被せただけだからボディ剛性が足りない。そこでロールケージのようにパイプを張り巡らせて補強してあるのだ。またエンジン搭載位置がフロントアクスルより後方になったことで運転席も後退している。ここまですることでフィガロのボディを加工することなく、オリジナルフレームに載せることが可能になったのだ。
1分の1のおもちゃ感覚で楽しんだ、完全にビジネス抜きの趣味車。見ても乗っても実に楽しそうだ!