改良型マツダ・ロードスターRF RS vsホンダS2000ワインディング試乗インプレ:「ゆっくり流して楽しいロードスター」「飛ばして楽しいS2000」は本当か?

改良型マツダ・ロードスターRF RS vsホンダS2000ワインディング試乗インプレ:「ゆっくり流して楽しいロードスター」「飛ばして楽しいS2000」は本当か?

マツダ・ロードスターRF RS(左)、ホンダS2000(右)
マツダ・ロードスターRF RS(左)、ホンダS2000(右)
2021年12月16日の商品改良で「KPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)」が実装され、人馬一体の走りにますます磨きがかかったマツダ・ロードスター。その中で最も硬派かつ高性能な「RF RS」のオープンエアモータリングは、同じ2.0LクラスのFRオープンカー・ホンダS2000とどう違うのか? かつて初代ロードスター1.6L初期型を免許取り立ての頃に約2年、後にホンダS2000を2台12年乗り続けている筆者が、伊豆スカイラインで比較した。

REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
PHOTO●遠藤正賢、マツダ
マツダ・ロードスターRF RS
マツダ・ロードスターRF RS

では、肝心の走りはどう違うのか。ロードスターRF RSに試乗し始めてすぐに感じたのは、サスペンションが途轍もなくしなやか、ということだ。テスト時の気温は0℃近くタイヤも冷え切っていたが、そんな状況で荒れた路面をゆっくり走っても車体がほとんど揺すられない。

ロードスターRF RSのテスト車両は前後とも205/45R17 84Wのブリヂストン・ポテンザS001を装着

タイトコーナーを旋回しても、たとえKPCがオフであっても、オンであればなおのこと、車体のロールは巧みに抑えられ、粘り腰のコーナリングを見せてくれる。さらにその途中で大きな凹凸に遭遇しても、挙動が破綻する気配を全く見せず、絶大な安心感をもってワインディングを楽しむことができた。


ホンダS2000ジオーレ
ホンダS2000ジオーレ

この完璧と言って差し支えないロードスターRF RSと比較すると、片や新車、片や6万2000kmを走った19年落ちの低年式車ということを差し引いてもなお、S2000の乗り心地とハンドリングは古くさいと評価せざるを得ない。低速域で荒れた路面に遭遇すれば、「ドン、ガタン、スタン」と音を立てながら車体が左右に揺すられ、乗員は強い突き上げに見舞われる。

筆者のS2000はフロント205/55R16 89V/リヤ225/50R16 92Vのダンロップ・ディレッツァZ3を装着

コーナリングに関しても、専用設計の新車装着タイヤに対し現在のタイヤはサイドウォールの剛性が低いのか、筆者のS2000はロールスピードが早い。しかもステアリングギヤレシオは13.8:1とクイックで、かつ限界域の挙動はややピーキーなため、ペースを上げれば上げるほど繊細な操作を余儀なくされる。


184psと205Nmを発するロードスターRF RSのPE-VPR[RS]型2.0L直4NAエンジン
184psと205Nmを発するロードスターRF RSのPE-VPR[RS]型2.0L直4NAエンジン

エンジンに関しても同様の傾向で、ロードスターRF RSのPE-VPR[RS]型は、2018年6月の商品改良で、最高出力が158ps/6000rpmから184ps/7000rpm、最大トルクが200Nm/4600rpmから205Nm/4000rpmとなり、レブリミットは6800rpmから7500rpmに引き上げられているが、それでもフラットトルクで扱いやすい特性は保たれている。そして高回転域まで回した時のサウンドはなかなかの快音だ。


250psと218Nmを発するS2000のF20C型2.0L直4NAエンジン
250psと218Nmを発するS2000のF20C型2.0L直4NAエンジン

対してS2000のF20Cは、最高出力250ps/8300rpm、最大トルク218Nm/7500rpm、レブリミット9000rpmという、レーシングカーもかくやの超高回転高馬力型。可変バルブタイミング&リフト機構「VTEC」のカム山が切り替わる5800rpmより低い回転域はトルクが細く、頻繁なシフトチェンジを余儀なくされるものの、ハイ側に切り替わると急激に加速力が増し吹け上がりが鋭くなり、サウンドも甲高いレーシーなものに一変する。その様は暴力的とさえ形容できる類のもので、御するには相応の技量が要求されるものの、引き換えに得られる快感は他の何物にも代えがたい。

なお、今回のテストでは両車とも常時オープンで走行したが、オープンカーとしての爽快感は、室内の開放感と同様にS2000の方が数歩上手。しかしこれは、ロードスターがソフトトップ車だったとしても大きな違いはなく、S2000のパッケージングの巧みさを改めて実感せずにはいられなかった。

こうしてロードスターRF RSとS2000を直接比較すると、両車の性格は近いようでいて、概ね「ゆっくり流して楽しいロードスター」「飛ばして楽しいS2000」という通説通りだったと結論付けられる。だが、敢えて異論を唱えるならば、「速度域を問わず上質な“人馬一体”の走りを楽しめるロードスター」「気難しいが極上の刺激と開放感を味わえるS2000」と表現するのが、より正確ではないだろうか。


マツダ・ロードスターRF RS
マツダ・ロードスターRF RS
■マツダ・ロードスターRF RS(FR)
全長×全幅×全高:3915×1735×1245mm
ホイールベース:2310mm
車両重量:1100kg
エンジン形式:直列4気筒DOHC
総排気量:1997cc
最高出力:135kW(184ps)/7000rpm
最大トルク:205Nm/4000rpm
トランスミッション:6速MT
サスペンション形式 前/後:ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ 前後:ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ:205/45R17 84W
乗車定員:2名
WLTCモード燃費:15.8km/L
市街地モード燃費:11.8km/L
郊外モード燃費:16.0km/L
高速道路モード燃費:16.3km/L
車両価格:392万2600円
ホンダS2000ジオーレ
ホンダS2000ジオーレ
■ホンダS2000ジオーレ(2003年式)
全長×全幅×全高:4135×1750×1285mm
ホイールベース:2400mm
車両重量:1240kg
エンジン形式:直列4気筒DOHC
総排気量:1997cc
最高出力:184kW(250ps)/8300rpm
最大トルク:218Nm/7500rpm
トランスミッション:6速MT
サスペンション形式 前後:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ 前/後:205/55R16 89V/225/50R16 92V
乗車定員:2名
10・15モード燃費:12.0km/L
車両価格(当時・消費税別):368万円

著者プロフィール

遠藤正賢 近影

遠藤正賢

1977年生まれ。神奈川県横浜市出身。2001年早稲田大学商学部卒業後、自動車ディーラー営業、国産新車誌編…