目次
軽バンとはどんな車?
軽バンとは、ワンボックスのボディが特徴の主に仕事で使うことを目的にした軽自動車タイプの「貨物自動車」のことです。
できるだけ多くの荷物を積み込めるように荷室が広く設計されていて、荷物を満載した状態でも長時間走れる耐久性能の高さにも優れるなど、仕事用のクルマとしてプロ仕様に開発されています。
「軽バン」というと装備や見た目の地味な印象がありましたが、近年では自動ブレーキやアダプティブクルーズコントロールといった先進機能を搭載したモデルやインテリア・エクステリアにこだわったモデルも販売されています。
軽バンの燃費や維持費について
自動車を所有する際にはランニングコストを把握することが重要です。
多くのユーザーにとってなじみの薄い、軽バンの燃費や自動車税、保険、車検などの維持費についてご紹介します。
- 軽乗用車と比べても劣らない燃費
- 軽バンの自動車税は軽乗用車の約半分
- 軽バンの任意保険は一般より若干高めに設定
- 車検の頻度などその他のポイント
軽乗用車と比べても劣らない燃費
「軽バン」と聞くと、角型の大きなボディで燃費が悪いという印象を持っているユーザーは少なくありません。
しかし、高効率エンジンや省燃費に効果的なトランスミッションの採用によって、近年では軽バンでも軽乗用車と変わらないくらい燃費性能に優れた車種が多くなっています。
代表的な軽バンの燃費(JC08モード)を確認してみましょう。
- スズキ エブリイ:20.5km/L
- ダイハツ ハイゼットカーゴ:20.5km/L
- ホンダ N-VAN:23.8km/L
高い燃費性能にこだわった軽バンは、ビジネスからプライベートまで役立ちます。
軽バンの自動車税は軽乗用車の約半分
貨物自動車である軽バンは、税金の金額が軽乗用車とは異なります。
軽乗用車と軽バンの軽自動車税を比較してみましょう。
【軽乗用車】
- 自家用:10,800円
- 営業用:6,900円
【軽バン】
- 自家用:5,000円
- 営業用:3,800円
見比べるとわかるように、軽バンの軽自動車税は一般の軽乗用車の半分程度となります。
自動車税は1年に1回支払うため、自家用車として軽バンを購入する場合、毎年5,800円節約できることになります。
軽バンの任意保険は一般より若干高めに設定
軽バンの任意保険は、一般の軽乗用車と比べて若干割高の場合が多いです。
保険料は事故に遭う確率などが反映されて決まりますが、軽バンは軽乗用車と比べると年間の走行距離が多いユーザーが少なくないため、必然的に交通事故に遭う確率が高くなってしまうのが理由の一つです。
ただし、軽乗用車と同じく、保険会社やドライバーの年齢、等級によって保険料は大きく変わるため、よく保険会社を比較して、安全運転を心がけることで毎年の保険料をリーズナブルに抑えることが可能です。
車検の頻度などその他のポイント
4ナンバーの商用車は1年毎の車検が基本ですが、軽バンを含む軽自動車の商用車の車検有効期間は2年間です。
そのため1回目の車検が2年目に実施される以外は、軽バンも普通の軽乗用車と車検の頻度は変わりません。 *一般の軽乗用車の1回目の車検は3年目
しかし、軽バンの車検時に注意が必要なのがタイヤです。
軽バンには、一般的に商用車の純正タイヤには負荷に強いLT(ライトトラック)タイヤが装着されています。安易に乗用車タイヤに交換してしまうと車検が通らなくなるだけでなく、走行時の危険性も高まるため注意しましょう。
※法改正により、軽バンでもLTタイヤ以外が履けるようになりましたが、タイヤの負荷指数を指すLI(ロードインデックス)が標準タイヤ以上という条件があります。
軽バンの選び方と比較ポイント
仕事から趣味まで用途に合った満足度の高い軽バンを選ぶために、比較するべき3つの大切なポイントをご紹介します。
選び方を確認して自分にピッタリの軽バンを見つけましょう。
- カタログ燃費を確認してランニングコストを比較
- 仕事や車中泊など用途に合わせて室内サイズを比較
- 車両価格や必要なオプション価格の合計を比較
カタログ燃費を確認してランニングコストを比較
燃費性能は軽バンを所有する上でランニングコストに直結する非常に重要な要素です。
各車種の公式HPやカタログ上には、JC08モードとWLTCモードの2種類の燃費が表示されている場合が多いです。
- JC08モード:2011年4月に表示が義務付けられた燃費測定方法。一般的に実燃費はJC08モード燃費より20%ほど低いと言われている。
- WLTCモード:2018年10月に導入された国際基準の測定方法。市街地・郊外・高速道路の3つの走行モードごとの燃費も表示される。
特にWLTCモードの燃費は、走行シーンに応じた燃費を確認できるため、実際のランニングコストを比較するのに役立ちます。
仕事や車中泊など用途に合わせて室内サイズを比較
軽バンを選ぶユーザーは、仕事道具の積載や荷物の配達、車中泊など使用用途があらかじめ決まっている場合が多いです。
そのため軽バンを販売しているメーカーは公式HP上にて「ダンボール何個分、ビールケース何個分」といった具合に荷室サイズや積載量を詳しく紹介しています。
車種を決める際には、どの車種を選ぶと積載したい荷物が収まるのかよく比較するようにしましょう。車中泊を考えている場合には、ベッドスペースになる荷室部分のサイズを比較することも重要です。
車両価格や必要なオプション価格の合計を比較
どの軽バンを選ぶか考える時には、車両価格に加えて必要なオプションも含めたトータルの費用を比較するようにしましょう。
軽バンには使用用途に合わせてクルマを最適化するために、多種多様なオプションが用意されています。
仕事用には、荷室の傷やサビを防いで荷物の出し入れを簡単にしてくれる硬質ラゲッジマットや仕事道具の整理が楽になるネットラックなどがよく選ばれています。
趣味用には、快適な車中泊に欠かせないベッドキットやキャンプが快適になるタープなどのオプションが人気です。
候補の軽バンを用途に合わせてオプションでカスタマイズして、トータルでそれぞれどれくらいの価格になるのかを比較しましょう。
軽バンおすすめ4選|スズキ・ダイハツ・ホンダ
以下では、ドライバーに人気の軽バンおすすめ4車種を紹介します。
軽バンおすすめ1. スズキ エブリイ
人の働きやすさを大切にした設計のエブリイ。毎日の安心のためにスズキの予防安全技術「セーフティサポート」を標準装備・オプションにて全グレードに設定しています。
2名乗車時の荷室長は1,955mm、助手席を前倒しにした状態では2,640mmもあるため、カーペットなどの長尺物の積載も安心です。
また、エブリイはビジネス・レジャー用途のオプションが豊富に用意されているのが特徴。乗車定員4人全員が横になって眠れる純正2段ベッドセットなど、他のメーカーにないユニークなオプションもあります。
メーカー | スズキ |
---|---|
車種 | エブリイ |
モデル・グレード | PA |
年式 | 2022年4月 |
全長×全幅×全高 | 3395×1475×1895mm |
ホイールベース | 2430mm |
車両重量 | 870kg |
サスペンション形式 |
前:マクファーソンストラット式コイルスプリング 後:I.T.L.(アイソレーテッド・トレーリング・リンク)式コイルスプリング |
エンジン型式 | R06A |
総排気量 | 658cc |
内径×行程 | 64.0mm×68.2mm |
圧縮比 | 11.3 |
最高出力 | 49ps(36kW)/6200rpm |
最大トルク | 6.1kg・m(60N・m)/4000rpm |
燃料供給装置 | EPI(電子制御燃料噴射装置) |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
燃料タンク容量 | 37L |
WLTCモード燃費 | 17.2km/L |
新車価格 | 991,100円 |
中古車価格 | 11~218万円 |
公式サイト | スズキ エブリイ公式サイト |
軽バンおすすめ2. ダイハツ ハイゼットカーゴ
ハイゼットカーゴは、荷室の長さ・幅・高さのサイズでクラスNo.1の圧倒的な積載能力が大きな魅力の軽バンです。
全グレード共通で荷室には多数のユースフルナットを装備しているため、ロープやベルトの固定、ネットやラックの設置など、アイディア次第で自由にカスタマイズして使い勝手を高めることができます。
また、クラス初となるウェルカムオープン機能が搭載され、予約しておくと鍵を持って近づくだけでドアが自動で開いてくれるので、両手が荷物でふさがっている状態でもスムーズに積み込みや乗り入れが可能です。
メーカー | ダイハツ |
---|---|
車種 | ハイゼットカーゴ |
モデル・グレード | スペシャル |
年式 | ー |
全長×全幅×全高 | 3395×1475×1890mm |
ホイールベース | 2450mm |
車両重量 | 1340kg |
サスペンション形式 |
前:マクファーソンストラット式コイルスプリング 後:トレーリングリンク車軸式コイルスプリング |
エンジン型式 | KF |
総排気量 | 658cc |
内径×行程 | 63.0mm×70.4mm |
圧縮比 | 11.3 |
最高出力 | 46ps(34kW)/5700rpm |
最大トルク | 6.1kg・m(60N・m)/4000rpm |
燃料供給装置 | EFI(電子制御式燃料噴射装置) |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
燃料タンク容量 | 38L |
WLTCモード燃費 | 14.9km/L |
新車価格 | 1,045,000円 |
中古車価格 | ー |
公式サイト | ダイハツ ハイゼットカーゴ公式サイト |
軽バンおすすめ3. ホンダ N-VAN
N-VANは“軽バン新基準”を目指して開発が進められたホンダの意欲作です。
ホンダの予防安全性能「Honda SENSING」が全グレードに標準装備され、クルーズコントロール機能も備わっているため、長時間の運転を安全にサポートしてくれます。
新しい軽バンの使い方を提案するために、ビジネス・レジャー用途で用意されているオプションの活用方法を紹介するコンテンツが用意されているため、使用シーンに合わせたカスタマイズの方法もイメージしやすいです。
JC08モードで23.8km/Lと軽バントップクラスの低燃費性も大きな魅力です。
メーカー | ホンダ |
---|---|
車種 | N-VAN |
モデル・グレード | G |
年式 | ー |
全長×全幅×全高 | 3395×1475×1945mm |
ホイールベース | 2520mm |
車両重量 | 930kg |
サスペンション形式 |
前:マクファーソン式 後:車軸式 |
エンジン型式 | S07B |
総排気量 | 658cc |
内径×行程 | 60.0mm×77.6mm |
圧縮比 | 12.0 |
最高出力 | 53ps(39kW)/6800rpm |
最大トルク | 6.5kg・m(64N・m)/4800rpm |
燃料供給装置 | 電子制御燃料噴射式(ホンダPGM-FI) |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
燃料タンク容量 | 27L |
WLTCモード燃費 | 19.8km/L |
新車価格 | 1,276,000円 |
中古車価格 | ー |
公式サイト | ホンダ N-VAN公式サイト |
軽バンおすすめ4. スズキ スペーシア ベース
スペーシア ベースは、自分好みの荷室にアレンジできるマルチボードが魅力の車。自由にアレンジできる4つのモードと使い方の例は以下の通りです。
- 上段モード:デスクスペースで仕事をする
- 中段モード:荷物を上下に分けて収納する
- 下段モード:フルフラットにして寝室にする
- 前後分割モード:荷物を前後に分けて収納する
まるで秘密基地のような車内は、自分だけのオフィスにしたり車中泊をしたりと楽しみ方は自由自在です。
また、スペーシア ベースは、スズキの予防安全技術が詰め込まれた「スズキ セーフティ サポート」を搭載しており、先進安全技術の性能が高いことを国土交通省が認定した車でもあります。
メーカー | スズキ |
---|---|
車種 | スペーシア ベース |
モデル・グレード | GF |
年式 | ー |
全長×全幅×全高 | 3395×1475×1785mm |
ホイールベース | 2460mm |
車両重量 | 860kg |
サスペンション形式 |
前:マクファーソンストラット式コイルスプリング 後:トーションビーム式コイルスプリング |
エンジン型式 | R06A |
総排気量 | 658cc |
内径×行程 | 64.0mm×68.2mm |
圧縮比 | 11.5 |
最高出力 | 52ps(38kW)/6500rpm |
最大トルク | 6.1kg・m(60N・m)/4000rpm |
燃料供給装置 | EPI(電子制御燃料噴射装置) |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
燃料タンク容量 | 27L |
WLTCモード燃費 | 21.2km/L |
新車価格 | 1,394,800円 |
中古車価格 | ー |
公式サイト | スズキ スペーシア ベース公式サイト |
軽バンに乗るならカーリースがおすすめ
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軽バンおすすめ車種の新車・中古価格比較表
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車種 | モデル・グレード | 新車価格 | 中古価格 |
---|---|---|---|
スズキ エブリイ | ジョイン | 1,190,000円 | 6.8~298万円 |
ダイハツ ハイゼットカーゴ | クルーズターボ | 1,452,000円 | 3.5~250万円 |
ホンダ N-VAN | +STYLE FUN | 1,629,100円 | 119.8~187.2万円 |
スズキ スペーシア ベース | GF | 1,394,800円 | ー |
【Q&A】軽バンについて多い質問
以下では、軽バンについて多い質問・疑問に回答します。
- 軽バンでよく聞くOEMって何?
- 軽バンの中古車選びの注意点は?
- 軽バンの車検費用はいくらが相場?
Q. 軽バンでよく聞くOEMって何?
OEMとは“Original Equipment Manufacturer”の略で、他社ブランドの製品を製造することを指す言葉です。軽バンにはOEM車が多くラインナップされています。
【スズキ エブリィのOEM車】
- マツダ スクラムバン
- 三菱 ミニキャブバン
- NV100 クリッパー
【ダイハツ ハイゼットカーゴのOEM車】
- トヨタ ピクシスバン
エンブレムやグリル部分のデザインが多少違っても、OEM車の性能は供給元のモデルと全く同等です。
しかし、中古車市場ではOEM車は車両価格が安くなりやすいため、コストをできるだけ抑えたいユーザーにおすすめです。
Q. 軽バンの中古車選びの注意点は?
仕事用に使用するユーザーが多いため、まず荷室の状態を確認することが重要です。
職人さんが棚などを設置するためにビス穴が開けられていたり、食料品の配送でカビやサビが発生していたりすることもあるため、床面から天井までしっかりと確認しましょう。
また宅配で使用されていると頻繁にスライドドアの開閉を繰り返すため、スライドドアの開閉がスムーズにできるか、異音が出ていないかなど確認することも忘れないようにしましょう。
Q. 軽バンの車検費用はいくらが相場?
自賠責保険の費用が軽自動車よりも高いことを除けば、軽バンの車検費用は軽自動車とほとんど変わりません。
修理が必要な部分がどれくらいあるかによっても大きく変わりますが、以下が軽バンの車検費用の相場です。
- ディーラーでの車検費用:約6万円~8万円
- 車検専門工場での車検費用:約5万円~7万円
- カー用品店での車検費用:約5万円~7万円
- ユーザー車検での車検費用:約4万円
車検の際には見積もりを数社で出してもらうと、必要に合ったサービスを受けやすくなります。
軽バンは口コミ・レビューも参考に購入しよう
仕事用からレジャー用まで、いろいろな活用方法のある軽バンの特徴や選び方をご紹介しました。
軽バンを初めて購入しようと考えている方は、カタログに載せられている情報を眺めていても、実際に使用する際のイメージがつかみにくいかもしれません。
自動車サイトのレビュー欄には、写真付きで口コミを投稿しているユーザーもいるので役立ちます。
人気の軽バンを比較したり、レビューを参考にしたりしながら、自分の用途にピッタリ合った軽バンを見つけましょう。