ベースはハイメディックのハイエース。室内高が高いから車内が広々!|レクヴィ カントリークラブ アルト
レグヴィのバンコンは、商品企画という点ではおもしろいモデルが多い。どこか他社とは視点が異なっており、ショーで発表されるニューモデルが楽しみになるビルダーのひとつだ。おもしろいという点では、「カントリークラブ アルト」もかなりユニークだ。
何がユニークかというと、ベース車両なのである。なんと、ハイエースの「ハイメディック」を使っているのだ。ハイメディックとは、いわゆる救急車用の車両で、カントリークラブ アルトに使っているのは三代目4型モデル。ルーフをよく見ると、パトランプが入るスペースをカバーしているのが分かる。
なぜハイメディックを使うのかというと、それは室内高の高さ。ハイエース・スーパーロング・ハイルーフのコミューターで1565mm、これに対してハイメディックは1850mm。さすがは車内で救命行為がスムーズにできるよう造られたクルマだ。この室内高を、そのまま快適な空間に転用したのが同モデルというわけだ。
車内に入ると感じるのは、「ああ、バンコンでもこれくらい広いといいよな」ということ。ハイエースだが頭上の圧迫感がなく、身長180cmの筆者でも楽に移動することができる。
入口ですぐに目に入るのが、障子風のライトと、瀬戸焼のシンク。和モダンな雰囲気が、大人の感性にストンと落ちる。調理台は室内幅と同じくらいあるので、材料をいっぱい出して、思う存分腕を奮うことができるだろう。ギャレーが運転席後ろにあるのはかなり便利で、作った料理を車内のダイネットにすぐに運べるだけでなく、車外に持ち出すのも容易だ。できればオプションでサイドオーニングを出して、その下で食事をしたらさらに美味しいにちがいない。
ギャレーとL字形で冷蔵庫が設置され、さらに後部には右手には2段ベッド、左手にはダイネットが並ぶ。ダイネットは対座式だが、前側は反転させて前方方向に向けることができる。
さらに、前後両方を倒してマットを追加すれば、二段ベッドの下段と合体させて、広い就寝スペースを作ることも可能だ。二人旅であれば、就寝に二段ベッドを使えば、ダイネットをそのままに生活することが可能だ。ちなみに上段ベッドは畳んでおけるので、下段ベッドをソファーにしてくつろぐこともできる。
特筆すべきは、最後部のリア防水ルーム。トイレやシャワールームとして使うことができ、左サイドに立派なシンクも装備される。調理用と手洗い用のシンクが一緒なのは抵抗がある人もいると思うので、ふたつあるのは想像以上にありがたい。また、居住区画としっかり分かれているので、用を足すにも気兼ねなくできる。
同モデルの価格は、859.1万円〜。ハイメディックでなければ、もう少しリーズナブルなグレードも用意されている。しかし居住性を考えると、やはりこのスーペリア+A/C仕様が欲しくなる。しかし、キャブコンを買っても同じ価格帯だし、車両の機動力という点から考えれば、2.7Lガソリンエンジンでワンボックス車の同モデルは、確実にアドバンテージがある。
バンコンはちょっと狭い…というイメージを完全に払拭した、装備も空間もラグジュアリーな1台なのだ。