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スムーズな発進と快適な加速感 安全機能は上級車に迫るほど
ダイハツ・タントは両側スライドドア、Bピラーレスのミラクルオープンドアを採用するプチバンとして子育て世代にアピールしてきたスーパーハイト系軽自動車。しかしこの四代目は、もはや子育てカーとは呼べないほどの完成度を備えている。ロッキーなどのBセグメントにも使われるDNGA(ダイハツニューグローバルアーキテクチャー)と呼ばれるプラットフォームを採用し、特にカスタムともなれば、ボックス型ミニバンに迫る迫力ある顔つき、存在感さえもち合わせているからだ。
エクステリア
とはいえ、タント本来の使い勝手の良さはカスタムでも不変。運転席540mm、助手席380mmのロングスライド機構、後席5対5分割式240mmのスライド機構で、子育て世代を含むあらゆるユーザーの幅広い使い勝手に貢献している。また、ダイハツ自慢のスマアシも進化し、歩行者対応の衝突軽減ブレーキ、〝ブレーキ制御〞付き前後誤発進抑制機能など、最大17種類もの予防安全機能を揃えている。さらに2021年9月の一部改良では、このクラスではいち早くスマートパックとして電子パーキングブレーキとオートブレー キホールド機能、高速走行の機会が多いユーザーにうれしい全車速追従機能付きACC、コーナリングトレースアシストを用意(標準またはオプション)。上級車に迫る安心・安全機能を用意していることになる。
乗降性
運転席に座れば、ブラック基調のインテリアの質感の高さやシートの掛け心地の良さ、そして全方向の視界の良さに満足できるはずだ。このセミベンチタイプのシートであれば、長時間の運転も快適そのものである。もちろん、後席居住空間は広大。身長172cmの筆者基準で頭上に270mm、膝まわりに最大355mm(スライド位置による)ものスペースがあり、なおかつフロアに対してシートが高めにセットされているため着座、立ち上がり性ともに抜群だ。
タントカスタムの走行性能は、自然吸気モデルでも加速度先代比 %UPの恩恵で、出足からスムーズかつトルキーに発進、加速する。動力性能的には、平坦な市街地、高速道路ならストレスのないレベルにあり、軽く扱いやすくスッキリとしたパワーステアリングの操舵感、 14インチタイヤによるフラットで優れた乗り心地、カーブでの前後左右の姿勢変化の小ささが魅力。後述するターボモデルとの比較で差がつくのは、登坂路、高速走行が主と言っていい。
居住性
高性能・低フリクションダンパーを奢るターボモデルのRSグレードともなれば、登坂路、高速道路を問わない動力性能の余裕とともに、インチタイヤによる一段と上質な乗り味が際立つ。段差の通過でもスッキリといなしてくれるため、後席であっても快適感は上回る。ステアリングフィールもまたフリクションのないスムーズさがあり、ステアリングを切ればリニアに向きを変えてくれるから、走りが楽しい。このあたりはDNGAの面目躍如と言ったところだろう。
うれしい装備
月間登録台数 7957台タントを含む (21年8月〜22年1月平均値) 現行型発表 19年7月(一部改良 21年9月) WLTCモード燃費 21.0 km/l ※「X」系のFF車
ラゲッジルーム
ちなみに全車ともに遮音、吸音性能は同等なのだが、エコスペシャルな 14インチタイヤより15インチタイヤの方がロードノイズを拾いにくく、より静かである。
※本稿は、モーターファン別冊ニューモデル速報統括シリーズVol.140「2022年軽自動車のすべて」の再録です。
http://motorfan-newmodel.com/integration/140/