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乗り心地重視の効果が現れ上質で快適なフィーリング
それまでのCX-8に代わり登場したCX-80。一括企画・開発で誕生した4車型のラージ商品群のうち、国内では2022年のCX-60に次いでの投入となった。3列シートを備え、マツダ車ではフラッグシップの位置付けとなる。CX-60に対し全幅は1890㎜と共通ながら、全長とホイールベースはともに250㎜長い。また同じ3列シートだった先代CX-8と比べると、全長+65㎜、全幅+45㎜(全高はマイナス20㎜)、ホイールベースはプラス190㎜、それぞれ拡大している。
エクステリア




ちなみにCX-80およびCX-60はラージ商品群の中ではナローと分類され、日本、欧州で展開。一方で北米市場をメインに展開するのがワイドボディのCX-70とCX-90で、ほぼ同じ全長とホイールベースながら、2列/5人乗りのCX-70と、3列/7人または8人乗りのCX-90につくり分けられている。
乗降性



CX-80で見るべきはパッケージングで、エンジンを縦置きとするマルチソリューションスケーラブルアーキテクチャーにより、6人または7人乗りの3列シートを実現。搭載するパワートレインは3種類がある3.3ℓの直列6気筒ディーゼルターボと、その48Vマイルドハイブリッド、それと2.5ℓの直列4気筒ガソリンエンジン+モーターのPHEVを用意。4WDはXD系の全車とPHEVに設定され、XDの非マイルドハイブリッドにはFR(後輪駆動)も設定される。前述のとおりシートについては6人乗りと7人乗りがあり、セカンドシートについては7人乗りはベンチタイプ、6人乗りにはキャプテンシートとセンターウォークスルーがグレードにより設定されている。
インストルメントパネル

全長4990㎜、全幅1890㎜のボディサイズは「国内市場でしっかり選んでもらえる限界に収めたもの」(開発責任者の柴田主査)だそうだが、マツダの基準に則って適正な前方視界、運転ポジションが決められているために、実際の取り回しは想像するほどの負担は感じない。むしろボディサイズ以上に実感できるのは室内空間の〝豊かさ〞で、特に2列目(キャプテンシート)のカップルディスタンスはCX-60の2目に対して60㎜のゆとりが確保されているというのは座ると理解できる。また身長170㎝の乗員までが想定された3列目の居住空間は、自然な着座姿勢、明るい視界、専用の空調吹き出し口などで思いのほか快適だ。乗降時の空間の広さや足元のステップ形状がきちんと考えられているのもありがたい。
居住性



走りに関しては、車種、車重は違うものの、ハンドリングを重視していた初期のCX-60に対して、より乗り心地を重視した設定といい、具体的にはリヤのダンパーの減衰力はやや上げ、バネは柔らかくしたのだと言う。
うれしい装備





新規デビュー 24年10月10日
月間販売台数 1700台(24年9月~11月平均)
WLTCモード燃費 19.2km/ℓ※「XD-HYBRID Exclusive」系の6人乗り

ラゲッジルーム



その効果は実際に表れていて、走行中のピッチングがバウンズ基調に変換された・・・。という印象。パワートレインはいずれも十二分な性能をもっており、ディーゼルターボのマイルドハイブリッドは3.3ℓのパワーのゆとりとレスポンスの良さを、ガソリンのPHEVは、スムースで快適なドライバビリティによりCX-80らしい上質感を、それぞれ味わわせてくれる。

