燃費の良さ、高い運動性能と、やはり大本命か!?
ハイブリッドが積む2.5L直列4気筒「A25A-FXS」型は、「TNGA」向けダイナミックフォースエンジンで、低燃費はもちろん、低速域からツキが良く、高速域のパンチ力も追求された最新の心臓部。RAV4(88kW/202Nm)よりもエンジン、フロントモーターともに出力、トルクが向上した恩恵で、2tを軽く超える巨体がスムーズに走る。同じシステムを積むレクサスNXと比べると、エンジンの最高出力は同値、最大トルクは7Nm下回るものの、134kW/270Nmのフロントモーターが利いているのを実感できる。
速さは想像以上で、高速道路も容易にリードできそうだ。それでいながら扱いやすく、アクセル操作に対し巨体に見合うようにリニアに動く。ドライバーは楽しくても乗員の酔いを誘うような無作法とも無縁だ。バッテリー残量により発進時だけでなく、EVスイッチを押すことでモーター走行になるため、静粛性の高さも群を抜いている。エンジン始動時の音、振動もかなり抑えられていて、エンジン音自体も最も静かな印象を受けた。
E-Fourは2.2tを超えるが、リアモーターも加勢するためそれほど重さを抱かせない。FFよりも重厚感のある乗り味だが、降雪地域でも夏は新型らしいソリッドかつ爽快な走りと、冬は後ろから押してもらう感覚で、安定した走破性を確保してくれるだろう。
最大の見せ場は、開発陣が注力した乗り心地の良さ。極低速域では微振動は皆無ではないものの、速度が高まるほどフラットライド感が増す。周波数感応型ショックアブソーバーは、アルファードの「エグゼクティブラウンジ」とヴェルファイアに標準装備していて、電子制御ではなく減衰力に応じて機械的に可変しているが、低速域ではコツコツ感を抑え、高速域ではボディの揺れを抑制。シートやクッション、フレームへの防振ゴムなどの乗り心地対策も含めて、とくに1列目と2列目の静粛性の高さが際立っている。17km/L台という燃費も含め、新型アルヴェルらしい特徴を最も享受するのであれば2.5Lハイブリッドを選ぶのが正解。
【搭載グレード】
アルファード エグゼクティブラウンジ Z
ヴェルファイア エグゼクティブラウンジ Z Premier
※2WDとE-Fourの設定あり
SPECIFICATIONS
燃費(WLTC) | 17.7km/L |
最大出力 | 190ps |
最大トルク | 236Nm |
モーター最大出力 | F=182ps/R=54ps |
モーター最大トルク | F=270Nm/R=121Nm |
トランスミッション | 電気式無段変速 |
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STYLEWAGON(スタイルワゴン)2023年9月号より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]