スーパーハイトでは実現できない本物の走破性!
ここまで軽自動車の主流であるスーパーハイトのアクティブ系3車種について見てきたが、ここで少し視野を広げてみると、ジムニーという選択肢もチラついてくる。ジムニーは「スーパーハイト」を軸に考えるとボール10個分は外れた変化球でしかないが、「アクティブ」を軸に考えると火の出るようなド真ん中のストレートということになるからだ。
なにせラダーフレーム採用の本格クロカンであるジムニーは、FRをベースとしつつ2WDと4WDの切り替えを手動で行う機械式副変速機を備えたパートタイム4WDシステムを搭載。エンジンも低速トルク重視のターボ仕様で、並のクルマがスタックしてしまう泥濘地も、壁のようにそり立つ山坂道も突破する本物の悪路走破性を備えている。
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ただ、その分当然といえば当然だが、オンロードにおける乗り心地はユサユサとよく動き、音や振動も賑やか。室内はスーパーハイトとは比べ物にならないほど狭く、スライドドアはもちろん、そもそもリアドアが付いていない。
快適さや便利さの面ではスーパーハイトと対極に位置する選択肢のジムニーだが、果たしてあなたが欲しいと思っている軽自動車はアクティブ「系」なのか、本物のアクティブなのか。ここで一度胸に手を当てて考えていただくのも、より良い軽自動車選びの助けとなるかもしれない。
前面投影面積がどうこうより、効率よく人と物が乗せられて、走行中の見切りもいい四角四面な直立ボディを採用。横向きに開くバックドアには、フルサイズのスペアタイヤが搭載される。「XC」のみブラックトップ2トーン、ブラック2トーンを設定。
レスポンスに優れた小型タービンを採用し、低速から豊かなトルクを立ち上げるターボエンジンを搭載。トランスミッションに4速ATだけでなく、5速MTが設定されるのも特徴。WLTCモード燃費はAT車が14.3km/L、MT車が16.6km/L。
上級グレードの「XC」は16インチのアルミホイールを標準装備。フェンダーとタイヤのクリアランスの大きさも、悪路走破性を重視したキャラクターを物語る。「XL」と「XG」に関しては16インチのスチールホイールを備える。
車体の傾きが把握しやすい水平基調のインパネを採用。助手席前には悪路走行中に身体を支えられるようハンドルも装備されている。いかにも質実剛健といったイメージだが、「XC」と「XL」にはフルオートエアコン、キーレスプッシュスタートなども標準装備される。衝突被害軽減ブレーキはシステムの世代が旧式となるデュアルセンサーブレーキサポートを全車に備える。
2WDと4WDを手動で切り替えるトランスファーレバーを装備。4WDは雪道や荒地などで2WD走行が困難な場合に使用する4H(4WD高速)と、スタックからの脱出を図る時により大きなトルクを生み出す4L(4WD低速)を用意。
道具っぽいイメージのベゼルで囲われたタコメーターとスピードメーターを装備。中央に液晶マルチインフォメーションディスプレイを備える。
シート表皮は全車ファブリックで、「XC」と「XL」には撥水加工が施されている。リアシートの仕様もグレード別に異なり、「XC」と「XL」は左右独立でリクライニング調整ができる仕様となる一方、「XG」はヘッドレストも備わらない一体可倒シートが備わる。後席は見た目の印象よりは意外と座れる広さだが、それでも決して快適な乗り心地とはいい難い。
「XC」と「XL」は手前側にラゲッジボックスを備え、中に小物類を入れることが可能。奥行きは約240mmと狭く、5対5分割可倒式のリアシートを倒した状態でも運転席背もたれまでで約980mmと決して広くはない。その代わり、荷室側面の10カ所にユーティリティナットを備え、市販のバーなどを使って積みたい荷物に合わせた空間アレンジが可能だ。
【SUZUKI JIMNY】
グレード:4WD・5速MT
車両本体価格:190万3000円
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自動車誌MOOK 最新軽自動車カタログ 2025 より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]
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