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メルセデス・ベンツ:プラグイン・ディーゼルハイブリッドの最新モデルを発表

  • 2018/03/08
  • Motor Fan illustrated編集部
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ジュネーブモーターショーに、最新のディーゼル技術と9G-TRONIC 9速ハイブリッドトランスミッションを掛け合わせた2台のメルセデス・ベンツの試作モデルが登場する。S560 eと同じように、Cクラス・Eクラス プラグインディーゼルハイブリッドモデルは将来的には第3世代のハイブリッド技術を使用する予定で、最初のモデルは2018年の夏後半に登場する予定。

現在、メルセデス・ベンツは最新のプラグインハイブリッド技術の量産化に向けて開発を着実に進めている。プラグインハイブリッド技術は未来の自動車社会において低排出量に向けたカギとなる技術だ。都市部では完全EVとして運転し、長距離の運転では内燃エンジンの利点を最大活用する走りをする。メルセデス・ベンツは初めて、4気筒ディーゼルエンジンに第3世代ハイブリッド技術を導入する。結果、より高い効率や乗り心地・航続距離などのパフォーマンスが期待できる。

プラグインハイブリッド技術がより大型の車種にも搭載できるように進んできた今、メルセデス・ベンツはこの最新のパワートレインコンセプトをCクラス以上のモデルにも応用する予定だ。メルセデス・ベンツのインテリジェントな“モデュラーハイブリッドコンセプト”という名のもと、右・左ハンドル両方の後輪駆動モデルシリーズの多くがハイブリッド化の恩恵を受ける。より高い効率が得られるだけでなく、よりダイナミックなパフォーマンスが期待されている。

ローンチ予定のプラグイン・ディーゼルハイブリッドのCクラス・Eクラス

テクノロジーや効率などの観点から大きく注目されているのが、メルセデス・ベンツCクラス・Eクラスモデルだ。メルセデス・ベンツ最先端のディーゼルエンジンが外部充電可能なハイブリッドシステムと組み合わされる。OM654型4気筒ディーゼルエンジンと 9G-TRONIC 9速ハイブリッドトランスミッションのコンビネーションは低排出モビリティを可能にすると同時に、運転の楽しさやフィーリングなども一回りアップする。

発表された企画ではモーターは90kW/440Nmを発揮、NEDCモードで50kmのEV航続距離を確保する。第三世代ハイブリッド技術のほか、家庭用電源で7時間で充電できる13.5 kWhの容量を持つ最新のリチウムイオンバッテリーの登場も、開発の大きな後押しとなった。

第3世代のハイブリッド技術は、より高度で進んだ運転マネジメントシステムによって運転者をサポートできる。カーナビや車両に搭載されているカメラやレーダーセンサーからの情報を活用し、ドライバーの視界をはるかに超える広いエリアを見渡すことができる。また、個々の経路や速度にあった細かい運転の調節などもできる。

わずか1400回転あたりから始まる700Nmの強大なトルクから得られる最高のドライビングフィールのみならず、この最新のプラグイン・ディーゼルハイブリッドには快適さも備わっている。パワートレインの高電圧ユニットは電動コンプレッサと高電圧ヒーター・ブースターユニットにも電源を供給しており、夏の暑い日や冬の寒い日でも車内は快適な温度が保てるようになっている。

最新のOM654型4気筒ディーゼルエンジン

S 560 eには約50kmのNEDCモードEV航続距離がある。このモデルこそ、新型のパワートレインを最初に使用したモデルだ。同車のハイブリッドはV型6気筒のガソリンエンジンからの270kW (367hp) とモーター90kWの出力を組み合わせている。

公開予定のCクラス・Eクラスは最新のOM654型4気筒ディーゼルエンジンを使用する。このエンジンは自家用車向けディーゼルエンジンとしては初めて「ステップド・ボウル燃焼プロセス」を取り入れている。この名称はメルセデス・ベンツ独自のピストントップ形状からきている。また、アルミのエンジンブロックと鋼鉄のピストンという組み合わせや、より改良された NANOSLIDEシリンダーコーティングなどからエンジン内部の摩擦が25%ほど改良した。さらに第4世代のコモンレールインジェクションによる2050barの燃圧に上る燃料噴射も性能向上の一助となっている。全体的にみると従来のエンジンモデルよりも非常にコンパクトになっているのが特徴だ。

ECOアシストつきハイブリッドシステム

新型のハイブリッドシステムには燃費にやさしい運転ができるような様々なアシスト機能がついている。たとえば制限速度近くまで加速してきているとき、運転者にアクセルから力を抜く適切なタイミングを通知する機能などがついている。走行中の道路の制限速度はカーナビやセンサーなどから自動的にインプットされている。また、ほかにも走行経路の特徴(カーブやジャンクションなど)や前の車との間隔などの適切な情報やそれをもとにした最適な運転のアシストなどが可能になっている。

運転手の気分や目的に応じて、4つのモードがコンソールから選択できるようになっている。

• HYBRID: デフォルトで選択してあるモード。電気アシストやエネルギー回生などの運転状況に適した基本ハイブリッドアシストが入る
• E-MODE: 主に都市部の走行を想定した、完全EV運転モード
• E-SAVE: のちにE-MODEを使用できるよう、バッテリーを消費しないモード
• CHARGE: 走行中にバッテリー充電を行う

第3世代のハイブリッドシステムは、さらにパワフル、さらにコンパクトに

メルセデス・ベンツから最初のハイブリッド車が発表されたのは2009年。当時、S400ハイブリッドに搭載されていたP1システム(電気モーターが直接内燃エンジンに搭載されていた)は、20kWの出力であった。第2世代はP2形式(トランスミッション入力点にクラッチを挟んで電気モーターがある形式)をとっていた。SクラスではS400hのガソリンエンジン、S300hのディーゼルエンジンに加えて電気モーターによる20kWの出力が上乗せできるようになっている。最初のプラグインハイブリッドシステムは、2014年にS500プラグインハイブリッドモデルで登場した。NEDCモードでは8.7kWhの容量で33kmの電気航続距離があった。

2017年のIAAでは最新のGLC F-CELLが公開された。4.4キロの水素を使用して燃料電池がバッテリーを充電することで、エンジンを使用せずに電気エネルギーを発生できるこのシステムによってNEDCモードで437kmもの航続距離が出る。また、大容量のリチウムイオンバッテリーによって、さらに49km伸ばすことが可能だ。

自宅で簡単に充電ができる:メルセデス・ベンツWallbox

新型のメルセデス・ベンツWallboxでは今までよりもより簡単に、より便利にプラグインハイブリッドや電気自動車の充電が可能だ。22kW分の充電ができるほか、充電中にスマートフォンからユーザー管理やバッテリー消費データの閲覧などができる。2018年の夏にはヨーロッパでロールアウトし、その後約40の地域の市場に登場する予定だ。また、ネットワーク機能付きで赤外線を使用して複数のユーザー管理ができるAdvanced Wallboxモデルや、同時に2台の車の充電(それぞれ11kWずつ)ができるWallbox Twinモデルは2018年後半で登場予定だ。

最新のWallbox ウェブアプリでは充電モード、ユーザー管理、充電統計データや最適充電モードの自動選択などの機能がスマートフォンから選択・設定できる。ヨーロッパではオプションとしてWallbox sharingや協賛企業のABL やhas.to.be.の決済サービスもアプリから利用できる。

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